ホンダCB1300SFインプレ。生き残ったビッグネイキッド

1月13日(土)20時35分 All About

新しい排気ガス規制に伴い、ヤマハXJR1300がカタログ落ちすることが決定。スタンダードなビッグネイキッドは絶滅してしまうのか?と思われたなか、ホンダCB1300SFが継続を発表!仕様が若干変更された同モデルを試乗しました

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絶滅しなかったビッグネイキッドモデル、CB1300SF

2017年は排気ガス規制が変更され、沢山の人気モデルがカタログ落ちしていきました。そのうちの1台がヤマハのXJR1300。

丸いヘッドライトの伝統的なネイキッドデザインを採用した排気量の大きなバイクとしてはカワサキ・ゼファー1100やスズキのGSX1400なども該当しますが、残念ながら2008年の排気ガス規制強化によってカタログ落ちしています。
カタログ落ちしてしまったヤマハ XJR1300
XJR1300やCB1300SFは2008年の排気ガスの規制強化にも対応しカタログに残っていましたが、残念ながらXJR1300はカタログ落ちしました。そうなると最後に残されたCB1300SFの動向が気になるところですが、2017年10月19日に排気ガス規制に対応して継続販売することが発表されました。

最近リリースされた1000ccに近いエンジンを搭載しているバイクを見てみると、車体は軽量化され、シートは薄めでシート高は高め。異型のヘッドライトを採用したいわゆるストリートファイター系デザインを採用したバイクが大半をしめています。それに比べるとCB1300SFは全体的に大きめで車重は重く、シートは厚く幅広。シート高は低めで丸目一灯。いわゆる伝統的なデザインと言えます。

規制に対応することで若干スペックにも変更があったCB1300SFを試乗インプレッションしました。

2018年モデルのCB1300SFは快適装備が標準に。お値段はいくらになった?

過去に販売されていたCB1300SFにはE Packageというバリエーションモデルが存在し、寒い時にありがたいグリップヒーターやETC車載機とETCのインジケーターランプが追加された専用メーターが装備されたモデルでした。

2018年からはE Packageというバリエーションモデルは廃止され、これらの装備が標準装備となりました。

2016年モデルのCB1300SF
2016年受注期間限定で販売された2018年モデルに近いグラフィックを採用した、CB1300SF E Package Special Editionの価格は137万8080円(税込み)。それに対して2018年モデルは144万7200円(税込み)なので、その差は6万9120円。価格差は決して小さくはありませんが、追加された装備を確認すればオトクに感じるはずです。

2018年モデルのCB1300SFはどんな装備が追加された?スペックに変更は?

CB1300のエンジン。なんと9馬力アップした
新しい排気ガス規制に対応するためにエンジンのセッティングとマフラーが変更されています。エンジンは従来型が101PS/7000rpmだったところ、110PS/7250rpmまで出力アップされました。ただし燃費面では実測値に近いといわれているWMTCモードの数値が16.8km/Lとなり、前モデルと比べて0.4km/L悪くなりました。

CB1300SFのマフラーは2014年モデルから小型になりましたが、2018年モデルから2室構造になり、従来に比べて重低音の聞いたビッグネイキッドらしい音質となりました。

CB1300SFのマフラーも排気ガス規制対応の為に構造が変更された
またマフラーの規制に適合するために3つのキャタライザーが装備されました。排気ガスを薄めるためのキャタライザーは、蜂の巣のような構造で白金コーティングが施されたものです。かなり高価なパーツのはずですが、それが3つも装備されているわけですから車体価格を押し上げる一因となっていることでしょう。

前後サスペンションのセッティングも変更されました。個人的には以前よりも硬くなり街中での快適性は以前のモデルの方が優れているように感じましたが、CB1300SFのサスペンションはセッティングができるので調整してみました。詳細は後ほどお伝えします。

二連メーター、丸目一灯LEDヘッドライト、シャープなLEDウインカーを装備し。前から見るとCB1100RSとそっくり
デザイン面と機能面で特徴的な変化を遂げたのはウインカーとLEDヘッドライト。ウインカーはCRF1000LアフリカツインやCB1100RSなどにも装備されているシャープなデザインが、同じくCB1100RSでも装備された丸型LEDヘッドライトが、それぞれCB1300SFでは採用されました。

アクセサリーソケットが追加されたのは嬉しい!
快適な装備としてはシート下に携帯電話などの充電に便利なアクセサリーソケットが追加されました。ハンドル周りで使うアイテムが充電できないのは残念ですが、シート下は雨が入りにくいのでメリットもあります。

鍵が刺さっているのがシートの開閉装置。左下にあるのがヘルメットロック
使い勝手を追求したというプッシュタイプのヘルメットホルダーは車体左側に装備されています。最近のバイクには装備されないことが多いだけに後から社外品を購入するユーザーも多いですが、メインキーで操作することができるのはありがたいポイント。

操作をアシストする装備としては、クラッチの操作を軽くし、シフトダウン時の急激なエンジンブレーキによって後輪がロックするのを緩和するアシスト&スリッパークラッチも追加されました。クラッチ操作をすることが多い街中を運転するライダーにとってはありがたい装備です。

