【2021年国内ストーブリーグ後編】松下信治は最終的にニッサンを選択か。SFでは15号車の動向に注目

2021年1月14日(木)19時41分 AUTOSPORT web

 2021年に向けたシート争いは、いよいよ大詰めを迎えつつある。1月15日(金)発売号のauto sport No.1545では、スーパーGT GT500とスーパーフォーミュラのストーブリーグ情報を掲載している。ここでは本誌発売日の同日に体制が明らかになるホンダのほか、トヨタ、ニッサン陣営の最新ストーブリーグを前編/後編に分けてお届けしよう。
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 前号(No.1544)の本誌で、2021年に向けた国内ストーブリーグ最大の焦点は『松下信治の移籍』と報じた。トヨタとニッサンの両陣営からオファーを受けた松下が、どちらを選択するのか? その動向に注目が集まっていたが、どうやら松下はニッサンを選択したと思われる。


 本誌既報のとおり昨シーズン後半には、DTMドライバーからの売り込みが少なからずあったようだが、トヨタ同様に新型コロナによる渡航制限、出入国規制を考慮して、今季の起用が見送られたのかもしれない。その意味でニッサン陣営にとっての松下獲得は、貴重な陣営内補強になったと言えるだろう。


 松下自身はいまだに海外への挑戦をあきらめておらず、フォーミュラ志向であることも公言している。そんな向上心あふれる彼の姿勢にもっとも共感するのは、やはり闘将・星野一義監督をおいてほかにはいない。その星野監督は、昨年、ルーキーながら威勢のいい走りを見せた平峰一貴を高く評価していると言われている。


 そうした状況を踏まえると、今季の12号車は平峰/松下組というコンビになるかもしれない。その場合、佐々木大樹は24号車で高星明誠と組むのだろうか。


 GT500でニッサン陣営を選択した松下は、その時点で『SFをトヨタエンジンで戦う権利』を失ったことになる。もし、松下がSFに参戦するならば、必然的にB-Maxからとなるはずで、その行き先にも注目が集まる。


 SFに関して言えば、昨年限りでフォーミュラからの引退を表明した石浦のシートを、いったい誰が射止めるのかも気がかりなところだが、そこには阪口晴南の名前が挙がってきている。石浦が自身のブログで「インギングとのつながりが深く、インタープロトにも乗っていて、いろいろサポートも受けている育成選手」「音速の貴公子的な?」と匂わせているためだ。その場合、昨年、2勝をマークした坪井がセルモのエースナンバー38号車をつけ、晴南は39号車となるのだろう。


 不透明なのは15号車のレッドブルだ。レッドブルは2017年のピエール・ガスリー以降、若くて実力のある外国人ドライバーを走らせてきた。例年であれば、欧州から日本に送り込まれるドライバーの名前が漏れ伝わってくる時期だが、今年はいまだに情報が出てこない。新型コロナの状況を踏まえれば仕方ないようにも思えるが、果たしてそれだけが理由か? ホンダが2021年限りでF1活動を終了することが影響していないのかが気になるところだ。


 もっとも、ホンダの八郷隆弘社長は「F1以外のカテゴリーは、国内外を問わず積極的に活動を継続する」ことを明言しているため、参加台数を減らすようなことはしないはず。一方、レッドブルのヘルムート・マルコ氏も、かつての本誌のインタビューに対して「SFはドライバーの能力を見極めるのに適した素晴らしいカテゴリーで長く続けていく」と語っていた。


 ホンダとレッドブルのコラボレーションで誕生した15号車の存在は、シリーズ全体にとっても世界とのかけ橋的な役目を担う大切な1台。たとえF1活動を終了しようとも、SFの活動は継続されると信じつつ、15号車の今後の動向に注目したい。

2020年スーパーフォーミュラ第2戦岡山 笹原右京(TEAM MUGEN)


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