富山第一、土壇場の決勝ゴールは 今年のエースから来年のエースへのホットライン

2019年1月1日(火)15時59分 サッカーキング

高木(左、17番)の決勝点で富山第一が勝利 [写真]=小林浩一

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取材・文=安藤隆人(提供:ストライカーデラックス編集部)

 決勝点は、今年のエースから来年のエースへのコンビネーションから紡ぎ出された。

 2−2で迎えた後半アディショナルタイム。富山第一は2点のリードを追いつかれるという嫌な流れの中で、右サイドでフリーキックを獲得した。表示されたアディショナルタイムは4分。そして、ピッチサイドには西京の控えGK平山拓海が交代の準備を取っており、このチャンスを逃せば、PK戦突入が濃厚の状況だった。

 フリーキックのポイントにエースのMF小森飛絢と2年生DFの真田滉大が立つと、キャプテンのCB中田青と後半22分に投入された2年生MF高木俊希が駆け寄ってきた。中田と高木は共に上背はないが、ヘッドを得意とする選手だ。

「2人が『どこに蹴る?』と聞いてきたので、『真田が蹴ると見せかけて、俺が蹴るから、その間にマークを外してニアとファーに入ってくれ』と話をしました」(小森)。

 この緊迫した局面で、彼らは非常に冷静だった。それぞれが立ち位置に散ると、確認したとおりに真田がフェイントとなるアクションを起こし、その瞬間に中田はファーに、高木はニアにそれぞれマークを外して勢いよく飛び込んだ。そして、小森はゴール前に落とすボールを蹴り入れると、高木がゴールキーパーの目の前でドンピシャヘッドで合わせ、決勝弾をたたき込んだ。

 高木は3年生主体のチームの中で、唯一の2年生として春先からレギュラーをつかんだ次期エースだった。しかし、10月に足首をねん挫して離脱。復帰を果たしたが、3年生にレギュラーを奪われてしまった。

「すごく悔しかった。でも普段の練習から出番を掴んだらいかに活躍するかを考えてやってきました。今日も『僕の出番はある』と思って、僕が入ったらどうするか常にイメージしていました。いろんなバリエーションの点の決め方や、守備でガツガツ行くことを考えていました」

 しっかりとイメージをして試合に入ったからこそ、値千金の決勝弾につながった。「僕がチームを引っ張って、苦しいときに助けられる選手になりたい。今大会はもちろん、来年も常に結果を残し続けられる3年生になりたい」。今年のエースから来年のエースへ。選手権の大舞台でつながったホットラインは、チームのこれからに大きな活力をもたらすだろう。

 2回戦以降もこのホットラインがさらに結果を出すこととなれば、それはすなわち来年への希望をもたらすことを意味する。次なる秋田商戦はまさにこれからの富山第一にとって重要な一戦となる。

サッカーキング

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