日本代表、苦戦を招いた6つの要因。反省点ばかりの初戦、“自作自演”の逆転勝利【西部の目】

1月10日(木)11時10分 フットボールチャンネル

「こうなってはいけない」典型のような前半

日本代表は9日、AFCアジアカップ・グループリーグ第1節でトルクメニスタン代表と対戦した。最終的に3-2と勝利したものの、先制を許す展開を強いられている。特に前半は低調だった。(取材・文:西部謙司【UAE】)

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「初戦は難しい試合になると思っていましたし、厳しくなるとチームで共有していました」

 森保一監督が試合後に話していたとおり、アジアカップの初戦で日本がベストパフォーマンスをみせたことは過去にもほとんどない。準備期間が限られているのはいつものことで、今回はそれでもましなほうだが、コンディションが不揃いなのはやむをえない。しかし、「それにしても」という前半だった。

 トルクメニスタンの引いてカウンター狙いが明白だったにしては、どんな準備をしていたのかと思うぐらいの、「こうなってはいけない」という悪い見本のような前半だった。列挙してみる。

・引かれてスペースがない場合の攻撃アイデアが少ない
・攻撃スイッチのはずの縦のクサビが入らない
・ニアゾーンがとれず、チャンスを量産できない
・攻守ともに切り替えが遅い
・球際で劣勢
・リスクマネージメントが不十分でまともにカウンターを受ける

 0-1で折り返したのも、むしろ納得という展開になっていた。30度超の暑さも後半には気温が下がり、トルクメニスタンのスタミナ切れから3点を奪って勝負をつけたが、PKで1点を献上。3-2というスコアから想像される好試合ではなく、日本の自作自演ともいえる内容だった。

原口を起点に3ゴール

 力関係からすれば、負けるのが難しい試合である。事実、トルクメニスタンは後半にエネルギーがなくなっていた。ドルマン監督によれば、スタミナ切れよりも「集中力の欠如」だそうだが、とくに原口元気の左サイドへの対応が遅れていた。中央右寄りから長いパスを左へ展開し、原口を左の高い位置へ送り込む攻撃から逆転に成功。3点目も追加した。

 引いた相手に対しては、サイドにポイントを作ってインナーラップでもう1つ奥へ侵入するのが常套手段だ。日本は前半から斜めのクロスとライン裏への飛び出しを多用していたが、むしろそればかりになっていた。それなりにチャンスは作れていたが、決定機を量産できる攻め方ではない。原口がポイントを作り、長友のインナーラップから大迫がゴールした2点目のような形が前半からほしかった。

カウンター対策の不備

 PKを与えた場面も含めて自陣でボールを奪われるケースが何度かあった。トルクメニスタンの先制点は、堂安律から柴崎岳への横パスがずれてカットされ、そのままカウンターを食らったもの。自陣と敵陣の違いはあっても、失い方が良くないのは同じ。

 この最初の失点は、失い方が悪いだけでなくカウンターを潰す準備もできていない。フリーで持ち上がってきた相手に対して、酒井宏樹はやむなく引き込む選択をしたが、酒井の前面へ戻ってくる選手がいない。アマノフのシュート自体はスーパーとはいえ、失い方もカウンターケアも切り替えもすべて良くない。カウンター狙いの相手にやってはいけないことを重ねた結果といえる。

 カウンターの芽を摘むはずの冨安健洋は、何度かは素早い潰しをみせたものの、潰せる位置にいないことも多く、中盤を通過される場面が目についた。これも相手が引く=ハイプレスがメインになるのが明白だったにしては、連係面であまりにも準備不足といわざるをえない。この大会のポイントだった被カウンター守備が機能していないにもかかわらず勝利できたのは幸運だった。

 反省点ばかりの初戦だったが、これからコンディションは上がってくるはず。初戦の出来が悪いのはいつものことでもある。ここから試合ごとに良くなっていくだろうが、意外なほど低いところからのスタートとなった。

(取材・文:西部謙司)

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