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インテル、中国資本で爆買いも…混乱の末にデ・ブールは解任。「正常化請負人」のもと再建へ【欧州主要クラブ中間査定】

フットボールチャンネル1月14日(土)10時58分
画像:インテル、中国資本で爆買いも…混乱の末にデ・ブールは解任。「正常化請負人」のもと再建へ【欧州主要クラブ中間査定】
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中国資本で“爆買い”も…

 2016/17シーズンの欧州サッカーも前半戦を終えた。タイトル獲得や昨季からの巻き返しなど様々な思惑を抱えていた各クラブだが、その戦いぶりはどのようなものだったのだろうか。今回はインテルを振り返る。(文:神尾光臣【ミラノ】)

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 支出額約1億5400万ユーロ。中国最大の家電量販店チェーンを経営する蘇寧グループが経営権を取得して臨んだ今シーズン、インテルは“爆買い”に出た。

 エベル・バネガやクリスティアン・アンサルディの獲得が決まっていたところに、イタリア代表で右サイドアタックの要となっているアントニオ・カンドレーバやポルトガル代表のEURO2016優勝に貢献したジョアン・マリオを完全移籍で獲得する。

 さらにそれでは飽き足らず、他の欧州クラブと競合を制してガブリエウ・バルボーザをミラノに連れてきた。世界各国のスターたちを呼び寄せたマッシモ・モラッティ前会長時代に比べればインパクトには欠けるかもしれないが、それでもこのクラブにとっては久々に派手な補強となり、ミラノのインテリスタたちを沸かせた。しかし…。

混乱の末にデ・ブール解任。前代未聞の監督オーディションへ

 分厚い戦力を整えたはずのインテルは、大いに序盤戦で低迷することになった。エリック・トヒル会長を筆頭としたクラブのマネージメントがあまりに混乱していたからだ。契約延長を渋られてモチベーションを落としていたロベルト・マンチーニ監督を無理矢理続投させ、その結果プレシーズンでフロントと亀裂が入り開幕2週間前に辞任。そして彼らはフランク・デ・ブール監督を招聘するのだが、これが混乱を助長した。

 海外にネットワークのある代理人のプッシュで獲得したはいいが、イタリアサッカーと異なるマインドを持つオランダ人指揮官に急増でチーム作りをやらせようとしたのは間違いなく無理があった。

 オランダ仕込みのポゼッションを形からやらせようとした結果、ラインを上げてボールを繋いでも展開が遅く、そのうちにプアーな組織守備をカウンターで突かれて破れる試合が続出。かつ自らの戦術や指導方針に難色をつけた選手には厳しく当たって戦力外措置を取るなど、強引な規律の守らせ方をして現場からは悲鳴が上がった。

 結局デ・ブールは11月に解任。その後蘇寧グループ幹部の立会いのもと、イタリアでは前代未聞の監督オーディションが行われたのちに、元ラツィオのステファノ・ピオーリが招聘された。イタリアサッカーを熟知するこの指揮官は難しい状況ながら丁寧な選手のマネジメントを行い、チームを正常に機能させていく。

 就任初戦のミラノダービーはドロー。CL進出に向けて当該のライバルとなるナポリには敗れたものの、それ以降は4連勝を記録。今季は良い試合を展開しているジェノアやラツィオを破るなど、強豪らしい強さをきっちり見せて勝ち点を積み上げてきている。

「正常化請負人」のもと巻き返しへ

 再建劇を演出しているピオーリ監督には「ノルマリッツァトーレ(正常化請負人)」というあだ名が付けられた。どうも「ノルマーレ(正常、普通)」という言い方がお気に召さなかったらしい本人は「ポテンツィアトーレ(強化請負人)でありたい」と記者会見で語っていたが、ともかく今のインテルは正常に機能し始めている。

 組織守備が機能し、ミランダやジェイソン・ムリージョが慌ててカバーした末にミスを犯すようなシーンは減った。それでいて、最終ラインの位置はオランダ流の攻撃サッカーを敷いたデ・ブールの時代と遜色ないくらいに高めだ。

 そして、走力とスピード溢れるアタッカー陣の特性を素直に活かした切り替えの早いサッカーで、失った勝ち点を懸命に集めてきている。マルセロ・ブロゾビッチやジョフレイ・コンドグビアなど、前監督のもとで煮え湯を飲まされていた選手たちも急激に復調しており、チームのムードは良い。

 当面の課題はこの調子を持続していくことにあるが、選手の地力はあるので見通しは暗くはない。ヨーロッパリーグから敗退したのはクラブにとっては間違いなく失態ではあるが、リーグ戦においては他のライバルに対し体力上のアドバンテージともなりうる。

 マウロ・イカルディがほぼ出ずっぱりとなっているCFを除き、各ポジションには戦力が充実し、主力とリザーブとでそれほど実力差は生じていない。チームの慢性的な人材不足となっていた中盤の底にも、ラフプレーの多かったフェリペ・メロを放出した一方でアタランタで急成長中の若手ロベルト・ガリアルディーニを引っ張ってきた。

 巻き返しへの下地は整っている。このまま安定した成長を続ければ、シーズン後半に上位を捕まえることも不可能ではない。あとは欧州クラブでの経験が少ない現フロントがシーズン序盤のような愚を犯さず、ピオーリ監督をはじめとした現場を落ち着いてサポートできるかどうかが問われるだろう。

診断

補強診断 A-

 冒頭にも記した通り、戦力の頭数は整っている。むしろヨーロッパリーグを前提として各ポジションで二重、三重の選手層を揃えただけに、今では選手の過多でマネジメントが逆に不安になるほど。新戦力のうちカンドレーバやジョアン・マリオは早速主力としてフィットし、序盤は順応に苦労したバネガやアンサルディも安定してきた。唯一鳴り物入りで獲得したガブリエウ・バルボーザをうまく使えていないところが誤算か。

総合力診断 B

 ミランのヴィンチェンツォ・モンテッラ監督の言葉を借りれば、インテルは「本来ならスクデットを争うために編成されたチーム」。にもかかわらず、序盤戦の混乱からチーム作りで大きく出遅れてしまったために、連携の完成度、戦術の浸透度という点で力を落としている。もっともそれも、ピオーリ監督のもとで緊急修繕中。後半戦で、下馬評通りの実力を発揮することができるか。

(文:神尾光臣【ミラノ】)

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