チーム・ペンスキー、51年ぶりのル・マンへ。ポルシェLMDhプログラムに備え、2022年WECにフル参戦
2022年1月13日(木)12時0分 AUTOSPORT web

1月12日に2022年のシーズンエントリーリストが発表されたWEC世界耐久選手権。LMP2クラスにはいくつか新チームの名前が含まれているが、そのなかでも注目すべきはチーム・ペンスキーのエントリーだ。
『ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ』として、2023年からWECおよびIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権においてポルシェLMDhプログラムを担うペンスキーは、ポルシェのファクトリードライバーとなったデイン・キャメロンとフェリペ・ナッセを擁し、オレカ07・ギブソンでWECにフルシーズン参戦を果たす。
キャメロンとナッセは、2度のLMGTEアマクラス王者であるエマニュエル・コラールとともにトリオを結成する。コラールにとっては、2017年にTDSレーシングから参戦して以来のシリーズ復帰となる。昨年50歳を迎えたことにより、コラールのFIAドライバー・レーティングはシルバーへと格下げされており、これによりLMP2クラスを戦う条件が整った(ナッセはプラチナ、キャメロンはゴールド)。
ペンスキーは2021年10月にインディアナポリスでオレカLMP2車両を秘密裏にテストしていたと見られ、これまでフォーミュラ、NASCAR、スポーツカーで成功を収めてきたチームは、将来のLMDhプログラムを見据えたLMP2車両でのレースに対し、準備を進めてきている。
チームは51年ぶりのエントリーとなるル・マン24時間レースを含め、WECの全6ラウンドを戦う予定だ。
ペンスキーにとって、LMP2で参戦した直近のレースは2017年のIMSAプチ・ル・マン戦。このときは、翌年から3シーズン、オレカをベースシャシーとするアキュラARX-05でのDPiクラス参戦を控えてのものだった。
チーム代表のティム・シンドリックは、次のように述べている。
「長年、我々は(スポーツカーでは)IMSAを主戦場としてきたので、2022年はWECのプロセスについてできる限り多くを学ぶことが楽しみだ」
「8年間の休止期間を経てスポーツカーレースに戻った2017年にロード・アトランタ(プチ・ル・マン)を走らせたアプローチと同様、IMSAおよびWECでの2023年にフルタイムでLMDhを戦うためのプログラム構築に対して、貴重な経験を積む手段をLMP2は提供してくれると思う」
2018年と2021年にキャデラックDPi陣営のアクション・エクスプレス・レーシングでタイトルを獲得したナッセは、「チームペンスキーに参加することは素晴らしい機会であり、WECに出場し、ル・マンへと戻るのが待ちきれない」と語っている。
「プログラムを進め、多くの経験を積むことによって、チームとして多くのことを学べると思う。僕らは将来に向けて勢いづいているし、仕事に取り掛かることに興奮しているよ」
ナッセとキャメロンはともに初のWECのシーズンを迎えることになるが、3人の中ではキャメロンだけがこれまでル・マンへの出場経験を持たない。一方、ベテランのコラールは25回ものル・マン出場経験を持つ。彼にとっては2010年にコルベット・レーシングでドライブして以来の、アメリカ籍チームからの参戦となる。
「セブリングとスパ以外の、世界の歴史あるトラックでのレースは、僕とチームにとって新しい経験となるだろう」とキャメロンは述べている。
「僕らはただ学びたいだけではなく、競争力を高め、クラス優勝を目指して戦いたいと思っている。これは将来に向けたノートブックを構築する、絶好の機会だ」
「歴史的なトラックの数々で、WECの素晴らしい競争に挑むことに興奮している。チーム・ペンスキーでル・マンを戦えるなんて素晴らしいね」