“既成概念”を覆した大谷翔平 ド軍との歴史的な後払いが示す創造性を米法律家が絶賛「一見すると間抜けに見える」

2024年1月16日(火)10時30分 ココカラネクスト

契約金はメッシをも凌駕した大谷。その内容に対する賛辞は止まらない。(C)Getty Images

 大谷翔平とドジャースが締結した“超”巨額契約は、いまだ余波を広げている。

 名門が繰り広げた驚愕の札束攻勢を象徴するメガディールとなった。今オフにエンゼルスからフリーエージェントとなった大谷は、10年総額7億ドル(約1015億円)というプロスポーツ史上最高額の契約を締結。さらに全体の97%にあたる6億8000万ドル(約994億円)を後払いにする異例の条項も、チームの総年俸を軽減させるべく「僕はお金なんて必要じゃない」と自ら付帯させた。

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 あらためて振り返っても驚くべきサインだ。この野球のみならず、スポーツ史にも残る大谷の契約は、北米スポーツにおける経済事情に詳しい専門家も舌を巻く。ロサンゼルスに拠点を置く国際法律事務所『Withers』のスポーツとエンタメ部門の責任者であるマイケル・ルエダ氏は、米メディア『Sporting News』において「オオタニはアメリカだけのスーパースターではなく、世界的なスーパースターである」と明言。そして、「ドジャースにとって、無利息という点を含めてありとあらゆる条件が契約の助けになったはずだ」とし、メジャーリーグ史上最高の割合となった後払いにも見解を示した。

「一見すると、あの契約(後払い)は愚かで、間抜けで、もしくはクレイジーに聞こえるかもしれない。だが、あれは他の選手たちがいかにわがままなのかと示していて、それを理解するのに頭の体操も必要がない。だって、彼はチームロースターによりいい選手を加えるために、財政の柔軟性を与えただけなんだ。勝ちたいだけなんだ」

 さらにルエダ氏は「選手への支払い方は年々、より創造性を豊かになってきている」と指摘。昨年6月にMLS(メジャーリーグサッカー)の新興球団インテル・マイアミに電撃入団を果たしたアルゼンチン代表FWリオネル・メッシを引き合いに、大谷の契約が秘めるユニークさを論じている。

 そもそもメッシは、サウジアラビアの強豪アル・ヒラルからの年俸6億ユーロ(約900億円)のメガオファーを受けていた。しかし、インテル・マイアミは、球団の株価の一部を提供するとともに、MLSの放映権を持つApple社と、本人と長くパートナーシップを結んできたスポーツメーカーの『Adidas』社に出資を依頼。世界を驚かせた契約を実現させていた。

 こうした多角的なアプローチに言及したルエダ氏は、「オオタニの契約も単純な金銭だけでなく、より魅力的な要素がたくさん詰まっている」と指摘。ドジャースの持つ創造性を称えた。

「ドジャースのように、あれだけの契約を実行するだけのリソースと創造力があるチームが、そうしたオファーをやらない理由はないと思う。メッシやオオタニの契約はまさにその好例だ。彼らの契約は既成概念にとらわれない考え方の柔軟性も物語っている」

 世界的なトレンドとなった大谷のエポックメーキング契約。その反響は、スポーツビジネスの在り方をも変えるのかもしれない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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