MotoGPから転向のペトルッチが初のステージ優勝。四輪最速はトヨタのラテガン/ダカールラリー5日目

2022年1月7日(金)12時20分 AUTOSPORT web

 1月6日、サウジアラビアを舞台に開催されているダカールラリーの競技5日目は首都リヤドを中心とした“ステージ5”が行われ、TOYOTA GAZOO Racingの若手ドライバー、ヘンク・ラテガン(GRダカールハイラックスT1+)が今大会初のステージウインを飾った。


 ラリー5日目のステージはリヤドををスタート/フィニッシュ地点とするループ型のステージとなったが、二輪部門と四輪部門でコースが異なり、後者は全長395kmのスペシャルステージと216kmのリエゾン(移動区間)によって構成されたステージを戦うこととなった。


 4日(火)のステージ3で2番手タイムを記録しているラテガンは、このステージ5でも序盤から好調な走りをみせ81km地点でトップに浮上すると、中盤の159km地点でステファン・ペテランセル(チーム・アウディスポーツ/アウディRS Q e-tron)に一度先行されるも、2021年大会王者がサスペンションにダメージを負ったカルロス・サインツ(アウディRS Q e-tron)のサポートに回ったことから首位奪還に成功する。


 ステージ後半にかけては、3番手となったルシオ・アルバレス(オーバードライブ・トヨタ/ハイラックス・オーバードライブ)や、1分58秒差でステージ2番手となったセバスチャン・ローブ(バーレーン・レイド・エクストリーム/BRXハンターT1+)の追撃を振り切りそのままフィニッシュ。27歳の南アフリカ人が自身初となるダカール・ステージ優勝を達成した。


「まだそれを信じられていない。何が起こったのかよく分かっていないんだ。正直に言って僕たちは地獄のような1日を過ごした」とステージ5の戦いを振り返ったラテガン。


「僕たちはある意味、ダカールらしい1日を過ごしたように思う。クルマのドアが壊れたとき、それはスタートからまだ10kmほどの地点だった。最初のコントロールポイントまでドアがバタバタと開いた状態で走り続けていた。ドアが開かないように体に縛り付けるようにしてなんとか解決したが、その後にパンクしたためナビゲーター側のドアから外に出てタイヤを交換することになった」


「そんな状況だったから今日は本当にクレイジーは1日だった。このステージで勝ったなんて信じられないよ!」


 彼のチームメイトで、ラリー初日から総合首位につけているナッサー・アル-アティヤ(GRダカールハイラックスT1+)は8番手で同ステージをフィニッシュしたが、暫定7番手のゲラン・シシェリ(GCKモータースポーツ/GCKサンダー)が2分のペナルティを受けたため順位がひとつ上がっている。総合2番手につけるローブとの差は若干縮まり35分10秒となった。総合3番手は51分15秒で続くアルバレスだ。

ヘンク・ラテガン(GRダカールハイラックスT1+)はドライバーシート側のドアが壊れた状態でステージ優勝を飾った
セバスチャン・ローブ(BRXハンターT1+) ダカールラリー2022
ナッサー・アル-アティヤ(GRダカールハイラックスT1+)とオーランド・テラノバ(BRXハンターT1+) ダカールラリー2022
リヤのショックアブソーバーが破損したカルロス・サインツを助けるため、前日に同様のアクシデントに見舞われたステファン・ペテランセル(アウディRS Q e-tron)がサポートに回った。このおかげで、サインツはトップから1時間の遅れのみでステージ5をフィニッシュしている


■トビー・プライスのペナルティによりペトルッチが初のステージV


 四輪部門・市販車クラスにエントリーしているトヨタ・オートボデー勢は6日続けてのワン・ツー・フィニッシュを達成。クラス最速となったロナルド・バソ(トヨタ・ランドクルーザー200)に続き、三浦昂(トヨタ・ランドクルーザー200)がチームメイトから14分14秒差の同2番手につけた。総合では三浦が40番手、バソは46番手につけている。
 
 トラック部門・排気量10リットル未満クラスで13連覇を狙う日野チームスガワラの菅原照仁(日野600ハイブリッド)は、今大会最上位タイとなる12番手でステージを走破し、部門総合順位をさらにひとつ上げて19番手としている。


 二輪部門では元MotoGPライダーでこの2022年大会からダカールラリーに挑んでいるダニロ・ペトルッチ(テック3KTMファクトリー・レーシング/KTM450ラリー・ファクトリー・レプリカ)が初のステージウインを記録した。


 モンスターエナジー・ヤマハ・ラリーチームのロス・ブランチ(ヤハマWR450Fラリー)を2秒差、モンスターエナジー・ホンダのホセ・イグナシオ・コルネホ(ホンダCRF 450ラリー)を5秒差という僅差で振り切った彼は、競技区間346km/総走行距離560kmで争われたこのステージを2番手で終えていたが、トップタイムでフィニッシュしたトビー・プライス(レッドブル・KTMファクトリー・レーシング/KTM450ラリー・ファクトリー・レプリカ)が、リエゾンでのスピード違反により6分のタイムペナルティを受けて5番手降格となったことでキャリア初のレコードをマークしている。


 二輪部門の総合首位は、ステージ2からトップに立っているサム・サンダーランド(ガスガス・ファクトリー・レーシング/KTM450ラリー・ファクトリー・レプリカ)が堅守。レッドブル・KTMファクトリー・レーシングのマティアス・ウォークナー(KTM450ラリー・ファクトリー・レプリカ)が2分29秒差でこれを追いかけている状況だ。


 1月7日(金)の競技6日目はふたたび首都リヤドを中心にしたループステージが設定され、スペシャルステージの距離は二輪部門が404km、四輪部門は348kmとなっている。

6分のタイムペナルティを受け、ステージ首位から同5番手に後退したトビー・プライス(KTM450ラリー・ファクトリー・レプリカ) ダカールラリー2022
ホセ・イグナシオ・コルネホ(ホンダCRF 450ラリー) ダカールラリー2022
ロス・ブランチ(ヤハマWR450Fラリー) ダカールラリー2022

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