佐々木朗希のポスティング問題について高木豊氏が提言 「ルールをちゃんと作っておいたほうがいい」という背景とは

2024年1月15日(月)12時41分 ココカラネクスト

高木豊氏

 ロッテの160キロ右腕、佐々木朗希が注目されている。昨年12月には早期のポスティング移籍を希望していることが報じられ、契約更改は自身初の越年交渉となった。この佐々木朗のポスティング移籍問題に関しては球界内からも様々な考察の声が上がっている。

 現役時代は大洋(現DeNA)で活躍、引退後は日本代表コーチも務め、現在は野球解説者として活躍する高木豊氏は1月14日に自身のYouTubeチャンネルに「【MLB挑戦問題】佐々木朗希のメジャー挑戦基準は必要ない!?でも球団の心理を考えると…高木が佐々木朗希MLB挑戦問題について語ります!」と題した動画を更新。この問題について言及している。

【MLB挑戦問題】佐々木朗希のメジャー挑戦基準は必要ない︎でも球団の心理を考えると…高木が佐々木朗希MLB挑戦問題について語ります!

 まず前提としてポスティングは球団が認めるものとしながら、MLBには選手獲得のための25歳ルールがあることで「マイナー契約となると、球団に入ってくるお金がない、お金が動かないとなるとロッテも考えるよね」と高木氏は指摘。25歳になって挑戦すれば、球団に入ってくるお金が桁違いになってくることが想定されることで、現時点でロッテが移籍を認めないことも球団経営の観点から理解できるとした。

 「25歳ルール」とは海外選手の獲得に伴う契約金制限の適用年齢が25歳からに定められているもの。25歳未満の選手との契約となると契約金や年俸など年間500万ドル(約7億2500万円)程度に抑えられ、マイナー契約からスタートするという労使協定が結ばれている。

 25歳シーズンとなったオリックス・山本由伸は今オフ、球団からポスティング移籍を認められ、ドジャースに入団。総額3億2500万ドル(約465億円=入団当時のレート)、球団への譲渡金は約72億円にものぼったことが大きく話題を集めた。すでに佐々木朗も昨春のWBCで世界デビュー、メジャー球団から熱視線を浴びているとあって、育てた球団とすれば「対価」を求めるのも当然といえそうだ。

 一方で高木氏は佐々木朗の選手としての心情にも理解を示す。「人生を考えて、いち早く行きたい気持ちも分かる。最初はマイナー契約になるけど、佐々木朗希の実力だったらすぐメジャー契約を勝ち取れる」とコメントした。

 一方で今回の出来事で話題となっているのは、球団が選手へポスティング移籍を認める基準にもある。佐々木朗は未だ年間通してローテーションを守ったことはなく、2桁勝利にも届いていない。吉井理人監督からは佐々木朗に関して、球団への貢献を促す発言もあった。こういった考えに対して高木氏も理解できるとしながら、佐々木朗に関しては「素質を考えたらメジャーに行ってもおかしくはない」とした上で、懸念される体力面に関しても向こうにいってじっくり鍛えるという考えかたもあるとした。

 球団、選手面から様々な事情も踏まえた上で同氏は「ここらへんでルールをちゃんと作っておいた方がいい。日本のプロ野球としてポスティングというのは25歳以上じゃないと球団もコミッショナーも認めないなど。やはりルールがないと。球団と個人の話だけに任せているからおかしくなる」と日本球界全体としてのルール整備の必要性を訴えた。

 すでに佐々木朗のポスティング問題が報じられて以降、ロッテファンも気をもむ状態が続いている。「これでこじれると選手と球団の関係が悪くなるだけ」と若き右腕への影響も心配した高木氏。さらに入団時の契約についても、ポスティング移籍に関しては選手側と条件含め、細かく定めておく必要があるという見解も示した。

 昨年はWBCで世界一奪還、投打にわたって日本人選手の実力は広く知られてきており、今後もメジャー挑戦を打ちだす選手は続々と現れそうだ。夢を追う選手、入団時から成長を見守ってきた球団、応援するファンにとって「三方よし」となる形を摸索するのは今後も必要不可欠となりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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