5年前の得点王ウッドはニューカッスルに移籍! チャンピオンシップ得点王たちのその後は…

2022年1月14日(金)17時56分 サッカーキング

チャンピオンシップの得点王たち [写真]=Getty Images

写真を拡大

 ニューカッスルがバーンリーからニュージーランド代表FWクリス・ウッドを完全移籍で獲得した。

 2017年にバーンリーに加入してから昨季まで、4シーズン連続でチーム最多得点を記録し、クラブのプレミアリーグ残留に貢献してきたウッド。バーンリーに移籍する直前の2016−17シーズンには、当時所属していたリーズでリーグ戦27ゴールを決め、EFLチャンピオンシップ(イングランド2部)の得点王に輝いた点取り屋だ。

 そこで今回は、過去10シーズンのチャンピオンシップ得点王を振り返る。2部リーグでトップスコアラーとなった選手たちはその後、どのようなキャリアを歩んでいるのだろうか。

※カッコ内は(当時所属クラブ/得点数)

▼2011−12シーズン
リッキー・ランバート(サウサンプトン/27ゴール)

 リッキー・ランバートは自らの手でプレミアリーグの舞台をつかみ取った。2009年にチャンピオンシップからリーグ1(3部)に降格したばかりのサウサンプトンに加入したランバート。1シーズン目でリーグ1の得点王になると、翌季もチーム最多の21得点をマークし、セインツを2部に引っ張り上げた。2011−12シーズンはチャンピオンシップで27ゴール。サウサンプトンは首位レディングに勝ち点1差で優勝は逃したものの、2位で自動昇格の権利を獲得。ランバートは同シーズンのチャンピオンシップで得点王となっただけでなく、年間最優秀選手にも選ばれた。プレミアリーグでも順調にゴールを決め続けたランバートは、2014年にリヴァプールへ移籍。背番号9を託されたが、ビッグクラブで結果を出すことはできず、1年後にウェスト・ブロムウィッチへ移籍。2017年にカーディフで現役生活を終えている

▼2012−13シーズン
グレン・マレー(クリスタル・パレス/30ゴール)

 ケーキに苺をのせたのはケヴィン・フィリップスだったが、土台を作ったのはグレン・マレーだった。2011年の夏、ブライトンからクリスタル・パレスに移籍したマレー。2シーズン目の2012−13シーズンは、2部で30得点とゴールを量産。7年連続で昇格を逃していたチームを昇格プレーオフ圏内の5位に導いた。しかし古巣ブライトンとの対戦となったプレーオフ準決勝のファーストレグで膝に重傷を負ったマレーは、決勝には出場できず。延長戦までもつれたワトフォードとのファイナルで、決勝点となるPKを決めたのはフィリップスだった。ボーンマスを経由し、2016年から4シーズンに渡って古巣ブライトンで活躍をしたマレーは、ノッティンガム・フォレストでのプレーを最後に昨年5月に現役引退を発表。現在は解説者として頻繁にメディアに登場している。

▼2013−14シーズン
ロス・マコーマック(リーズ/28ゴール)

 チャンピオンシップのスペシャリストとして重宝された。カーディフからリーズに移籍して4年目の2013−14シーズンのチャンピオンシップで、チーム総得点(59)の約半分に当たる28ゴールを決めて得点王に名を刻んだロス・マコーマック。チームは15位でシーズンを終えたが、孤軍奮闘した元スコットランド代表FWは、プレミアリーグから降格してきたフルアムと契約。リーグ戦だけで1年目は17得点、翌年は21得点と結果を残したマコーマックは、2016年にまたしても“降格チーム”のアストン・ヴィラに移籍することに。しかしポジションを獲得することはできずに、シーズン途中でチャンピオンシップのライバルであるノッティンガム・フォレストに期限付きで移籍。その後、3度のローン移籍を繰り返した末にアストン・ヴィラを退団。11シーズンに渡って在籍したチャンピオンシップでは計333試合でピッチに立ち、120得点55アシストという成績を残した。昨季は5部のオルダーショットと契約を交わして話題となったが、ケガで出遅れて2試合0得点でシーズンが終了。35歳の現在は無所属となっている。

▼2014−15シーズン
ダリル・マーフィー(イプスウィッチ/27ゴール)

 チャンピオンシップでは優勝も経験したが、ダリル・マーフィーの最盛期は同リーグのトップスコアラーとなった2014−15シーズンだろう。セルティックからのローン期間も含め、イプスウィッチで4年目を迎えていた元アイルランド代表FW。開幕戦で降格チームのフルアムを相手に先制点を決めて勝利に貢献すると、その後もコンスタントにネットを揺らし、チームを昇格プレーオフ圏内の6位に導いた。翌年も2部リーグで二桁得点を達成したマーフィーは、2016年にプレミアリーグから降格してきたニューカッスルへ移籍。しかしドワイト・ゲイルやアレクサンダル・ミトロヴィッチからポジションは奪えず、負傷による長期離脱もあり、慣れ親しんだチャンピオンシップで5得点しか決められなかった。その年の2部リーグを制したニューカッスルは1年でプレミア復帰を果たすも、マーフィーはノッティンガム・フォレストと契約してチャンピオンシップに“残留”。2020年からは生まれ故郷のチームでもある、古巣のウォーターフォード(アイルランド2部)に所属している。

▼2015−16シーズン
アンドレ・グレイ(ブレントフォード、バーンリー/25ゴール)

