フェラーリF1、サインツ引き抜きを阻止すべく長期契約をまとめる意向。シューマッハーの起用は当分なしか

2022年1月16日(日)7時14分 AUTOSPORT web

 スクーデリア・フェラーリは、カルロス・サインツとの交渉をできるだけ早く始め、2022年末までの契約を2025年末まで延長することを計画しているようだ。


 サインツは2021年にフェラーリに加入、非常に評価が高いシャルル・ルクレールと同等、時にはそれ以上のパフォーマンスを見せて、株を上げた。


 いくつかのチームがサインツ獲得を望むことが予想されるため、フェラーリ代表マッティア・ビノットは、早い段階で引き抜きを阻止するために動きたいと考えており、2022年シーズン開始前に契約を延長する可能性もある。

2021年F1第6戦アゼルバイジャンGP カルロス・サインツJr.(フェラーリ)&マッティア・ビノット(フェラーリ チーム代表)

 メルセデスはルイス・ハミルトンと契約を結んでいるものの、彼がF1に戻ってくるかどうかは現時点では定かではない。マクラーレンは、ダニエル・リカルドが大きくパフォーマンスを向上させられない場合に備えて後任候補を探そうとしており、アストンマーティンは、セバスチャン・ベッテルが引退を決めたときには代わりとなる優秀なドライバーを獲得する必要がある。そんななかで、サインツは、ピエール・ガスリーとともに、複数のチームから大きな注目を集めているのだ。


 フェラーリが感銘を受けたのは、サインツの速さと一貫性はもちろんのこと、エンジニアに対して非常に価値あるフィードバックを提供できることだという。チームメイトのルクレールは、どちらかというと本能に従って走る部分が大きいドライバーで、マシンに何か問題点がある場合、それを排除するための分析に努めるというよりも、自身の力でその場を切り抜けて、速いラップタイムを出す傾向にある。


 サインツは、常にチームの要求に応じてファクトリーで作業に取り組む勤勉さも持ち合わせ、ルクレールとも協調してチームのために働いている。


 フェラーリは、速く、一貫性が高く、技術面でも大きな貢献をし、完璧なチームプレイヤーでもあるサインツを長期的に手元に残すことを望んでいる。ルクレールとの現契約は2024年末までであり、少なくともそれまではラインアップを変えない意向だ。

2021年F1プレシーズンテスト シャルル・ルクレールとカルロス・サインツJr.(フェラーリ)

 2022年の飛躍に自信を持つフェラーリは、少なくとも4年連続同じドライバーペアで戦い、その一貫性を武器に、タイトル獲得を目指していきたい考えだ。


 しかし、サインツが長期的にフェラーリに残る場合、フェラーリの育成ドライバーであるミック・シューマッハーがスクーデリアに加入する機会が遠のく。

ミック・シューマッハー(ハース)

 シューマッハーは2021年にハースからF1にデビュー、現在の契約期間は2022年末までとなっている。しかし2023年にフェラーリに移籍できる可能性は低く、アルファロメオF1チームの代表フレデリック・バスールには、フェラーリ育成ドライバーを引き受ける意向はなさそうだ。


 そのためシューマッハーはハースに長期的に残り、同チームが新規則が導入される2022年以降に大きく向上することを願うしかないかもしれない。シモーネ・レスタが率いる技術グループが、ハースをコンストラクターズ選手権5位を獲得した2018年と同様のレベルまで押し上げることができれば、シューマッハーが力を発揮するチャンスが訪れるだろう。

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