エンジンパワーが増加し、足回りのセッティングが変更されたCB1300SF。体感的にはどう変わったのかレポートします。

セッティングが若干スポーティーになったサスペンション

CB1300SFサイドビュー
CB1300SFに跨ってすぐに感じたのが前後のサスペンションの硬さです。思い返してみると2015年にバリエーションモデルのハーフカウル付きCB1300SBに試乗経験があるのですが、この時には前後サスペンション共に柔らかめで初心者ライダーでも問題なく、スポーツ走行を好むベテランライダーはセッティングで硬めにすると良いという取材メモが残っていました。

シート高は780mmと決して高くはないのですが、シートは広めで股が開き気味になります。しかし前回試乗した際はサイドカバーの形状が見直しされたこともあり、足つき性の悪さは感じませんでした。

今回試乗した2018年式CB1300SFは若干足つき性が悪く感じました。乗車した際に、以前のモデルに比べて前後サスペンションの沈み込みが小さいことが原因でしょう。

CB1300SFのフロントフォークは調整機構が備わっている
CB1300SFのフロントフォークは、プリロード(スプリングの初期沈み込み量)と伸び側ダンパー(縮んだスプリングが戻る際の負荷)の調整ができるようになっており、リアサスペンションはそれにプラスして、スプリングが縮む際の負荷を調整する圧側ダンパーの調整が可能となっています。

前後共に一番柔らかいセッティングに変更して座りなおしてみると、足つき性が良くなりましたが、それでも以前のモデルに比べると若干硬めの印象です。ただ街中での試乗でも硬すぎて乗りにくいという程ではありませんでした。

エンジンが更にパワフルになったことでメリットとデメリットが浮き彫りに

CB1300SF リアビュー
2018年モデルのCB1300SFは以前のモデルに比べて9PSも馬力が向上しています。元々以前試乗した際もパワーに不満はありませんでしたし、特に特性は変わっていないのかな?と思って試乗してみましたが、特に走り出しはかなりパワフルになっています。

アイドリングからアクセルを開けて走り始める低回転時のトルクが以前に比べてかなり増しており、更に力強く加速するようになりました。また、6速までギアを上げて低回転で巡航している際に少しアクセルを継ぎ足した時のトルク感も増しており、今回の馬力アップは実用域でも充分にメリットがありそうです。

ですが、若干アクセルに対して過敏に反応するようになった印象があります。以前のモデルはどの回転域からでもアクセルを開けると過不足無く回転があがりスピードがついてくる印象でしたが、馬力がアップした2018年モデルのCB1300SFは特に低回転時にアクセルを継ぎ足すと過敏に反応して多少ギクシャクする印象がありました。

もともとストップ&ゴーが多い混雑した街中の通勤は1000ccオーバーのバイクにとっては得意なシチュエーションとは言えませんが、以前のモデルだったら特に意識しないで運転できたところが若干気を使わなければならなくなったのは残念です。

前モデルと変わらず低速からしっかりとパワーがあるので、一度ギアを上げたら頻繁にシフトチェンジする必要はなく、街中では3速か4速ぐらいで走行していると調度良いでしょう。

新型CB1300SFは一つ上のギアを使うことで驚くほど街中も快適に!

今回も一週間試乗しましたが、はじめの2〜3日は低回転時のギクシャク感がどうにもしっくりこなかったものの、一つ上のギアを使うことでギクシャクした動きはなくなり乗りやすくなりました。以前のモデルであれば2速で走行していたところを3速で走行してもノッキングするようなことはありません。

走り出して一旦ギアを上げたら街中でもあまり2速まで下げるシチュエーションはありません。3速と4速で大体のシチュエーションは走れてしまいます。せわしくなくギアをチェンジする必要は一切ありません。

また一週間乗っているとさすがにアクセルワークにも慣れてきて、モデルチェンジによるネガティブな部分はあまり感じなくなりました。

スポーツ走行やツーリングは更に快適に!

個人的にCB1300SFの素晴らしさはどのようなシチュエーションであっても乗りやすいの一言であったと思います。ですが今回のモデルチェンジでは街中の走行は若干苦手になってしまった印象があります。

どの回転域からでも少し多めにアクセルを開ければしっかりと加速し、以前のモデルから素晴らしい制動能力だったブレーキシステムも、キャリパーのピストン系が変更されてブレーキ効力が向上しました。LEDのヘッドライトで夜間の視認性もアップしましたし、トータル的には間違いなく進化しています。

しかし、私のように街中を走る機会が多いライダーの場合、今回のモデルチェンジを全面的に歓迎することはできないかもしれません。アクセルワークに関してはしばらく乗っていれば慣れますが、サスペンションが硬めになってしまったのは残念です。折角調整機能付きのサスペンションを装備しているのですから、もう少し柔らかいセッティングもできるようにしてくれれば良かったと思います。

ですが、私の場合長距離走る場合はハーレー、近場を走る場合は原付2種スクーターと使い分けています。長距離を走る相棒としては、グリップヒーター、ETCが標準で装備されており直進安定性もバツグンなので、CB1300SFは最高のモデルといえるでしょう。

基本的には街中を含めてトータルに使いたいなら2017年モデルまでのCB1300SF、ツーリングやスポーツ走行をメインに考えたいなら2018年モデルのCB1300SFの方がおすすめです。


(文:相京 雅行)

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