投手なのに敬遠、3連続本塁打の選手など。打撃もヤバかった投手たち

1月11日(月)7時0分 Sportiva

 2012年に巨人が日本一に輝いたのを最後に、日本シリーズでパ・リーグ球団の後塵を拝しているセ・リーグ(2012年は巨人が日本ハムに4勝2敗)。2019年から2年連続でソフトバンクに4連敗し、日本一を逃した巨人の原辰徳監督が「リーグ間の実力格差」を埋めるために提唱を続けているのが、DH制の導入だ。

2002年6月の横浜戦の延長11回、代打で登場して決勝打を放った桑田真澄
 セ・リーグ各球団の慎重論も根強く、2021年シーズンについては見送られることになったが、今後も議論は継続されていくだろう。DH制のメリットとしては、チームの打撃力の強化、投手が投球に専念しやすくなることなどが挙げられるが、セ・リーグでは野手顔負けの打撃成績を残した投手も多い。
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2020年のセ・リーグ投手の打撃成績を見ると、シーズン最多安打は6本で、田口麗斗(巨人)、福谷浩司(中日)、高梨裕稔(ヤクルト)、森下暢仁(広島)、遠藤淳志(広島)の5名が記録している。本塁打を放ったのは大瀬良大地(広島)と、西勇輝(阪神)の2名で、奇遇なことに両投手とも開幕戦でアーチを放った。さらに西は、投手で最多の7打点。DHがあるパ・リーグ出身ながら、打撃でも結果を残している。
 また、打席数が少ないとはいえ、野手顔負けの打率.333(12打数4安打)という成績を残した梅津晃大(中日)も興味深い。昨シーズンは7試合に登板したが、登板機会が増えれば打撃成績をさらに伸ばす可能性を秘めている。
 通算記録に目を移すと、歴代のエースが上位に名を連ねている。
 もっとも多くの本塁打を放ったのは、通算400勝を挙げた金田正一だ。実働20年で406安打、38本塁打という成績を残した金田は、投手でありながら敬遠されたり代打で起用されたりと、打撃に関するエピソードも枚挙にいとまがない。
 その金田と共に巨人のV9を支えた堀内恒夫も、実働18年の選手生活で174本の安打、21本塁打を記録している。

 1967年10月の広島戦でノーヒットノーランを達成した試合では、投手として初の3打席連続本塁打も記録した。さらに南海との1973年の日本シリーズでは、第2戦の延長11回に決勝タイムリー。先発としてマウンドに上がった第3戦でも2打席連続本塁打を放ち、自身の完投勝利に貢献している。その10年後、1983年に行なわれた引退試合では、現役最終打席を本塁打で締めくくった。
 近年では、桑田真澄の活躍が記憶に新しい。P L学園時代には5大会連続で甲子園に出場して6本塁打。これは、高校時代のチームメートで、プロ通算525本塁打を放った清原和博の13本塁打に次ぐ歴代2位の記録だ。
 プロ通算173勝を挙げた大投手だが、打者としても192安打、7本塁打、79打点を積み上げた。プロ初完封勝利を挙げた1987年7月の広島戦では、スリーランとタイムリーで4打点。キャリア晩年の2002年6月に行なわれた横浜戦では、延長11回に代打として登場し、バスターから三遊間への安打を放ってチームを勝利に導いた。同年に最優秀防御率のタイトルを獲得した一方で、バットでも51打数15安打の打率.294と野手に遜色ない成績を残し、原辰徳監督の初の日本一に貢献している。
 2000年代に中日のエースとして活躍した川上憲伸は、桑田を上回る通算8本塁打を放っている。中日がセ・リーグ優勝を果たした2004年シーズンは2本塁打を記録。同年5月に完封勝利を収めた横浜戦では、自身が放った2ラン本塁打が決勝点になった。
 2008年には海外FA権を行使し、アトランタ・ブレーブスに移籍。メジャーリーグでも代打で起用される場面があったように、国境を越えて打撃力が高く評価されていた。
 外国人投手では、2003年に阪神の18年ぶりとなるリーグ優勝に貢献したトレイ・ムーアを覚えているファンも多いだろう。投手として2年連続で10勝を挙げた一方で、来日1年目の2002年の打率は.274(62打数17安打)。翌年には打率.326(43打数14安打)とさらに向上した。2003年のオールスターファン投票では、ムーアの打撃力を期待してなのか、1塁手部門の3位に選ばれる珍事も起きた。

 巨人の"お騒がせ投手"バルビーノ・ガルベスも、本塁打で観客を沸かせた。1997年に3本塁打。審判にボールを投げつけたことによる無期限出場停止処分が明けた1999年には、2本の満塁本塁打を含む4本塁打を記録している。
 また、DeNAで活躍したジョー・ウィーランドは、来日1年目の2017年に3本塁打を記録しているが、いずれも広島戦(2本が大瀬良から)で放ったもの。この年は広島を相手に打率.538、9打点と"キラーぶり"を発揮した。一方の広島では、のちにメジャーリーグでも活躍した広島のコルビー・ルイスが在籍2年間で5本塁打を記録。2009年に放った3本塁打のうち2本が場外弾という規格外のパワーを見せつけている。
 メジャーリーグで多くの"日本人初"の打撃記録を持つのは、1995年に近鉄バファローズ(当時)からロサンゼルス・ドジャースに移籍した野茂英雄だ。複数安打、二塁打、三塁打、本塁打、打点、得点、四球、犠打、犠飛......数々の日本人初記録を打ち立てた野茂は、アメリカで過ごした12シーズンで65安打を放った。
 昨年、ミネソタ・ツインズでチーム最優秀投手に輝いた前田健太も、広島時代、2019年まで4年間在籍していたドジャースで高い打撃力を発揮した。
 P L学園時代に4番・エースを務め、高校通算で27本塁打。プロ入り後も自らチャンスを演出する場面が多かったが、特に2019年シーズンは、本塁打こそないものの打率.250(48打席12安打)、6打点と活躍。現在はDH制を採用しているア・リーグでプレーしているため、打席に立つのはポストシーズンなどに限られそうだが、その際にはバッティングにも注目だ。
 チーム同士の駆け引き、試合運びが醍醐味でもある投手のバッターボックス。今後のDH制に関する話題も気になるところだが、セ・リーグならではの光景を今年も楽しみにしたい。


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