WorldRX王者KMSが「極限の設計を施した内燃機関モデル」を含む、史上最大の5台体制構築へ

2024年1月5日(金)13時2分 AUTOSPORT web

 新たに“Battle of Technologies”のコンセプトを掲げ、現在の電動最高峰クラス“RX1e”車両に加えて「持続可能な燃料を採用する」内燃機関(ICE)モデルの混走を容認。参戦台数確保へ門戸を広げる方針を示したWorldRX世界ラリークロス選手権だが、2023年もダブルタイトルを獲得したクリストファーソン・モータースポーツ(KMS)は、そんなシリーズの局面移行に際し「新体制でのエントリーを検討している」ことを明かした。


 昨季2023年最後のFIA世界モータースポーツ評議会(WMSC)にて、現行RX1eとサステナブル・フューエルのICE搭載車が「同等の条件」で競争することが承認され、統括するFIAが“Battle of Technologies”と呼ぶ新たなフェーズへの移行を表明したシリーズだが、その新年度たる2024年に向け、現世界王者のKMSことフォルクスワーゲン・ディーラーチーム・バウハウスは、その両規定モデルを仕立てて最大5台体制に拡充することを検討しているという。


 ラリークロス界における国際シリーズ最高峰で、過去2年間にわたってドライバーズとチームの双方の栄冠を獲得した名門は、絶対エースに君臨するヨハン・クリストファーソンが“6冠王者”となった成功と、チャンピオンシップの新しいコンセプトによって開かれた機会に「勇気づけられた」とし、チーム代表で“ヨハンの父”でもあるトミー・クリストファーソンも規模拡大に前向きな態度を示す。


 こうしてスウェーデンのアルビカに拠点を置く家族経営のチームは、史上最大の取り組みを実現させる可能性を検討し、かつて世界選手権を席巻したファクトリー由来の車両ではなく、電動化時代のすべてを制覇した『フォルクスワーゲンRX1e』と同じシャシーをベースとした内燃機関コンバートの『フォルクスワーゲン・ポロ』を新たに製作し、全5台体制への強化を目指している。

現世界王者のKMSことフォルクスワーゲン・ディーラーチーム・バウハウスと、絶対エースに君臨する“6冠王者”ヨハン・クリストファーソン
電動化時代のすべてを制覇した『フォルクスワーゲンRX1e』と同じシャシーをベースとした内燃機関コンバートの『フォルクスワーゲン・ポロ』を新たに製作し、全5台体制への強化を目指している


■新型車は新年早々に完成へ。2台目のロールアウトも続けて目指す


「正直に言って、ICE搭載スーパーカーのデザインでここまで限界に挑戦した人物は誰もいないと思うよ」と、地元日刊紙のアルヴィカ・ニュヘテルに語ったトミー代表。


「最初はラリー用に考案され、その後にラリークロス用へと改良転用された以前のバージョンのポロGTIやRとは異なり、この新しいクルマはFIAの現行ラリークロス規定に可能な限り準拠するよう作られており、まさにICE搭載車として『初』のことになる」


「我々は電動フォルクスワーゲンの開発においてすでに試験的に成功しているアイデアの多くを活用しており、結果、ある程度の“規模の経済”がもたらされている。(ICE搭載の)最初のクルマは新年早々に完成する予定で、続けて2月か3月には2台目も走り出せる計画だ」


「WorldRXで5台のマシンを走らせることは、ある種の記録になるとは思うが、まだまだ長い道のりだ。これまで同様、すべてはどれだけの予算を調達できるか、新しい技術規制と『技術の同等性』の要素がどのように機能するかにも掛かっている。当然、ルールが可能な限り平等である必要があるのは言うまでもないからね」


「直線では(電動の)RX1eが(内燃機関の)RX1よりも少し速いことはわかっているが、地元のホーリエスのようなグリップがあまりないテクニカルなサーキットでは、エンジン搭載車が優位に立つ可能性があると思っているよ……」

「WorldRXで5台のマシンを走らせることは、ある種の記録になるとは思う」と、チーム代表で“ヨハンの父”でもあるトミー・クリストファーソン
「地元のホーリエスのようなグリップがあまりないテクニカルなサーキットでは、エンジン搭載車が優位に立つ可能性があると思っている」とトミー代表

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