埼スタが札幌ドーム化？浦和レッズ、指定管理者非指名の背景に「既得権優先」

　浦和レッズは埼玉スタジアム2002公園指定管理者募集へ申し込みも、埼玉県による審査の結果、非指名に。ファン・サポーターから様々な意見が挙がるなか、元サッカー選手の埼玉県議会議員から審査結果に対する異論が噴出。指定管理者に指名された『公益財団法人埼玉県公園緑地協会』に厳しい目を向けたほか、北海道コンサドーレ札幌のホームスタジアムである「大和ハウスプレミストドーム（旧札幌ドーム）」を比較対象に挙げている。

　自民党所属の埼玉県議会議員である諸井真英氏は8日にXを更新。県や浦和レッズの発表を受けて、「問題点は色々あるが、水着撮影会やクルド祭りの対応を見る限り、公園緑地協会が管理者としては全く相応しいとは思えない」と審査結果への不満を表明。

　「浦和レッズに問題がないわけではないが、最終的には浦和レッズが管理者となるのがレッズにとってもファンにとっても埼玉県にとってもプラスとなることが明らか。しかし公園緑地協会の既得権を優先した結果浦和レッズを管理者から排除することとなった」とした上で、以下のように同クラブを指定管理者とすべき理由を述べている。

　「埼玉県のスタンスとすると埼スタは浦和レッズのためだけにあるわけではないそうだが、6万収容の埼スタをコンスタントに埋めることができるのは浦和レッズ以外ない。この姿勢を続ければ将来的には日本ハムと札幌ドームとの間に起きたようなことになる可能性も懸念している。そうなればいくら代表戦を年に3-4試合やったところで大赤字施設となる。もっとも築30年近いのに大規模改修の予定もたたずこのまま代表戦開催地として選ばれる保証もないが…」

　なお大和ハウスプレミストドームは、札幌市の公の施設の指定管理者として『株式会社札幌ドーム』が管理運営を行っているが、プロ野球・北海道日本ハムファイターズのエスコンフィールド移転後は巨額の赤字計上で批判の的に。『大和ハウス工業』が2024年8月1日から2028年7月31日までの4年契約で命名権を取得したとはいえ、今もなお赤字を抱えている。

　また札幌市は2024年12月11日、札幌市議会で札幌ドーム条例の一部を改正する条例案を可決。ドームの利用料金の限度額を、1日770万円から850万円（税抜き）へ引き上げたほか、入場者が2万人を超える場合の1人あたりの加算額も385円から425円に変更している。

　こうした大和ハウスプレミストドームの現状を踏まえた上で、諸井議員のみならず一部の浦和サポーターからも、埼玉スタジアムの“札幌ドーム化”を危惧する声が挙がっている。