3得点快勝も…青森山田、勝利の要因は「実績と経験に裏打ちされた守備力」

2019年1月4日(金)0時20分 サッカーキング

強豪・大津の攻撃陣を完封し、青森山田はベスト8へ駒を進めた [写真]=山口剛生

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取材・文=篠幸彦(提供:ストライカーデラックス編集部)

 名門校同士の注目カードは青森山田が攻守に渡ってハイパフォーマンスを発揮し、大津に3−0と完封勝利を収めた。強力な大津の攻撃陣にほぼチャンスを作らせなかった強固な守備は、とくに際立っていた。

 19分に青森山田は中盤中央でFKを得る。「あの位置からのFKはよく練習していた形」(青森山田・佐々木銀士)と、武田英寿がペナルティーエリア中央に送ったボールを佐々木がバックヘッドで鮮やかにゴールへ流し込んだ。「GKはなかなか前に出てこられない」(青森山田・黒田剛監督)という大津のウィークポイントを見事に突いた狙い通りの点だった。

 そして、直後の23分には天笠泰輝のロングボールを巧みにトラップした檀崎竜孔が、DFをかわして冷静に右足で決めて2−0とする。ここで青森山田イレブンはさらに気を引き締めた。

「インターハイで昌平に負けたときも前線の選手が守備をサボってしまって、2−0から逆転された。今日も前半2−0と同じシチュエーションだった。絶対にここは失点しないと全員で守備をしようと話していた」(青森山田・佐々木)

 インターハイでの苦い思い出が一瞬の気の緩みすら消し去った。結果、大津は前半シュートを1本も打てずに終えることとなる。しかし、後半になると大津は攻勢に出て、青森山田が押し込まれる時間帯が増えてくる。そんな展開にも慌てることはなかった。「プレミアリーグでも押し込まれる時間帯というのは毎試合あった」(青森山田・飯田雅浩)という経験値が落ち着きをもたらし、大津の攻撃を力強く跳ね返した。中でも三國ケネディエブスの気迫ある守備は傑出していた。大津のエース大崎舜のマンマークを任された三國は「大崎はプロに行かないけど、自分はプロに行く。そこのプライドがあった」と、完封に大きく貢献した守備に秘めた思いを語った。

 まともな決定機を作れない大津に対して、青森山田は67分、藤原優太が決定打となる3点目を決めて勝負あり。3−0というスコア通りの内容だったが、3点を決めた攻撃力よりも、失点ゼロで抑えた守備がとにかく強烈な試合だった。この日、右サイドで幾度もドリブル突破を図り、相手を苦しめたバスケス・バイロンが「今日は攻撃よりも守備という意識が強かった」と語った言葉に、選手全員の高い守備の意識が象徴されていた。

 準々決勝は矢板中央と対戦する。三國は「望月謙は身長があるので空中戦は絶対に負けない。自分の方が強いという自信を持って臨みたい」とすでに闘志を燃やしている。堅守が持ち味の両校、その牙城をどう崩すのかが注目される。

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