トヨタ、ステージ9で1-2-3達成。首位アル-アティヤはベルト着用違反でペナルティ/ダカールラリー

2022年1月12日(水)22時15分 AUTOSPORT web

 元日に開幕し翌2日から本格的な競技がスタートしたダカールラリー2022も、いよいよ終盤戦。新開発のGRダカールハイラックスT1+を4台投入して“世界一過酷”な砂漠のレースに挑んでいるTOYOTA GAZOO Racingは、競技9日目のステージ9でジニエル・ド・ヴィリエール/デニス・マーフィ組が今大会初のステージウインを飾ると、チームメイトのヘンク・ラテガン/ブレット・カミングス組が同ステージ2番手に。


 さらに、ナッサー・アル-アティヤ/マシュー・ボーメル組が3番手となったことで見事、ワン・ツー・スリー・フィニッシュを達成した。総合ではアル-アティヤが初日から首位を守り、ステージ9を終えた時点で、総合2番手のライバルを34分引き離している。


 2019年大会以来、3年ぶりの勝利を狙うアル-アティヤは、サウジアラビアの首都リヤドでの休息日を経て迎えたステージ7で、同区間トップから5分半遅れの2番手タイムを記録した。翌日のステージ8はリヤデフから異音が生じたため序盤はペースを抑えたほか、ナビゲーションにも苦しみステージ首位から13分遅れの13番手に沈んでしまう。


 そんななか迎えた9日目のステージでは、前述のとおり3番手をマークしライバルとのギャップを39秒05に広げてみせた。しかしこの日、アル-アティヤには5分のタイムペナルティが科された。前日のステージ8で、パンクによるタイヤ交換を終えた彼とボーメルがその後1分45秒にわたってシートベルト、および前面ヘッドレストを正しく装着していない状態で走行したことがその理由だ。これによりアル-アティヤがライバルに対して持つ貯金は34分05秒となっている。


 チームメイトのド・ヴィリエールは、ステージ7のスタートから130kmの地点でオイルパイプが破損。エンジンオイルが流出するアクシデントに見舞われる。2009年大会のウイナーは後方から追いついてきたラテガン/カミングス組の助けを借りて修復作業を行い、このステージを1時間遅れの43番手で走破したが、総合9番手に下がり表彰台争いから脱落することとなった。


 それでも、続くステージ8は9番手で走破し総合7番手に順位を上げると、9日目のステージは今大会初の優勝を飾って総合5番手に浮上した。4番手のライバルとは約10分差だ。


 バリアワ組はステージ7を12番手、続くステージ8はリスクを犯さず着実な走りで18番手で走りきり、総合14番手に順位を上げた。11日(火)のステージ9ではトップから4分半遅れのステージ11番手でラリーを走破している。


 ステージ7でチームメイトをサポートしたラテガンは翌日、今度は自らがトラブルを抱えた。彼のクルマは左側のダンパーに問題が生じ、ステージ序盤でパンクもあったが、トップと3分20秒差の5番手でフィニッシュしTGR勢最上位をマークした。ラテガンの力強い走りはステージ9の前半でも見られ、同ステージをリードするペースを披露していた。しかし痛恨のパンクでタイムを失い、最後は追い上げを見せたもののド・ヴィリエールからわずか9秒遅れの2位フィニッシュとなった。

ジニエル・ド・ヴィリエール/デニス・マーフィ組(GRダカールハイラックスT1+) ダカールラリー2022
ナッサー・アル-アティヤ(GRダカールハイラックスT1+) ダカールラリー2022


■「日々少しずつ勝利に向けて進んでいるように感じる」とアル-アティヤ


「チームにとって最高の1日になった! ダカールのステージワン・ツー・スリーはこれまでに達成したことがないため、この結果に興奮している」と喜びのコメントを発したのは、チーム代表を務めるグリン・ホール氏。


「ジニエルとデニスは完璧な走りでステージ勝利を勝ち取った。ヘンクとブレットはパンクに見舞われていなければ、今大会2勝目を挙げることになっただろうが、それでも見事な追い上げで2番手フィニッシュをしてくれた。そして何よりも我々がうれしいのは、ラリーの終盤戦へ向けて、ナッサーとマシューがリードを拡げられたことだ(※コメントはペナルティが科される前のもの)」


 2週間におよぶダカールラリー2022も、残すところ3ステージ。12日(水)にワディ・アド・ダワシールからビシャへと向かい、翌日は同地でループステージを戦う。そして14日(金)、ジェッダで8000kmに及ぶ長い旅のゴールを迎えることになる。


 TOYOTA GAZOO Racingドライバーのステージ9終了時のコメントは以下のとおりだ。


●ナッサー・アル-アティヤ:総合首位


「今日はとても良い走りができた。プッシュしなくても3番手でステージフィニッシュできたんだ。これでリードも拡げられたし、この勢いに乗って、残りのステージにも自信を持って臨むことができる」


「また、今日は我々にとって初となる、TGRでのワン・ツー・スリー・フィニッシュを記録できたのも素晴らしいことだね。まだラリーは終わっていないが、(ゴールの)ジェッダに近付いて行くなかで、日々少しずつ勝利に向けて進んでいるように感じるよ」


●ジニエル・ド・ヴィリエール:総合5番手


「ステージ8がタフな1日だっただけに、今日ステージウィンが飾れて本当にうれしいよ。ここ数日、ダンパーの調子が悪かったのだけど、チームは夜を徹して車両を整備し、問題を解決してくれた」


「彼らの素晴らしい働きのおかげで、今日のクルマは完璧だった。我々もクリーンで良い走りができたし、トヨタにまたステージ優勝をもたらすことができてとてもうれしく思う」


●ヘンク・ラテガン:総合31番手


「今日はとても素晴らしいステージだった。とくにスタート直後は絶好調だったんだ。ここ数日は全体的に走りが保守的な傾向のように感じていたが、ここに来てライバル勢がプッシュし始めたように見える」


「今日は序盤からちょっとハードに攻め、中間地点まではリードを拡げることができた。不運にもパンクに見舞われたことでタイムをロスしてしまい、カルロス(・サインツ)の先行を許すことになった。その後はトリッキーな砂丘走行だったが、終盤まで彼についていってフィニッシュした」


「彼の巻き上げるダストで、岩場のセクションがちょっと難しかったけど、良いステージタイムでフィニッシュできて満足している」


●シャミア・バリアワ:総合14番手


「今日は我々にとって良いステージだった。クリーンな走りを続け、厳しいダストの中でも3台か4台をパスできた」


「時々ひやりとした場面もあったが、走り切ることができて良かった」


■ダカールラリー2022 ステージ9終了時点の総合結果





























Pos.Driver&Co-DriverGap
総合首位#201 ナッサー・アル-アティヤ/マシュー・ボーメル
総合5番手#207 ジニエル・ド・ヴィリエール/デニス・マーフィ1h45’01
総合14番手#233 シャミア・ヴァリアワ/ダニー・スタッセン3h25’15
総合31番手#225 ヘンク・ラテガン/ブレット・カミングス10h14’34


シャミア・バリアワ/ダニー・スタッセン組(GRダカールハイラックスT1+) ダカールラリー2022
ジニエル・ド・ヴィリエール(左)とデニス・マーフィ(右) ダカールラリー2022
ヘンク・ラテガン/ブレット・カミングス組(GRダカールハイラックスT1+) ダカールラリー2022

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