ソフトバンク加入のM・ムーア 元トッププロスペクトの栄光と挫折

1月15日(水)18時35分 SPAIA

ソフトバンクが獲得したマット・ムーアⒸゲッティイメージズ

Ⓒゲッティイメージズ

ソフトバンク、マット・ムーアを獲得

昨年12月26日、ソフトバンクがマット・ムーアの獲得を発表した。ムーアはレイズやジャイアンツで活躍した30歳左腕。メジャー9年で54勝と実績は十分である。

2019年のソフトバンクは、千賀滉大や高橋礼といった右の先発陣が活躍する一方で、和田毅や大竹耕太郎といった左の先発陣はシーズンを通じて投げることができなかった。チーム最年長である和田にそこまで負担をかけるのは酷であり、大竹にはまだまだ経験が足りない。その二人のちょうど中間の世代にあたるムーアの獲得は、ソフトバンクにさらなる選手層の厚みと世代交代の好循環を生み出すことになるだろう。

ムーアは球団を通じて、次のようにコメントした。「日本での新しいキャリアを楽しみにしつつ、このオフシーズンの間にしっかりと良い準備をし、2020年のホークスの優勝に貢献したいと思います。そして熱狂的なホークスファンの皆さんに喜んで貰えるようなパフォーマンスが出来るよう、全力で頑張ります!」

トッププロスペクト、PS初戦に大抜擢

マット・ムーアと言えば、メジャーリーグのトッププロスペクトだったということがまず頭に浮かぶ。レイズに所属していた2012年、MLBの公式サイトが発表した有望株ランキングで、ムーアはブライス・ハーパーやマイク・トラウトといった現在のスーパースターをおさえて1位に選ばれたのだ。

ムーアの評判が知れ渡ったのは、その前年のア・リーグ地区シリーズだった。2011年はムーアにとってルーキー・イヤーで、それまで彼を知るのはマイナーの情報も追いかけるようなコアな野球ファンくらいだった。しかし、レイズのジョー・マドン監督(型にはまらない人間として有名)は、いままで3試合9.1イニングしか大リーグの舞台で投げたことがなかったムーアを、ポストシーズン初戦の先発に大抜擢したのだ。

ムーアは、その年30球団でもっともチーム打率が高かったレンジャーズを相手に7回無失点と好投。打たれたヒットはわずか2本だった。試合後、マドン監督は「これ以上の感動はない。ムーアが今夜やってのけたことは、本当に素晴らしかった」と絶賛した。

その後の2年間でムーアはレイズ先発陣の柱として成長。2013年には、17勝4敗、防御率3.29という好成績を挙げオールスターにも出場した。

TJ手術、度重なる怪我

スターダムの道から転げ落ちたのは2014年だった。4月7日のロイヤルズ戦、ムーアにとっては開幕から2回目の登板となったこの試合で悲劇は起こった。5回1アウト、打席に立っていたのは当時ロイヤルズに所属していた青木宣親。チェンジアップを投じた直後、ムーアは肘に違和感を覚え、青木との対戦が終わらないまま試合から退くことになった。数日後、医師から下された診断は肘靭帯(UCL)の断裂。トミー・ジョン手術を受けることになり、彼のシーズンは終了した。皮肉にも2014年は、2012年の有望株ランキングでムーアより下位につけていたトラウトが初めてMVPを獲得した年だった。

トミー・ジョン手術後のムーアは、それまでの輝きを失っていた。術後初めてフルシーズンを戦った2016年はやや復調するものの、2017年はリーグワーストの15敗を喫した。続く2018年は防御率6.79と散々。強力レンジャーズ打線をきりきり舞いにしたストレートは、2011年が平均96.2マイル(154.8キロ)だったのに対し、今では92.9マイル(149.5キロ)までに低下した。

2019年は復活を期すシーズンだったが、新たな怪我に悩まされることになった。偶然にも対戦相手は肘を痛めたときと同じロイヤルズ。それもムーアにとって開幕から2回目の登板日だった。ムーアはバント処理によって膝を負傷。シーズンを棒に振った。

米放送局のCBSスポーツによると、ムーアが「もし日本でいいパフォーマンスを見せることができたら、メジャーリーグに戻るのも不思議ではない」らしい。まだ30歳。スターに返り咲くためにも、まずは日本で活躍することを期待したい。

※日付は現地時間

SPAIA

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