トヨタGR WRCチャレンジ2期生3名がラップランド・ラリーに参戦。大竹がクラス2位フィニッシュ

2023年1月16日(月)18時10分 AUTOSPORT web

 TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムの2期生である、大竹直生、小暮ひかる、山本雄紀は1月12日〜14日、フィンランド・ラリー選手権第1戦『アークティック・ラップランド・ラリー』に参戦した。2023年の初戦として3名が挑んだ同イベントでは、大竹と山本がSM3クラスでステージトップタイムを記録。また、大竹/マルコ・サルミネン組は2期生のプログラムで過去最高のクラス2位となっている。


 フィンランド・ラリー選手権の開幕戦として行われたアークティック・ラップランド・ラリーは、13日(金)と14日(土)の2日間にわたって合計11本、総距離230.27kmのスペシャルステージ(SS)で争われた。


 同イベントに挑戦した3名にとって、スノーラリーへの参戦はプログラムを通じて初めて。彼らは日中と日没後の両方のコンディションで、凍った路面や雪深い森の中のステージを経験し、前輪駆動のラリー4車両で競うSM3クラスで、将来有望なフィンランドの若手選手と腕を競うこととなった。


 そのなかで結果を出した大竹は、初日をクラス総合4番手で終えると翌日はさらにスピードを上げ、オープニングのSS6でクラス2番手タイムを記録し続くSS7で同3番手タイムを刻んでクラス総合2番手に浮上した。さらに、SS8では自身初となるクラストップタイムを記録。トップとの差を30秒以内に詰めた。


 その後、SS10でのスピンにより優勝争いから遠ざかったものの、2022年のラリー・ミッケリでのクラス3位を上回る、自身最高のクラス2位でラリーを終えた。


 山本は、SS1でクラス2番手タイム、最終のSS11で自身初のステージトップタイムを記録するなど、終始素晴らしいペースを披露した。しかしSS2で発生した燃料ポンプのトラブルで初日にデイリタイアとなったことが影響し、最終的にクラス8位となっている。


 小暮はラリー初日、低速コーナーで膨らみスノーバンク(雪壁)にスタック。このアクシデントによりデイリタイアを余儀なくされた。それでも、再出走を果たした翌日はSS6とSS11でクラス2番手タイムを刻むなど強い走りをみせ、クラス5位で2023年のオープニングイベントを終えた。


「彼らにとって初めてのスノーラリーだったが、3人とも表彰台争いできるスピードがあることはわかっており、最初から最後まで一貫してペースを貫けるかが重要だった」と語るのは、育成プログラムのチーフインストラクターを務めるミッコ・ヒルボネン。


「新しいチャレンジとなったのは、夜のステージで雪が降っていたときの視界の悪い中での走行、そしてタイヤのスタッドをうまくマネージすること。このふたつがきわめて重要だったが、3人とも非常にうまくこなした」

大竹直生/マルコ・サルミネン組(ルノー・クリオ・ラリー4) 2023アークティック・ラップランド・ラリー
小暮ひかる/トピ・ルフティネン組(ルノー・クリオ・ラリー4) 2023アークティック・ラップランド・ラリー


■大竹「このラリーで大きな自信を得られた」


 ヒルボネンは3人の今戦の戦いについて、次のように評している。


「大竹は賢明なラリー運びをし、初日徐々にスピードを上げ、表彰台争いができるスピードを掴んだ。ポテンシャルを充分に発揮し、自信をつけたと思う」


「山本は、SS2で燃料ポンプにトラブルが発生してデイリタイアとなったが、翌日はプッシュしすぎることなく、かつ一貫して良いペースで走りきり、素晴らしい精神力を見せてくれた。小暮は低速のセクションで小さなミスがありアンラッキーだったがうまく挽回し、翌日は良いリズムで走ることができた」


 次回は2月9〜12日に開催されるWRC第2戦『ラリー・スウェーデン』に参戦する3選手の、ラップランド・ラリー後のコメントは以下のとおりだ。


●小暮ひかる(SM3クラス5位/ルノー・クリオ・ラリー4)


「4日間にわたってレッキをするラリーはこれまで経験したことがなく、各ステージも非常に長いのでとても体力を消耗しました」


「全般的にペースを掴むのに苦戦しました。とくに高速セクションが難しかったです。ですが、講師陣と自分のドライビングを分析し、いただいたアドバイスのおかげでラリーが終わるまでには今回の路面に適したドライビングスタイルにアジャストし、よいリズムで走れるようになりました」


「次戦のラリー・スウェーデンでのWRCデビューに向けて緊張していましたが、今回のラリーの終盤でかなり自信がつきました」


●大竹直生(SM3クラス2位/ルノー・クリオ・ラリー4)


「まだまだ改善すべき点はありますが、今回の結果をうれしく思っています。全ステージを通して一貫したペースを保つのは難しく、とくに夜は雪が多いなかで道が見えづらく、より難しかったです」


「ペースノートは、いくつかのトリッキーなコーナーでは少し安全寄りになっていたものの、全体としてうまく作れたことが結果につながりました。このラリーをとおして大きな自信を得られたので、次のスノーラリーにもよい気持ちで挑めそうです」


●山本雄紀(SM3クラス8位/ルノー・クリオ・ラリー4)


「初めてのスノーラリーでしたが、事前のテストでクルマに対してとても良いフィーリングが掴め、うまく適応することができました」


「昨シーズンは、良いタイムを出せたこともありましたが、安定性にかけていました。今回はよいリズムで一貫性を持って走ることができたので、最終順位に関わらず、内容に対してとてもうれしく思っています」

小暮ひかる 2023アークティック・ラップランド・ラリー
山本雄紀/ミイカ・テイスコネン組(ルノー・クリオ・ラリー4) 2023アークティック・ラップランド・ラリー
山本雄紀 2023アークティック・ラップランド・ラリー

AUTOSPORT web

「WRC」をもっと詳しく

「WRC」のニュース

「WRC」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