【投手の球数を考える】“二刀流”大谷は起用法次第も…MLBに「3000球」の壁

1月14日(日)12時23分 フルカウント

藤浪よりも“省エネ”、シーズン3000球を投げたことのない大谷

 NPBでは「限界」ともいえる「シーズン3000球」。しかし、MLBでは先発投手の「基本」と言っても良い数字だ。今季からMLBでプレーする大谷翔平は二刀流での起用になるとはいえ、「3000球」が大きな壁になってくる。

 大谷翔平と同期同学年の藤浪晋太郎の年度別の成績、投球数、1試合、1回当たりの投球数の推移を見ていこう。

○2013年
藤浪 24試10勝6敗 防御率2.75 137.2回2252球
(1試合93.83球 1回16.36球)
大谷 13試3勝0敗 防御率4.23 61.2回1098球
(1試合84.46球 1回17.81球)

○2014年
藤浪 25試11勝8敗 防御率3.53 163回2844球
(1試合113.76球 1回17.45球)
大谷 24試11勝4敗 防御率2.61 155.1回2538球
(1試合110.35球 1回15.73球)

○2015年
藤浪 28試14勝7敗 防御率2.40 199回3374球
(1試合120.5球 1回16.95球)
大谷 22試15勝5敗 防御率2.24 160.2回2462球
(1試合111.91球 1回15.32球)

○2016年
藤浪 26試7勝11敗 防御率3.25 169回2948球
(1試合113.38球 1回17.44球)
大谷 21試10勝4敗 防御率1.86 140回2229球
(1試合106.14球 1回15.92球)

○2017年
藤浪 11試3勝5敗 防御率4.12 59回1093球
(1試合99.36球 1回18.53球)
大谷 5試3勝2敗 防御率3.20 25.1回403球
(1試合80.60球 1回15.91球)

◯合計
藤浪 114試45勝37敗 防御率3.05 727.2回12511球
(1試合109.75球 1回17.19球)
大谷 85試42勝15敗 防御率2.52 543回8730球
(1試合103.93球 1回15.90球)

 過去5年間で、大谷のシーズン投球数が、藤浪を上回ったことは一度もない。また3000球を投げたことは一度もない。1試合当たりの投球数も藤浪よりも少ない。

 阪神と日本ハムの用兵の違いもある。日本ハムには二刀流の大谷に対する配慮もある。大谷は藤浪より慎重に使われているとはいえるだろう。

 ただ、大谷は2014年以降、1回当たりの投球数が16球を割っている。17球前後の藤浪に比べて投球効率は良い。このことは、MLBに移籍するうえでメリットになる。

MLBでは1回の目安は15球前後がベスト

 しかしMLBでは、NPBよりはるかに過酷なシーズンが待っている。

 MLBを代表する投手の2017年の数字を見るとそれがわかる。

クレイトン・カーショー(ドジャース)
27試18勝4敗 防御率2.31 175回2521球
(1試合93.37球 1回14.08球)

コリー・クルーバー(インディアンス)
29試18勝4敗 防御率2.25 203.2回2945球
(1試合101.55球 1回14.46球)

マックス・シャーザー(ナショナルズ)
31試16勝6敗 防御率2.51 200.2回3111球
(1試合100.35球 1回15.50球)

ジャスティン・バーランダー(2球団)
33試15勝8敗 防御率3.36 206回3531球
(1試合107球 1回17.14球)

クリス・セール(レッドソックス)
32試17勝8敗 防御率2.90 214.1回3428球
(1試合107.13球 1回15.99球)

田中将大(ヤンキース)
30試13勝12敗 防御率4.74 178.1回2810球
(1試合93.67球 1回15.75球)

 2017年、MLBで3000球以上を投げた投手は33人いる。1球団に1人以上いる計算になる。その中で、成績が上位に来る投手の多くは、1回当たり15球前後の効率的な投球をしていることがわかる。

 中にはバーランダーのように17球を超える球数を投げる投手もいるが、それは例外的な存在だ。一般的には、効率的な投球をしないと、長いシーズンを乗り切れないことがわかる。

 大谷はMLBでも「二刀流」でいく可能性がある。エンゼルスがどんな起用をするかは不透明だが、ローテーション投手として投げるとすれば、「3000球」はどうしても目安の1つとなる。NPBで一度も投げたことがない球数だ。

 この球数を投げて、シーズンでフルに活躍するためには、投球効率を上げる必要がある。1回当たり15球を目標に、無駄球を減らす努力が必要だろう。(広尾晃 / Koh Hiroo)

フルカウント

「MLB」をもっと詳しく

「MLB」のニュース

BIGLOBE
トップへ