【シンザン記念】人気馬2頭に黄色信号 京大競馬研の本命はプリンスリターン

1月11日(土)17時0分 SPAIA

イメージ画像ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

名馬の登竜門

1月12日(日)に京都競馬場で行われるのはシンザン記念(GⅢ 芝1600外)である。2018年はアーモンドアイという偉大な馬が優勝したレース。完全に前残りの展開から追い込んできた脚はまるで飛んでいるかのようだった。このレースからまた名馬が誕生するかもしれないと考えると楽しみな一戦である。

京都芝1600m外回りコース攻略ポイント

まず、京都芝1600m外回りコースの説明から。スタートして600mをすぎたくらいから坂がある。ここで息が入り、各馬は足をためることができる。なので、長くいい脚を使える馬より、一瞬の切れを持つ馬が好走する傾向にある。

例えば特徴的だったのが、同じコースで行われた京都金杯2018のラップである。

12.2 - 10.6 - 11.4 - 12.6 - 12.4 - 12.1 - 11.4 - 11.6 (34.2-35.1)

で中盤が緩んだラップで、ブラックムーンの差しが決まったレースだった。前半速く、中盤が緩むことで追い込み馬が追走に苦労することが少ないので、前半600mが速ければかなり差しも利くコースとなっている。

先週の馬場からもやや時計のかかる馬場になり、シンザン記念出走馬をみても先行馬が多いので、差し馬に注目していきたいレースである。今回、人気になりそうな馬にいくつか不安なデータが出たので紹介していきたい。

キャリア3走以内の輸送はマイナス

2017年からの2・3歳関東馬の成績から単複回収率を算出した。

2・3歳の関東馬の成績(芝・2017〜)

関東馬が関西に遠征してきた時の戦績でキャリア3戦以内、キャリア3戦以上で分けてみてみると面白い。キャリア3戦以内の関東馬の関西開催における単複回収率が25、43%と著しく低い。キャリアの浅い2・3歳馬は気性的まだ幼いということもあり、長距離輸送では不安が残るという証拠だ。

去年のシンザン記念では、関東馬のアントリューズが1番人気に支持されながらも馬券外という結果だった。このレースに限らずキャリア2・3歳戦の輸送で崩れた馬は多く、また関西馬でも多く見られる。

例えば、2019フェアリーSのアクアミラビリス(西→東)が1番人気で凡走。しかし次走は、京都(関西)で行われたエルフィンステークスで強い勝ち方をした。

また、関西馬のカテドラルが関東で行われた東スポ杯2歳S、京成杯で大崩れしたが、直後の阪神(関西)で行われたアーリントンCで2着になったりと、去年だけでも複数例が上がる。

今年、この嫌なデータに該当するのが前走、アルテミスSで2着に入ったサンクテュエール。リアアメリアの2着+ルメール騎手騎乗ということもあり人気しそうだが、このデータを乗り越えられるか?

ラップから見る勝ち時計の精査

ルーツドールは新馬戦の勝ち時計が1:33.3。このように東京のマイルで速い時計で新馬戦を勝って注目されたグランアレグリア(2019年桜花賞馬)と比較して考えてみる。グランアレグリアの新馬戦の時計を更新したルーツドール。2頭のラップを見てみると

グランアレグリア新馬:12.6 - 11.6 - 11.8 - 11.9 - 12.1 - 11.3 - 11.1 - 11.2 (1.33.6)
ルーツドール新馬:12.6 - 11.2 - 11.5 - 11.8 - 11.9 - 11.5 - 11.4 - 11.4 (1.33.3)

で、ルーツドール戦の1000m通過が59.0秒なのに対して、グランアレグリアは60.0秒。

これが何を意味しているかというと、グランアレグリアの方は道中遅い流れなのに、上がりの速さで時計を詰めてきているということ。ラスト4F目→3F目で12.1‐11.3と大きく加速するラップに対応し、かつラスト3F目→2F目で11.3→11.1というものにも対応できている。

