南野拓実が背負う9番の系譜。アジアカップ2戦目、23歳最終戦で取り戻したい得点感覚

1月13日(日)11時30分 フットボールチャンネル

大迫不在の1トップは武藤嘉紀

日本代表は12日、AFCアジアカップ・グループリーグ第2戦のオマーン戦に向けて調整を行った。大迫勇也の欠場が濃厚と、森保ジャパンの攻撃陣にはさらなる奮起が求められている。特に南野拓実にかかる期待は大きい。日本の背番号9として、目に見える結果を残す必要がある。(取材・文:元川悦子【UAE】)

——————————

 韓国やイラン、サウジアラビアなど優勝候補が続々と1次リーグ突破を決めている2019年アジアカップ(UAE)。9日の初戦・トルクメニスタン戦(アブダビ)を苦しみながら3-2で逆転勝利した日本もその流れに乗り遅れてはいけない。13日の第2戦・オマーン戦(同)を確実に勝って、2連勝でラウンド16進出を決めることが肝要だ。

 しかしながら、右でん部負傷の再発で11日の練習を欠席した絶対的1トップ・大迫勇也(ブレーメン)が、12日午前に試合会場のザイード・スポーツ・シティで行われた前日調整にも姿を現さず、欠場がほぼ確定した。腰を痛めた東口順昭(G大阪)も練習を回避。中島翔哉(ポルティモネンセ)、守田英正(川崎)に続くケガ人の連鎖に、森保一監督も頭を痛めているに違いない。

「残った選手とスタッフで次の一戦に勝てるように、どんなアクシデントも乗り越えて、一丸となってやっていきたいと思います」と指揮官も会見で自らに言い聞かせるように語っていたが、本当に今こそチームの底力が問われるところだ。

 大迫の代役は2018年ロシアワールドカップ経験者の武藤嘉紀(ニューカッスル)が有力。原口元気(ハノーファー)や柴崎岳(ヘタフェ)ら中盤の面々、あるいは最終ラインの吉田麻也(サウサンプトン)や長友佑都(ガラタサライ)らとのプレー経験も豊富で、昨年10月シリーズからA代表入りした北川航也(清水)より計算できる部分が多いからだ。

 ただ、2列目の構成がトルクメニスタン戦と同じなら、南野拓実(ザルツブルク)と堂安律(フローニンゲン)といった実戦経験ゼロに近い若手とも組む必要がある。とりわけ、南野とは近い距離でプレーすることになるため、より緻密な連係が求められてくる。そこは武藤本人のみならず、背番号9もよく自覚している点だ。

初戦では輝けなかった南野拓実

「よっち君(武藤)は練習でもクオリティの高いところをつねに見せている選手の1人ですし、実績を含めて頼りになる。僕はトップに入る選手によって動きを変えるというより、自分のやりたいようにやらせてもらえることが多いんで、どうなるか分かんないですけど、フレキシブルにやれればいいと思います」と南野は武藤の動きを見つつ、自身の一挙手一投足を柔軟に変化させていく考えだ。

 初戦の彼は堂安の3点目をアシストするパス出しは見せたものの、前半はボールが足についていない場面が多かった。中央でムリに突っ込んで的に奪われたり、チャンスらしいチャンスも作れなかったりと公式戦の洗礼を味わった格好だ。後半に入って多少は調子が上がってきたが、後半27分に北川との交代を強いられる結果になり、本人も不完全燃焼感を色濃く覚えたに違いない。

「僕のスペースっていうのはつねに相手が警戒している部分ですし、チームとしてどう戦うかが1つのポイントになると思う。相手の戦い方によって自分たちのポジショニングを変えながら戦うことができればいい。自分的には前を向くところであったり、ゴールに向かっていくシーンは増やさないといけない。初戦もシュートは何本か打っていたので、しっかりゴールにつなげられるようにしていけばいいと思います」と彼は周囲と連係しながら、決定的な仕事のできるスペースを作っていくことに努力していくという。

 オマーンは日本通のピム・ファーベク監督が指揮を執っていて、「日本は半年前から選手が入れ替わり、新たなタレントが入ってきている」とあらゆる情報を収集している様子。南野が2018年のテストマッチ5試合で4ゴールを奪ったことを熟知しているし、得点パターンも分析しているはずだ。

 それだけに、相手は南野が得意とするゴール前のスペースを消そうと躍起になってくるだろう。そこで孤軍奮闘していても、トルクメニスタン戦前半の二の舞になりかねない。タテ関係の武藤、左右に位置するであろう堂安と原口との関係を生かしながらオマーン守備陣に揺さぶりをかけ、ギャップを作るようなアクションが第一も求められてくる。同時に、武藤を生かし、自身も生きるような解決策と見出すことが必要不可欠だ。

23歳ラストマッチとなるオマーン戦

 12日のベトナム戦で徹底した守備ブロックを敷かれたイランは、相手の最終ラインをかいくぐるべく斜めの動きを多用。そこから最終的には相手DFをはがし、エースFWサルダル・アズムン(ルビン・カザン)の2得点につなげていた。日本もピッチをワイドに使い、斜めの動きやサイドチェンジを有効に使えれば、必ずや敵を攻略できる。南野がそのけん引役になってくれれば、初戦で手詰まり感を漂わせた攻撃陣も活性化されるに違いない。

 南野拓実はやはりゴールを奪ってこそ、勢いに乗れる選手。それは年代別代表時代からそうだった。レッドブル・ザルツブルクでも、15/16・16/17シーズンと続けて2ケタ得点を記録した時は輝いていたし、今季もUEFAヨーロッパリーグ(EL)で着々と得点。11月8日のローゼンボルク戦でのハットトリックで一段と弾みをつけた。クラブでの好循環が日本代表でのゴールラッシュにもつながっていたのは確かだ。

 クラブの試合から約1ヶ月離れ、本人も実戦での得点感覚が少し薄れているかもしれないが、そろそろそれを取り戻すべき時。中山雅史(沼津)や岡崎慎司(レスター)といった偉大な点取り屋が背負ってきた9番をつけている以上、ゴールという結果はノルマ。23歳ラストマッチとなるオマーン戦で浮上のきっかけをつかみ、大迫不在の攻撃陣の不安を払拭すること。その重要タスクをキッチリと果たすべく、オマーン戦では遠慮なく暴れ回ってほしいものだ。

(取材・文:元川悦子【UAE】)

フットボールチャンネル

「南野拓実」をもっと詳しく

「南野拓実」のニュース

トピックス

BIGLOBE
トップへ