フェラーリとの提携に満足の一方で、結果を出せていないことに戸惑うハースF1オーナー「彼らに近づく必要がある」

2024年1月15日(月)12時5分 AUTOSPORT web

 ハースのフェラーリとのパートナーシップは、F1において彼らの基礎となっているが、ハースF1チームのオーナーであるジーン・ハースは、チームがコース上でフェラーリのマシンに近づく必要があると主張している。


 創設以来、ハースはフェラーリのパワーユニットと、フェラーリから供給される多くのコンポーネントに依存している。製造におけるダラーラとの提携とならんで、フェラーリとの緊密なコラボレーションはハースにとっていくつか重要なメリットをもたらしてきた。


 まず、フェラーリの専門性はハースにとって非常に貴重なものになっている。フェラーリのパワーユニットとサスペンションを活用することで、チームは単独では再現が困難もしくは不可能な最先端のエンジニアリングとデザインを手に入れることができる。比較的リソースが限られたハースが2016年からF1で戦うにあたって、この技術面のアドバンテージが助けとなっている。


 第二に、フェラーリとのパートナーシップは、コスト面でハースに大きなメリットをもたらしている。フェラーリからコンポーネントを購入することで、ハースは内部で開発と製造を行う必要がなくなる。これにより間接費を削減して、チームの他の分野にリソースを集中させることができる。


 そして第三に、この提携はハースがF1で高い評価を確立するのに役立っている。成功は限られたものではあるものの、ハースはフェラーリのおかげでファンの間やパドックにおいて信頼と評価を得ている。これは、どのF1チームにとっても不可欠となっているスポンサーやパートナーを引き付けるにあたって重要なことだ。


「フェラーリは大変よくしてくれている」とジーン・ハースは今週、チーム代表のギュンター・シュタイナー離脱を伴うチームのマネジメント変更を受けてコメントした。


「彼らは最初の日から我々とともにいて、素晴らしいエンジンを作っている。彼らのサスペンションは抜群の性能だ。我々は彼らのハードウェアを多く使用してきたが、とてもうまく機能している。彼らは我々を本当に助けてくれる」


「それなのにまだよりよい結果を出せていないことに当惑しているが、今後は他の多くのチームにはない設備を活用していきたいと考えている」


「競争は非常に激しくなる。レッドブルにはアルファタウリがいるが、こうした関係性が進化し始めているし、競争は非常に過酷になると思うので、フェラーリのようなパートナーを持つことは重要になるだろう」

ジーン・ハース(ハースF1チームのオーナー)


 ジーン・ハースの結論は、フェラーリとのパートナーシップをより有効に活用し、日曜日のレースで確かな結果に結びつける必要があるということだ。


「フェラーリと組めることに非常に満足している。信頼性の面で我々も彼らの助けになれればと望んでいる。今後、ザウバーがフェラーリのパワーユニットを使わなくなると、フェラーリのユーザーは我々だけになる。彼らはひとつかふたつカスタマーを持ちたいと考えているかもしれない」


「彼らも我々との提携に満足するかもしれない。しかし我々はもっとうまくやらなければならない。これほどフェラーリと離れたところにいることはできない。彼らに近づく必要がある」


 ダラーラとの提携は、ハースのビジネスモデルにおけるもうひとつの重要な要素だ。同社は何十年にもわたってさまざまなカテゴリーのレーシングカーを製造しており、彼らの並外れたエンジニアリング分野の専門性は、ハースにとって非常に有益なものだ。


 ハース、フェラーリ、ダラーラのパートナーシップは、F1で成功したユニークなモデルだ。3社の異なる強みを結集することで、ハースは比較的リソースが限られたなかでも高いレベルで戦うことができている。このパートナーシップは、コラボレーションの力と、ビジネスの世界で強固な関係を築くことの重要性を証明している。


「我々はここで素晴らしい体制を得た。我々にはフェラーリのエンジンという、現時点ではおそらくどこよりもパワーのあるエンジンがある。(レギュレーションで許可された範囲内の指定部品といった)フェラーリのハードウェアもあるし、優れたシャシーもある」


「私は多くのエンジニアと話をしているが、我々の最大の失敗は空力だ。我々の空力プログラムには修正が必要だ。コースに行って毎週末屈辱を受けるのなら、もう空力に関わるのはやめようと思う」

2023年F1第17戦日本GP ケビン・マグヌッセン(ハース)

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