一方ルーツドールは1000m通過59秒ジャスト。4F目→3F目は0.4秒しか加速していない。前半のタイムが速くなると当然時計は出やすいので、前半ややスピードを出しすぎて高速馬場に頼ったレースになっていたと考えられる。

しかも、ルーツドールの新馬戦は11月に対して、グランアレグリアは6月で1分33秒台の時計を出せているので、やはり強さはグランアレグリア>ルーツドールと考えるべきである。時計の出やすかった東京と違い、今のやや時計のかかる京都に舞台が変わる今回は、1着になれるとは思わないので逆らってみたい。

3歳戦を見る上で大事なこと

3歳戦は、もちろん先ほど述べたラップの適性も大切だが、そもそも能力的に足りるのかということも見ていく必要がある。そのためにレースレベルと、過去のレースで刻んだラップを見て注目馬の見解を述べていく。

◎プリンスリターン
まず、先述した瞬発力に関する適性だが、それは2走前のききょうステークスで証明済み。ききょうステークスのラップは

12.8 - 11.5 - 12.2 - 11.8 - 11.3 - 11.1 - 11.4 (36.5-33.8)

1200m戦とは思えないようなスローペースで、上がりが求められた。テンが速いスプリント戦とは毛色の違うレースということからも、1200mだけに適性があるとは思えない。

また、6着に敗退したすずらん賞は前が有利なレースの中、後方からの競馬。それで6着なら悪くない。同じような競馬をして5着に入ったカワキタアジンは12月のGⅠ、阪神JFで13番人気の7着と健闘している。すずらん賞組を見てみると、1着馬ケープコッドはのちのクリスマスローズSでも1着。3着馬が次1勝クラス勝利と、レースレベルは高いことが分かる。前走の朝日杯だが前半が速くやや展開は向いたものの、直線では他の馬に進路をふさがれる不利がありながら5着と好走している。直線不利なく走れて同じような競馬をしたタガノビューティーよりこちらを評価したい。

最初に京都1600m外回りコースの特徴でも述べたように、差し馬の台頭もありそうなので、狙ってみたい。○カバジェーロ新馬戦の内容が優秀で、レースラップは

12.6 - 11.2 - 11.8 - 12.2 - 12.0 - 11.7 - 11.4

阪神1400mはラスト800m付近から下り坂なのでペースが上がり、ラスト200mから急坂なので減速したラップとなりやすい。そんなコース形態で前半スローからのラスト2Fが11.7‐11.4の加速ラップで余力を感じられる内容だった。

しかもラスト200mでは馬群は一団だったので、そこから3着以下にコンマ6秒も突き放したのだから能力の高さがうかがえる。もう一つ強調したい点は12月の阪神の馬場はやや上がりのかかる傾向にあったカバジェーロの新馬戦の日の他のレースを見ると、9Rは11.1-11.8、10Rは10.9-12.1、11Rは11.5‐12.2と上がりがかかっている中での加速ラップはより評価ができる。

▲ルーツドール不安点を挙げたが、このメンバーなら押さえておいた方がいいだろう。

あとは、サンクテュエールは輸送が気になるし、近走、ペースの遅い競馬しかしておらず相手関係も強くないので今回は軽視。

オーマイダーリンは前走の差し切りが目につくが、未勝利戦の週の京都競馬場は外差しがかなり利く馬場だったので、見た目以上の評価はできないので軽視。タガノビューティーは、前走は展開に恵まれ、プリンスリターンよりも楽な競馬だった。そしてやはり本質はダート血統であるので軽視。(文 ケータロー)

シンザン記念2020 予想
◎プリンスリターン
○カバジェーロ
▲ルーツドール

推奨買目
単勝◎、ワイドBOX◎○▲

《ライタープロフィール》
京都大学競馬研究会
今年で25周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。

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