新たにフォード・マスタング2台体制へ拡充のBRT、シリーズ史上初の女性チームマネージャーを任命

2024年1月16日(火)17時50分 AUTOSPORT web

 フォード陣営の一角として2024年に向け体制拡大を表明し、マスタングの2台体制に拡充するブランシャード・レーシングチーム(BRT)が、新たにケイト・ハリントンを初の女性フルタイムチームマネージャーに任命。シリーズ史上初の重責を担う彼女も、昨季ステップアップカテゴリーのスーパー2で“聖地”マウントパノラマを制したルーキーのアーロン・ラブと、同じく移籍加入の2010年王者ジェームス・コートニーのラインアップを擁して「パドックに新鮮な視点をもたらすことに意欲を持っている」との意気込みを語った。


 RSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップにおける参戦枠“チームズ・レーシング・チャーター(TRC)”のひと枠をティックフォード・レーシングから譲り受けるかたちで入手し、新たに2台体制を構築するBRTだが、そのTRC同様に元ティックフォード所属メンバーであるハリントンの加入が決定。


 昨季タイトルを獲得した共同オーナーのベティ・クリメンコ(エレバス・モータースポーツ)や、名門トリプルエイト・レースエンジニアリングの広報担当役員ジェス・デーンらと並んで、チームで重要な役割を担う女性として“新規チームの構築を支援する”という課題に挑む。


「私は(BRT共同代表の)ティムとジョン(・ブランシャード)がチームを導こうとした方向性を心から信じていた」と、昨季はステップアップのスーパー2でティックフォードのプログラムを監督し戦果を挙げてきたハリントン。


「それは新しいチームで、とても若くて楽しくて新鮮で、私もその一員になりたいと思っていた。私たちは座って話をし、お互いを知ってビジョンが一致していることを確認した。彼らはどこへ行きたいと思っていて、私はどこへ行くことができるのかを考えていたの」


「今のところ本当に楽しんでいるし、全員が団結し、士気を高く保つことができているのが大きなポイントね。とくに若いチームを作るときには、ネガティブな考えは必要ない。ここは20代だらけだしね! でも、みんなすでにたくさんの経験を積んでいて本当に刺激的よ」


「私も若いメンバーの一員として、そして女性として、プレゼンテーションの最初から最後まで物事に対する新しい視点やこれまでとは異なる見た目、雰囲気をもたらすことができればと思っている」


 南半球のモータースポーツ界における大御所として知られ、ニュージーランド出身のドライバーらを多数輩出したトニー・クインの指導下で実績を重ねてきたハリントンは、オーストラリアのGTから強豪チームのクラフト・バンブー・レーシングを経て、スーパーカーへの道を歩んできた。

参戦枠”Teams Racing Charter(TRC)”のひと枠をTickford Racingから譲り受け、新たに2台体制を構築する
「今のところ本当に楽しんでいるし、全員が団結し、士気を高く保つことができているのが大きなポイントね」とハリントン


■理想的なラインアップを構築


 そして(元ティックフォード代表の)ティム・エドワーズ(現RSCモータースポーツ部門責任者)監督のもと、スーパーカーのパドックでザック・ベストやデクラン・フレイザーらの指導者として頭角を表した。


「私自身、そのティックフォード時代には本当に成長できたと感じている。それとGTは私のバックグラウンドであり、スーパーカーに移る前の6年間をそこで過ごしてきた」と続けたハリントン。


「ティムは素晴らしい指導者であり、私が進歩し前進したいと思っていることを認識していた。リーダーシップとは人々の能力を最大限に引き出すこと。私は彼らドライバーがそれを楽しんでいること、そして彼らが最大限の可能性を発揮していることを確認したいと思っているの」


 そうしたキャリア遍歴を踏まえつつ、新たな役職を前にここでも彼女自身は自らのポリシーに基づき独自性を発揮したいと考えている。


「それでも多分、私の考え方とティムの考え方はおそらくまったく異なる。私は新鮮なアイデアをもたらしたいし、将来的には他のチームが私たちを見て、これまでに誰もやったことのないことに挑戦していることに気づいてくれることを願っている」


「私が海外にいたときは、敵意を持たずに他のガレージに行っていろいろなことを尋ねることができた。それもここに持ってきたい。親しみやすくありたいと思っているし、車線の向こう側の別のチームに行くこともでき、何か必要な場合は全員が団結して互いに助け合うことができる……そんなチームにね」


 その意味で、2010年のスーパーカーチャンピオンと、わずか1年で最高峰に昇格するルーキーのペアは理想的なラインアップと言える。


「アーロンを迎えられることに本当に興奮している。彼はとても細かいところまで話してくれて、努力家だから」と評したハリントン。


「彼はこれまで他のカテゴリーで非常に良い成績を収めてきたけれど、スーパー2での1年からスーパーカーへの昇格は大きな飛躍ね。我々は彼自身の期待とこちら側の期待をうまくコントロールし、今季については現実的になり、彼に余計なプレッシャーを掛けないようにする必要がある」


「私たちは彼の能力を最大限に引き出したいと思っている。そしてJC(ジェームス・コートニーの愛称)が加わることは素晴らしいこと。なぜなら彼自身がとても素晴らしい指導者だからよ」

ティム・エドワーズ(現RSCモータースポーツ部門責任者)監督のもと、スーパーカーのパドックでザック・ベストやデクラン・フレイザーらの指導者として頭角を表した
昨季ステップアップのSuper2で”聖地”マウントパノラマを制したルーキーのアーロン・ラブ(右)と、同じく移籍加入の2010年王者ジェームス・コートニーを擁する

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