アジアカップ2戦目、オマーン代表は守備的に来ない? 日本が警戒すべき点などを徹底解剖

1月13日(日)11時40分 フットボールチャンネル

オマーンは守備的に来ない?

 現地時間13日、日本代表はAFCアジアカップ・グループリーグ第2節でオマーン代表と対戦する。初戦でウズベキスタン相手に大健闘を見せたオマーンとは一体どういうチームなのか。基本システムやスタイル、そしてストロングポイントなどを徹底的に見ていく。(取材・文:河治良幸【UAE】)

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 オマーン戦は引き分け以上で日本代表の決勝トーナメント行きが確定するが、もちろん勝利してウズベキスタンとの3試合目に繋げたい。

 対戦相手のオマーンはウズベキスタンに敗れたものの健闘が光った。ピム・フェルベーク監督は森保一監督が就任してからの日本代表の試合を映像で分析し、対策を前日のトレーニングに落とし込んだことを明かしている。ただし、極端にディフェンシブなシフトを敷いて来ることはないのではと予想する。

 ウズベキスタンはアジアでもかなり攻守の強度が高いチームであり、その強豪にボール保持率もシュート数も大きく上回れる戦いができたことはピム監督も日本戦に向けて確かな自信になったようだ。

 筆者の予想では日本対策とは2列目の抑え方や両サイドバックが高い位置を取った時の対応、トルクメニスタン戦の後半に日本が見せたサイドハーフが幅を取る形を取ってきた時の中盤のポジショニングなどで、トルクメニスタンのように5バックにして中を埋めることは常識的には考えにくい。

 ウズベキスタン戦も含む過去数試合でオマーンの基本スタイルを整理し、攻撃面で警戒するべきポイントをあげて行きたい。

 オマーンの基本フォーメーションは4-2-3-1だが、守備は4-4-2、自陣からのポゼッションでは4-3-3になる可変的なシステムをとっている。ディフェンスはボールの手間にブロックを形成したところから、サイドに展開されれば同サイドの選手がマンツーマンで付き、ボランチの1人が流れてサポート、残る1人が中盤の底を埋める

 ポゼッションでは左右のサイドハーフがインサイドに絞り、左右のサイドバックが高く上がり、トップ下のモフシン・アルハルディが中盤に引いて一時的な逆三角形になる。ただ、中盤のインサイドであまりショートパスは繋がず、左右のサイドバックを起点としながら相手がプレッシャーをかけてくればセンターバックやGKを経由して反対のサイドに振っていく。

日本が警戒すべき2選手とは

 ディフェンスは基本的に4-4-2のブロックで縦にコンパクトに相手の縦を切り、サイドからの攻撃にはマンツーマン気味にはめ込んでいく。自陣深くまで押し込まれれば、逆サイドのサイドハーフが最終ラインに落ちて5バックになるなど、相手にスペースを与えない戦い方に徹する。

 ただし、セカンドボールなどを奪った瞬間にスイッチを攻撃に切り替えてロングカウンターを狙うのは典型的なポゼッション型のチームと異なるところで、経験豊富なピム監督ならではだ。

 攻撃のキーマンは左サイドの二枚、サイドハーフのラエド・サレハと左サイドバックのアリ・アル・ブサイディだ。サレハは“逆足”アタッカー。守備時は中盤の左サイドで奮闘するが、攻撃時は大半の時間をインサイドで過ごし、アル・ブサイディを高い位置まで引き上げる。

 アル・ブサイディは単独でも縦にボールを運べる選手だが、サレハがボールを持ってディフェンスを引き付けることで、深い位置からのクロスなどに持ち込みやすくなる。

 この2人には日本代表の右サイドで酒井宏樹と堂安律が相対することになる。堂安はウズベキスタン戦でアシストも記録しているアル・ブサイディについて「自分たちが押し込むことができれば、あまり相手の特徴ができないと思いますし、もし僕が守備に回っても1対1で負けるとは思ってない」と語るが「推進力のある選手で縦に縦にいけますし、ボールを持たせて1対1になると少し怖いイメージあります」と警戒はしている。

 難しいのはアル・ブサイディがオフ・ザ・ボールで高めの位置を取って来ることで、酒井宏樹がサレハをチェックして堂安がアル・ブッサイディに付くと自動的に5バックに近いような形になる。これはウルグアイ戦などでサイドの高い位置を取られたときに見られた現象ではあるが、そういう形で守る時間が増えると全体の守備位置も低くなり、攻撃にパワーを割きにくくなって来る。

絶対的守護神不在もその影響は?

