ルール改正で一本勝ち増加の柔道、東京五輪の「顔」は大野将平

1月3日(金)6時0分 SPAIA

大野将平Ⓒゲッティイメージズ

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大野将平の必殺技、大外刈りは世界が称賛

日本のお家芸、柔道は「柔よく剛を制す」と言われるように100種類の技がある格闘技だ。「JUDO」として世界に広がった今、その圧倒的な強さで世界から称賛を集めているのが、男子73キロ級の大野将平(旭化成)だろう。2016年リオデジャネイロ五輪金メダリストで、必殺技の大外刈り、内股の切れ味と破壊力は群を抜く。2020年東京五輪でも柔道界の「顔」になる27歳の絶対的な存在だ。
母校、天理大の大学院で修士論文の研究テーマとしたのも得意技の大外刈りという。修行僧のように肉体を鍛え上げ、技の鍛練を重ねる。近年の柔道はルール改正で攻撃的な展開から一本勝ちが増え、2019年夏の世界選手権(東京)でも「一本」で勝敗を決する傾向が目立つようになった。胸のすくような「一本」で東京五輪の日本勢は男女ともどこまで金メダルを積み重ねられるか—。

創始者は嘉納治五郎氏、1964年東京五輪で初実施

日本生まれの格闘技である柔道は1964年東京大会で男子が初めて実施され、女子は1992年バルセロナ大会から正式競技となった。NHK大河ドラマ「いだてん」にも登場した嘉納治五郎氏が講道館柔道の創始者である。
「日本体育の父」とも呼ばれ、掲げた理念は「精力善用、自他共栄」。1912年に大日本体育協会(現日本スポーツ協会)を創設し、近代五輪の父、クーベルタン男爵の求めでアジア初の国際オリンピック委員会(IOC)委員にも就任した。
現在は男女とも7階級で行われている。男子60キロ級の野村忠宏は1996年アトランタ大会から2004年アテネ大会まで五輪柔道初の3連覇の偉業を達成している。

技は100種類、68の「投技」と32の「固技」

講道館の公式サイトによると、柔道の技は100種類。大きく分けると、68の「投技(なげわざ)」と32の「固技(かためわざ)」がある。
さらに内訳で見ると「投技」には背負投や体落などの手技(16)、払腰などの腰技(10)、大野が必殺技とする大外刈や内股などの足技(21)、巴投や隅返に代表される捨身技(21)に分けられる。
「固技」は一般的に寝技とも呼ばれ、けさ固めや横四方固めなどの抑込技(10)、送襟絞のような絞技(12)、腕挫十字固などの関節技(10)に細分化されている。

「一本」の条件とは?

試合は10メートル四方の畳の上で戦う。最も大きいポイントが「一本」で、どちらかの選手が「一本」をとれば、その時点で勝敗が決する。
「一本」は「投げ」によるものと「抑え込み」によるものがあり、投げでは「相手を制す」「背中を畳につける」「強さ」「速さ」などの要素を満たすことが条件。抑え込みは寝技の展開に持ち込み、相手の背中や両肩を畳に着けた状態にすることを指す。「抑え込み」の場合は20秒で「一本」となる。
「一本」となる全ての要件を満たさないときは「技あり」となる。

ルール改正で「有効」は廃止

国際柔道連盟(IJF)は2016年リオデジャネイロ五輪後、ルール改正で技のポイント「有効」を廃止した。試合時間は男女とも4分間となり、技の判定基準が「一本」「技あり」だけになった。より攻撃的に「一本」を狙っていく柔道を目指した変更とされている。
現在の「技あり」には有効の要素が含まれ、一本には遠いと判定された「技あり」を二つでも「合わせ技一本」が成立するようになった点も「一本」が増加している背景にある。

東京五輪では初めて混合団体も実施

東京五輪は柔道の新種目の混合団体も初めて実施される。男子は73キロ以下、90キロ以下、90キロ超、女子は57キロ以下、70キロ以下、70キロ超の計6選手で構成。4分間で決着がつかない場合はゴールデンスコア方式の延長戦を行う。世界選手権では2017年に初実施され、日本は圧倒的な強さをこれまで示している。

近年の柔道五輪メダリスト

日本の競技別獲得金メダル数でみると、柔道が歴代最多だ。日本がこだわる「一本を取る柔道」で東京五輪の日本勢は華々しい成果を出せるか。近年は組み手争いの駆け引きで、勝つためにはあえて美しくない戦い方をする海外選手も指摘されるが、大野がこだわるのも「美しく一本をとる」柔道。スピード、パワー、テクニックを兼ね備えたエース大野の豪快な投げ技は、東京五輪の大きな見どころになりそうだ。

SPAIA

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