【NFLプレーオフ】レイブンズはなぜ負けたのか 波乱を引き起こした3つの誤算

1月15日(水)17時0分 SPAIA

レイブンズのラマー・ジャクソン

Ⓒゲッティイメージズ

第1シード、ボルチモア・レイブンズ敗退 その誤算とは

NFL2019シーズンを席巻したボルチモア・レイブンズは、プレーオフ初戦となったディビジョナルプレーオフ、テネシー・タイタンズ戦において12対28のスコアで敗北を喫し、シーズンを終えた。多くのNFL記録を塗り替え、スーパーボウルの本命と見られた彼らは、いったいなぜ敗れたのか。そこにはレイブンズが想定していなかった3つの誤算があった。

1つ目の誤算:序盤の大きなビハインド

レイブンズは今シーズン、その強力な攻撃で序盤から得点を重ね試合をリード。そのまま大差をつけるという展開で勝利を積み上げた。彼らの第1クオーターの総得点は128点でリーグ最多である。だからこそ、このパターンが崩れたときにレイブンズは脆さを見せた。

実は今シーズン一度だけ、第1クオーターで追いかける展開になった試合がある。第4週の対クリーブランド・ブラウンズ戦だ。ベイカー・メイフィールドのタッチダウンパスで先制されたレイブンズは、その後一度も逆転することができずに25対40で敗戦している。

余りに攻撃が強いがために、皮肉にも慣れることができなかったシチュエーション。それが大事なプレーオフ初戦で起きてしまったことが彼らの最初の誤算だった。そしてその誤算を引き起こしたのは、次にあげる2つ目の誤算である。

2つ目の誤算:レシーバー陣の落球

攻撃を率いるエースクオーターバック、ラマー・ジャクソンの若さをこの試合の敗戦の理由にあげるマスコミもあるが、ジャクソンは決して悪くなかった。オプションプレーの判断を間違えることはあったにせよ、第3ダウンの危機的な状況で幾度もパスを成功させ、勝利への可能性をつなぎとめ続けたのは彼だったからだ。それよりもむしろパスを受ける側、レシーバー陣にレイブンズは問題を抱えていた。

タイタンズが先制点をあげるきっかけとなったのは、レイブンズレシーバー陣の落球だった。タイトエンド、マーク・アンドリュースが弾き、浮いてしまったボールを、タイタンズのセーフティ、ケビン・バイアードがインターセプトしたのがそれだ。このインターセプトとその後の反則によりタイタンズは敵陣35ヤードという有利な陣地を獲得。結局その攻撃でタッチダウンをあげ、レイブンズに追う展開を強いることになったのである。

レイブンズレシーバー陣はその後も落球を重ね、終わってみれば計6回。このレシーバー陣のミスが、攻撃の勢いを削ぐことになってしまった。チームのリーディングレシーバーであるアンドリュースは、今年プロボウルに選ばれたとはいえまだ2年目の選手。それに次ぐレシーバーも、ルーキーのマーキス・ブラウン。レシーバーの中心選手に信頼できるベテランがいなかったことが、プレーオフという平常心を保つことが難しい試合で、レイブンズから攻撃の安定感を奪ってしまったのだ。

3つ目の誤算:封じられた最強の武器

タイタンズはNFL最高のラン攻撃を誇るレイブンズに対し、特別な守備を敷かなかった。いや、むしろより保守的な守備だったといえる。ブリッツをほとんど入れず、プレッシャーを4人でかける。そしてフットボール守備の基本であるコンテイン(1人でタックルするのではなく、ボールキャリアーを複数人で取り囲み逃げ場を無くす動き)を徹底させた。特定の選手にジャクソンをマークさせるスパイと呼ばれるタスクを用意せず、ある程度走られるのは覚悟で、しかし決定的なプレーをさせない守り方である。

タイタンズ守備陣は単独で飛び込めばジャクソンにかわされ、その後ろに広がるスペースを縦横無尽に走られることを理解していた。だからタックルにいきたい衝動を抑えポジションをキープし続けた。複数人でジャクソンを取り囲めるようになるまで。最終的にジャクソンは143ヤードを走ることになるが、前半はわずか29ヤードの獲得にとどまった。規律が徹底されたタイタンズ守備の前に、レイブンズはその最大の武器を封じられてしまったのである。

かつての戦友の痛すぎる恩返し

最後に、タイタンズの守備コーディネーター、ディーン・ピースが、長きにわたりレイブンズのヘッドコーチ、ジョン・ハーボーのもとで働いていたという事実も、このアップセットを引き起こした要因として付け加えたい。彼は2010年から8年間レイブンズでコーチを務めた。それだけにハーボ—というコーチがどのような選択を試合中に行うか、その傾向を熟知していたに違いない。でなければレギュラーシーズンで一度も失敗しなかったレイブンズの第4ダウンでのギャンブルを、2度もあれほど見事に止められはしないはずだ。

実はリーグ最高のヘッドコーチであるニューイングランド・ペイトリオッツのビル・ベリチックですら、彼が指導したヘッドコーチとの対戦を苦手としていて、通算14勝14敗と五分の成績しか残せていない。その14敗には、ペイトリオッツのラインバッカーとしてベリチックのもとでプレーした、現タイタンズのヘッドコーチ、マイク・ブラベルによるワイルドカードのゲームももちろん含まれている。

SPAIA

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