NPB複数球団がマークする宗山塁の実力は? 高校生は長距離砲がズラリ 24年ドラフト候補10選【野手編】

2024年1月1日(月)7時0分 ココカラネクスト

宗山と高校の同期だった渡部も上位指名の期待

宗山は走攻守が揃った実力派の内野手。そのポテンシャルには早くもプロから熱視線が注がれている。写真:西尾典文

 昨年は大学生投手たちが相次いで上位指名されたドラフト会議。2024年もプロへのステップアップを果たせるだけのポテンシャルを持った選手は多士済々だ。

 果たして、24年の指名候補にはどんな有力選手がいるのか。投手と野手の10人ずつを厳選して紹介したいと思う。今回は野手編だ。

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●宗山塁(明治大=広陵高出身/遊撃手)
 早くから2024年の目玉と見られてきた現大学球界でナンバーワンショートだ。上半身の力を抜いて素早く動けるフットワーク、柔らかいハンドリング、正確で強いスローイングはいずれも一級品で、既にプロでも上位の守備力を誇る。

 打撃もバランスの良いスイングで軽々とヒットを放ち、スタンドへ運ぶパンチ力もある。昨年は身体を絞り、脚力もアップし、着実に成長を続けている。すでに複数のNPB球団が徹底マークすると報道されており、順調にいけば1位重複の可能性は高い。

●渡部聖弥(大阪商業大=広陵高出身/外野手)
 抜群のパンチ力と運動能力を誇る外野手。大学進学後に見違えるほど体躯が大きくなり、それに比例して長打力もアップ。2年秋にはリーグ新記録となるシーズン5本塁打を放った。どのコースにもスムーズにバットが出て、広角にホームランを放てるのが大きな魅力だ。

 加えて強肩を利した守備と俊足もかなりのレベルにあり、外野手としての総合力も高い。大学日本代表候補でもその打撃の安定感は群を抜いており、高校の同期である宗山と揃っての1位指名も期待できそうだ。

●西川史礁(青山学院大=龍谷大平安高出身/外野手)
 昨年に大ブレイクを果たした右のスラッガー。3年春のリーグ戦で打率.364、3本塁打、10打点の活躍でMVPを受賞すると、6月の大学選手権でも5割近い打率(.467)を残してチームの日本一に大きく貢献した。

 大学日本代表候でも4番を任され、日米大学野球でもメジャーリーグの未来を担う好投手たちを相手に快音を連発。秋のリーグ戦こそ厳しいマークに苦しんだが、明治神宮大会でも豪快な一発を放った。長打力は大学球界でも屈指の存在で、貴重な右の長距離砲だけに高い注目を集めるのは間違いない。

青学の“ドラフトコンビ”から一発を放った万能型

●麦谷祐介(富士大=大崎中央高出身/外野手)
 高いレベルで三拍子揃った万能タイプ。昨年は大学選手権で下村海翔(阪神1位)、明治神宮大会では常広羽也斗(広島1位)と青山学院大が誇るドラフト1位右腕からホームランを放ち、一気に注目度を上げた。

 金本知憲(元広島・阪神)を彷彿とさせるヘッドの走らせ方が特徴で、広角に飛ばせる技術が長所。俊足と低い軌道で一直線にホームに届く強肩も大きな持ち味だ。昨年全国の舞台で見せたパフォーマンスを継続できれば上位指名も見えてくるだろう。

●佐々木泰(青山学院大=県岐阜商出身/三塁手)
 県岐阜商時代には1年秋の練習試合で西純矢(現・阪神)から5打数5安打のサイクルヒットを放つなど早くから中軸として活躍。大学でも1年春にいきなり4本塁打を放ってスカウト陣を驚かせた。

 2年以降は厳しいマークに苦しみ、調子を崩したシーズンもあったが、インパクトの強さは大きな魅力だ。昨年はチームメイトの西川の台頭で少し存在感が薄れていただけに、最終学年では打撃の確実性と守備の堅実さをアップさせられるかが課題。再び世代トップへの返り咲きを目指したい。

●柳舘憲吾(国学院大=日大三高出身/三塁手)
 佐々木泰と並んで東都大学で高い注目を集めている強打のサード。日大三高時代から打撃には定評があったが、大学でも順調にスケールアップし、昨春には首位打者も獲得した。バットを身体の前に置く独特のフォームだが、タイミングを取る動きに無駄がなく、鋭い振り出しでどのコースも強く弾き返せる。守備はアマチュア全体でも上位と言えるレベルで安定感は抜群。大学日本代表での佐々木とのポジション争いにも注目が集まる。

関東屈指の名門で1年からレギュラーを張る強肩強打の捕手

●石塚裕惺(花咲徳栄高/遊撃手)
 現時点で高校ナンバーワン野手との声も聞かれる強打のショート。夏まではどちらかというと巧打力が目立つタイプだったが、秋の新チームからは力強さが大幅にアップし、関東大会でも特大の一発を放った。

 強靭なリストで巻き取るような強烈に引っ張り、打球の速さは目を見張るものがある。ショートの守備も派手さはないが、堅実で肩の強さと脚力も申し分ない。プレーのスピードと軽やかさが出てくれば、一気に高校生野手の目玉となる可能性も高い。

●モイセエフ・ニキータ(豊川高/外野手)
 秋に急浮上してきた強打の外野手だ。180センチ、80キロと均整のとれた逞しい体格を生かしたフルスイングは迫力十分で、ヘッドスピードと打球の速さは高校生離れしたものがある。明治神宮大会でも上がり過ぎたように見えた打球を、そのままライトスタンドに放り込むホームランをマークした。チャンスでの勝負強さも天下一品で、脚力はそこまで圧倒的ではないが、肩の強さも目立つ。今春の選抜ではその打棒に熱視線が注がれそうだ。

●箱山遥人(健大高崎高/捕手)
 関東屈指の強豪で1年秋から不動のレギュラーとして活躍している強肩強打のキャッチャー。地肩の強さに加えて捕球から送球までのスムーズさも備えており、2.00秒を切れば強肩と言われるセカンド送球はコンスタントに1.8秒台をマークする。

 打撃でもタイミングの取り方に余裕があり、広角に強い打球を放てる超高校球。捕手としての総合力は今年の高校生の中でも頭一つ抜けた存在であり、高い順位でのプロ入りも狙える存在だ。

●森井翔太郎(桐朋高/三塁手兼遊撃手)
 東京都内の進学校でにわかに注目を集めている左の強打者。ゆったりとした大きな構えでボールを呼び込むのが上手く、柔らかいスイングで軽々と外野の頭を超える。旧チームでも不動の中軸で日当直喜(東海大菅生→楽天3位)からも鋭い当たりのヒットを放った。

 投手としても140キロ台中盤をマークする強肩も大きな魅力。有名大学に進学者が多い学校としても知られるが、本人のプロ志向も強いと言われているだけに、春以降もスカウト陣の注目を集めるのは間違いない

[取材・文:西尾典文]

【著者プロフィール】

1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。

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