中田翔ら実績ある野手の“乱獲”がどう出るか 今オフのプロ野球補強診断【中日編】
2024年1月14日(日)17時30分 ココカラネクスト
中田の加入は大きい。彼を軸に中日打線が機能すれば上位進出も見えてくるだろう(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext
今オフの補強はうまくいっているのか? 各チーム別で見ていきたい。今回は中日編だ。
オフの動きで印象に残るのは、実績ある野手の獲得だ。中田翔、中島宏之、上林誠知……。野球ファンなら必ず一度は聞いたことがあるだろう面々を、名古屋の地に迎え入れた。
【一覧】今オフの中日の主な入団・退団選手の一覧表
この中で目玉的存在の中田は巨人でプレーしていたが、昨季後半から出場機会が減少。複数年契約を破棄しフリーの身になったところで、中日が即アタック。晴れて入団の運びとなった。貧打解消の切り札として期待は大きく、その打棒が遺憾なく発揮されれば上位進出の可能性が高まるだろう。
中島と上林は前所属チームから戦力外通告を受けての入団。前者は近年、代打の切り札として活躍。通算2000安打にあと18としている。中日でも持ち前の勝負強さを見せられるか。後者は2017〜19年に3年連続2ケタ本塁打を記録した長打力、強肩を活かした外野守備に定評がある。22年に右アキレス腱断裂の大怪我を負ったが、今は全快だという。キャンプからのアピール次第では一気にレギュラー奪取もあり得る。
ドラフトでは社会人ナンバーワン打者・度会隆輝(ENEOS→DeNA)の抽選に敗れたものの、外れ1位で草加勝(亜細亜大)を確保した。草加は東都大学リーグ屈指の右腕で、最速153kmの直球と多彩な変化球が武器。亜細亜大仕込みのタフなスタミナも魅力で、1年目から先発ローテーションの一角を担うかもしれない。
また、2位と3位では内野手を獲得している。津田啓史(三菱重工East)、辻本倫太郎(仙台大)はともに所属チームで遊撃を主戦場に。絶対的レギュラー不在の二遊間争いに参戦の方向だ。
津田は高卒3年目にあたる年齢で、伸びしろの多さが魅力。辻本は小柄ながらパンチ力のある打撃が持ち味で、守備範囲の広さも目を見張る。
新外国人選手は外野手のアレックス・ディッカーソンがやってきた。メジャー通算40本塁打の実績を持つ左打者だが、長打というよりは野手の間を破るスプレーヒッター。細川成也、石川昂弥といった右のスラッガーが育ちつつある中、彼らを助けるような存在になると良い。
現役ドラフトでは梅野雄吾を指名。ヤクルトでは2019年に68登板を記録するなど、リリーフ陣の一角として活躍。25歳とまだ若く、150キロ前後の直球と落差のあるフォークで魅せる場面は何度もありそうだ。
立浪和義監督の下、チーム改革が進む中日。新戦力と既存の選手の融合で最下位脱出、そして13年ぶりのリーグ制覇まで突っ走る。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]