ラジコンから実車転身の蕎麦切、2020年D1グランプリ参戦「セッティングには共通点も多い」

2020年1月11日(土)16時46分 AUTOSPORT web

 ラジコンのドリフト競技から実車ドリフト競技へ転身してきた23歳の蕎麦切広大(そばぎりこうだい)が2020年のD1グランプリに参戦する。使用マシンは日本未導入のインフィニティQ60だ。


 蕎麦切は1996年3月22日生まれで、2020年3月で24歳を迎える若手ドリフトドライバー。13歳だった2009年にラジコン(RC)でドリフトを始めると、2012〜13年にはR31HOUSEが主催するRC大会で2連覇を飾る。そして2017年にR31HOUSEへ入社すると同時に、実車でのドリフト競技をスタートさせた。


 その後、2018年にはSHIBATAから国内最高峰のドリフト競技であるD1グランプリの下部カテゴリー、D1ディビジョナルに参戦。翌年にはD1ライツにステップアップして腕を磨き、2020年のD1グランプリ参戦権を獲得した。


 蕎麦切を起用するSHIBATAは活動開始から、わずか3年でドリフト最高峰であるD1グランプリまでステップアップしてきたが、柴田達寛代表は「ドライバーの広大と出会って、ラジコンのドリフトを始めてから、ここまでくるのに8年経っている。決してとんとん拍子ではありませんでした」という。


 SHIBATAの母体となる柴田自動車はR31型スカイラインの専門ショップ『R31HOUSE』を運営していることで有名だが、一方でRCメーカーとしても知られている。


 RCドリフトに特化したコースをショップに併設したところ、これが人気に。またラジコン車両の開発には、自社が培ってきた自動車に関する技術を活かせるとの思いから、オリジナルパーツの開発を経てRCメーカー事業に参入した。


 そして、ラジコンと実車をつなげることが、若年層のクルマ好き増加につながるとの考えから、実車でのドリフト競技参加を開始し、現在に至っている。


 実車でのドリフト競技参戦からわずか3年ほどでD1グランプリへ挑戦する蕎麦切は「RCドリフトは外から俯瞰的に見て操作して、実車は操作を内側からするという違いはありますが、セッティングについては共通する部分が多いので実車にも活かせています」と、ラジコンと実車にも共通点があると明かす。


「ただし、D1グランプリは子供のころから憧れているレジェンドドライバーがたくさんいるので、最初から好成績を残せるとは思いません。まずは周りの先輩にいろいろ教えてもらいながら、初年度は見ている人の記憶に残る走りをしたいと思います」


 蕎麦切が操るインフィニティQ60は日本未導入の車両。今回は北米仕様を輸入して、左ハンドルから右ハンドルに変えて車両を製作。外装パーツはロケットバニーのパンデムエアロ、エンジンはニッサンGT-Rと同じVR38をベースに4.1リッター化し、HKSのタービンキット、MoTecコンピュータによる制御で最高出力は1000馬力程度になるというマシンだ。


 東京オートサロン2020での参戦発表時点で、マシンはまだ未完成とのことだが「RCの時からいつも車両は本番ギリギリで、『あとは広大何とかして!』という感じでやってきたので、今回も広大が何とかしてくれると思います」と柴田代表が語れば、蕎麦切も「実車でうまくいかないときにRCを走らせると、その理由に気づけたりするのでRCで練習します」と返していた。


 チームはD1グランプリに『SHIBA DRIFT RACING TEAM』として参戦するだけでなく、D1ライツにも引き続き『R31HOUSE DRIFT RACING TEAM』としてR31スカイラインで、さらにRCドリフトでは国内外の大会に参戦するといい、SHIBATA&蕎麦切は計“3カテゴリー”を戦う多忙な1年を送ることになる。

わずか数年の実車ドリフト経験で最高峰のD1GPへの参戦権を獲得した蕎麦切広大
SHIBATAは、D1GP参戦マシンであるインフィニティQ60にロケットバニーエアロを装着したコンプリートカー販売も予定している


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