 だから基本的には前からプレスをはめて、そもそもアル・ブサイディが高い位置を取れない状況にしたいが、オマーンは相手のプレッシャーに正面から付き合わず、ボランチや最終ラインを経由して反対側に展開して縦にボールを運ぶことができるチームだ。そういう組み立てをスムーズにできる中東の国はイランなど限られるが、オマーンもその1つ。

 また、絶対的な守護神のアリ・アル・ハブシが大会直前に欠場となり、現在はファイズ・アル・ラシェイディが正GKを担うが、ビルドアップに関してはアル・ハブシより左右のボールコントロールとパスを使い分けることができ、相手FWのプレッシャーをあまり苦にしない。

 そのためボランチやセンターバックにプレッシャーがかかっていれば、GKを使って反対サイドに展開するか、あるいは縦の楔をFWのハリド・アル・ハイリや左利きの10番モフシン・アル・ハルディに付けてくる。そこは高い位置からプレッシャーをかけに行く上で注意するべきところだ。

 基本的にオマーンはポゼッションからはアル・ブサイディからの多彩なクロスと右サイドバックのサード・アル・ムハイニのシンプルだが速いクロスがチャンスの多くを占めており、そこにアル・ハイリを中心としていかに良い形でアタッカーが合わせられるかが得点のポイントになる。そこに意外性を加えるのがアル・ハルディだ。

 ビルドアップ時は中盤に引いてパスをさばき、高い位置に起点ができればアタッキングサードに絡んでいく機動的なテクニシャンだが、危険なのはかなり長い距離でも正確に通す縦パスや斜めのサイドチェンジパスを持っていること。

 アル・ハイリに通すパスも危険だが、右サイドハーフからシャドーストライカー的に機を見て裏抜けを狙うジャミール・アル・ヤフマディは神出鬼没で、流れの中で長友佑都が見るのか、左センターバックの選手(トルクメニスタン戦のままなら槙野智章)が見るのか、かなり難しい判断を迫られる局面も出てくるかもしれない。

オマーンのCKには要注意

 また、基本的にボールを運んでセレハともコンビでクロスに持ち込むアル・ブサイディと対照的に、右のアル・ムフタニはかなり見境なくボールを持ったらクロスを蹴り込んでくる。その多くは吉田麻也や酒井宏樹が跳ね返せるはずだが、その直後には必ずセカンドボールが生じるため、トルクメニスタン戦のようにボールの回収がうまくいかないと、二次攻撃からサレハやアル・ハルディの危険なミドルシュートなどが飛んでくる覚悟をしないといけない。

 そうした攻撃に加えてオマーンが武器にしているのは迫力のあるカウンターだ。ピム監督は丁寧なビルドアップからのサイド攻撃を植え付けているが、一方でボールを奪った時に相手陣内に有効なスペースがあれば素早く縦を突く意識も組み込んでいるようだ。

 よく中東に見られがちなのは一発のロングパスから前線の1、2枚で攻めきってしまう形だが、オマーンの場合は3、4人がスプリントして絡むことで迫力を出し、残ったディフェンスが的を絞りにくい状況にしている。日本がボールを保持して押し込むような展開になっても、そうした攻撃の備えはしておく必要がある。

 また終盤の勝負どころにはウズベキスタン戦で得点を決めた長身FWのムフサン・アル・ガッサニ、俊敏なモハメド・アル・ガッサニといった特徴のある選手を投入してくるはず。

 もう1つオマーンの攻撃で気をつけたいのがCKだ。基本的に左のCKは右利きのサレハが、右のCKはレフティのアル・ハルディがインスイングのゴールに向かう軌道のボールを蹴る。ウズベキスタン戦ではサイズで上回る相手に対して多くはオマーン側がゴール前で触っており、惜しいシーンが何度もあった。

 2015年の“なでしこトレイン”のような縦並びから、一番前の選手がニアに、最後尾の選手がファーにタイミングよく動き、中央に残った選手に合わせる形はウズベキスタンをかなり混乱させていた。

 ちなみにターゲットマンの1人であるセンターバックのモハメド・アル・ムサラミはAFCの公式データなどでは173cm、ウェブで調べても175cmなどとなっているが、実際ウズベキスタンの182cmのMFオディル・アフメドフとマークの関係になっており、遜色ないサイズ感なので、おそらく誤った情報だろう。

(取材・文:河治良幸【UAE】)

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