 ブレントフォードでの2得点を除いても、この年のチャンピオンシップ得点王の称号はアンドレ・グレイに与えられていた。2013−14シーズンにルートン・タウン(当時5部)でリーグ戦30得点とゴールを量産したグレイ。翌年はブレントフォードに移籍し、チャンピオンシップに初挑戦。公式戦でチーム最多の18得点を記録した。2015−16シーズンは開幕戦から2試合連続弾を披露した後でバーンリーと契約。移籍後に23ゴールを決めて、バーンリーのプレミアリーグ初昇格の立役者となった。しかし、これまでトップリーグでは一度も二桁得点を達成できていないグレイ。昨年3月にジャマイカ代表デビューを果たし、5カ月後にはイギリスの人気ガールズグループ『リトル・ミックス』のリー・アン・ピノックさんとの間に双子が誕生した。今季はワトフォードからQPRにローン移籍中のグレイは現在30歳。生まれてきた我が子たちの為にも、もう一花咲かせたいところだ。

▼2016−17シーズン
クリス・ウッド(リーズ/27ゴール)

 今から5シーズン前、自己最多となるリーグ戦27ゴールを記録したクリス・ウッドだったが、チームを昇格プレーオフに進めることはできなかった。10代でウェスト・ブロムウィッチの下部組織に加入して以降、イングランドの1部から3部リーグを経験してきたウッド。2015年にレスターからリーズに移籍し、フィジカルの強さを武器に、1年目からチーム最多の13得点をマークした。2年目となった2016−17シーズンは、2位に4ゴール差を付けてリーグ得点王のタイトルを獲得。しかしチームは6位フルアムに勝ち点5及ばずに、7位で終了。ウッドは翌シーズン、1500万ポンド(約23億円)でプレミア昇格2年目を迎えるバーンリーに移籍した。その後の4年半で、165試合に出場し、53ゴールを記録したウッド。新天地となるニューカッスルを残留、そしてさらにその先に導くことができるだろうか。

▼2017−18シーズン
マチェイ・ヴィドラ(ダービー・カウンティ/21ゴール)

 過去10年のチャンピオンシップで、最少ゴール数で得点王のタイトルを獲得したのはマチェイ・ヴィドラだ。2位ルイス・グラバンとは1点差の21得点で2017−18シーズンのトップスコアラーとなったチェコ代表FW。6位でプレーオフにまわったダービー・カウンティは、準決勝でフルアムに敗れて昇格ならず。一方のヴィドラは、プレミアリーグに残留を果たしたバーンリーへ移籍し、1部リーグへの切符を手に入れた。初年度から“控えFW”が定位置となっているが、現在も同クラブでプレーを続けているヴィドラ。今季のリーグ戦ではここまで出場した15試合のうち、13試合がベンチスタートとなっている。ウッドの移籍でオープンになることが期待されるポジション争いを何としてでも制したいところだ。

▼2018−19シーズン
テーム・プッキ(ノリッジ/29ゴール)

 義理堅く、愛妻家で、不屈の精神を持つ男。おまけに移籍金なしでクラブにやって来て、1年でチームをチャンピオンシップ王者にしたのだから、ノリッジのファンはテーム・プッキを愛さずにはいられないだろう。2018年にブレンビーから当時2部のノリッジに加入したプッキ。初挑戦となったイングランドのリーグで29ゴールを決め、ノリッジを昇格に導いた。翌シーズンはチームが最下位で終わる中で二桁得点を達成。当然、移籍の噂も浮上したが残留を選んだプッキは、昨季のチャンピオンシップでも26得点とゴールを量産。ノリッジはリーグ首位でプレミア復帰を果たした。しかしチームは今季も最下位に低迷。チーム総得点の8ゴールのうち、プッキ一人で5得点(62.5%)を決めており、完全なワンマンチーム状態に陥っている。妻の誕生日である「22」を背番号に選んだフィンランド代表FW以外にも得点源を作らなければ、降格は免れないだろう。

▼2019−20シーズン
アレクサンダル・ミトロヴィッチ(フルアム/26ゴール)

 昨年11月のワールドカップ予選ポルトガル戦では、試合終了間際に決勝弾を叩きこみ、セルビア代表に本大会出場権をもたらしたアレクサンダル・ミトロヴィッチ。2シーズン前にはフルアムのプレミア昇格の立役者となった。2019−20シーズンのフルアムはチャンピオンシップを4位で終えてプレーオフに進出。準決勝の2試合は負傷でプレーができなかったミトロヴィッチだが、ブレントフォードとの決勝ではスコアレスで迎えた後半アディショナルタイムからピッチに登場。アシストを記録し、2−1での勝利を後押しした。フルアムは1年でチャンピオンシップに戻っているが、ミトロヴィッチは今季も絶好調。ここまでリーグ最多の24得点を挙げている。ミトロヴィッチが2度目のチャンピオンシップ得点王に輝く頃、クラブも昇格を決めることができるだろうか。

▼2020−21シーズン
イヴァン・トニー(ブレントフォード/31ゴール)

「31ゴール」は2004年にイングランド2部リーグが“チャンピオンシップ”となって以降、最多得点記録だという。前年度、惜しくも昇格を逃したブレントフォードは、同年のリーグ1得点王イヴァン・トニーをピーターバラから獲得。元ニューカッスルのFWは、1週間後にアストン・ヴィラに引き抜かれたオリー・ワトキンスの穴を十二分に埋めて見せた。レギュラーシーズン中に31得点10アシストを記録し、ブレントフォードを1年前と同じ3位に先導したトニー。昇格プレーオフの準決勝と決勝でそれぞれPKによる得点を重ね、ブレントフォードを74年ぶりとなる1部リーグに導いた。プレミアリーグでもゴール前で相手に脅威を与え、チームの得点源となっているトニー。まだ25歳。ブレントフォードのファンならずとも、今後の飛躍を期待したい選手の一人だ。

(記事/Footmedia)

サッカーキング

「得点王」をもっと詳しく

「得点王」のニュース

「得点王」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