アビスパ福岡DF三國ケネディエブス、独占インタビュー。ペッキア監督との出会い、ユーベU23参加の様子、CBとしての熱意を語る

1月16日(木)12時0分 FOOTBALL TRIBE

写真提供: ⓒ avispa fukuoka

アビスパ福岡のU-20日本代表DF三國ケネディエブスが、フットボール・トライブの独占インタビューに応じてくれた。

ナイジェリア人の父と日本人の母の間に生まれ、青森山田中学校にサッカー留学をした三國は、そもそもストライカーとして活躍していた。2015年全国中学校サッカー大会で5試合8得点を挙げ、大会の得点王に輝くとともに、優秀選手にも選ばれチームの優勝に貢献。

高校2年生の時にフォワードからセンターバック(CB)にポジションを転向すると、Jリーグのスカウトの評価が上がった。2019年1月に青森山田高校のメンバーとして第97回全国高等学校サッカー選手権大会優勝を経て、プロの世界に入る。

加入したアビスパ福岡では、ファビオ・ペッキア監督の元で2019年Jリーグ開幕戦からレギュラーとして試合に出場し、同年ポーランドで開催されたU-20ワールドカップ(5月23日〜6月15日)にも出場。先月にはユベントスU-23の練習(11月26日〜12月12日)に参加した。

このインタビューでは、プロデビューとなったアビスパ福岡での2019シーズン、ユーベU-23での練習参加の様子、そしてCBというポジションに対する想いについて聞きました。聞き手は、福岡でペッキア監督の通訳も務めていたダビデ・ウッケッドゥです。

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アビスパ福岡でのプロデビュー。井原氏に惹かれ、ペッキア監督に出会う

ダビデ(以下D):
まずプロになった経緯を聞かせてください。

三國(以下M):
高校3年生の2018年4月に、アビスパ福岡から初めて声をかけられました。その時は、井原正巳氏(現在柏レイソルのヘッドコーチ)がアビスパの監督でした。母校の青森山田高校のグラウンドにやってきたアビスパのスカウトに声をかけられた。7月に加入内定し、2019年から入団しました。

D:
どうしてアビスパに決めたのですか?

M:
「アジアの壁」と呼ばれるほどすごいセンターバックだった井原さんの元でなら、センターバックとして成長できると思ってアビスパを選びました。

D:
では、ファビオ・ペッキア監督になると知ってどうでしたか?

M:
監督交代のことを知ったのはその年の12月です。最初はイタリア人監督が来ると聞いて「しっかりコミュニケーションが取れるだろうか?」「彼の元ではディフェンダーとして成長できるのだろうか?」という不安がありました。

D:
実際にコミュニケーション問題はありましたか?

M:
はい、実際にありました。ファビオは通訳が隣にいない時も私に話かけてくれるのですが、その場では何を言っているのか全くわかりませんでした。なので、通訳を呼んでもう一度説明してくれるというパターンが多かったです。

D:
でもペッキア監督はあなたにポテンシャルを感じて、リーグ開始からずっとスタメンに使われていましたね。

M:
はい。開幕戦の自分のパフォーマンスの後(デビューのプレッシャーで自分のサッカーを見せられなかった)、ファビオはもう僕をスタメンには使ってくれないだろうと思っていました。なのに、その後もスタメンとして選ばれたので、成長して欲しいという思いが伝わってきました。面倒見良く尽力してくれた監督でした。

D:
ペッキア監督の元でやる気に繋がったきっかけはありますか?

M:
リーグが始まってまもなく試合のハーフタイムの時に「お前はやればできるんだから、もっと自信を持て!自信さえ持てばお前は大丈夫」と、声をかけられたんです。その時に、これほど信頼されているならやるしかないと思いました。

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結果が出なかったアビスパ福岡2019シーズン。ペッキア監督の帰国

D:
リーグが始まって、2019シーズンはなかなか結果が出ない試合が続きました。その時はどんな気持ちでしたか?

M:
最初にようやく勝利できたのは第5節のアルビレックス新潟戦でした。その時までは負けか引き分けが続いていて、チームの雰囲気がどんどん重くなっていた。僕は最年少だったのに試合に出させてもらっていて、それを先輩から言われることが多かったです。自分にとっては一番やりづらい時期でしたね。でも、新潟に勝利してから自信を持ってプレーできるようになったと思います。

D:
なかなか勝てない理由は何だったと思いますか?

M:
結果がついてこない時も結構いいサッカーができていたと思うんですよ。でも、やはり失点した時の守備の対応は課題でした。僕自身が失点に直接絡んでいて、そこを塞ぐことができれば少し違ったと思います。あとはシュートチャンス数の割に得点できなかったことですね。

D:
そしてやっとまとまりそうになったところに、ペッキア監督が自ら辞任してイタリアに戻りましたね。

M:
はい。その時、僕はワールドカップU-20に出場中で福岡にいなくて、朝起きたときにフロントからの連絡を受けて知りました。びっくりしました。僕は監督がファビオだったから試合に出させてもらっていたので、監督が変わったらその状況も変わると思いました。とは言っても、ファビオの元でチームがあまりいい結果を出せなかったことは事実なので、もしかしたら新しい監督が良い影響を与えるかなとも思いました。

D:
コーチであった久藤清一氏が監督になって、戦術やトレーニングのやり方も変わったと思いますが、実際にはどうですか?

M:
練習のやり方も試合のシステムも変わりましたね。練習に関してはファビオの時は密度の高い練習を短時間でこなす感じでした。久藤さんは、じっくり対人トレーニングを重視している感じでした。

D:
それでもやはり結果がなかなかついてこなかったのは、どうしてだと思いますか?

M:
チームとしてかみ合ってないことです。かみ合った時はすごく良い試合ができて得点も取れましたが、そういった試合が少なかった。守備に関しては4バックから3バックになって、それに慣れるのが難しかったです。

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イタリアでペッキア監督が指導するユーベU-23の練習に参加

D:
ペッキアは福岡からイタリアに戻ってユベントスU-23の監督になりました。そのユーベU-23の練習に参加することになったのは、ペッキアからのオファーだったのでしょうか?

M:
ただ代理人から、ファビオが指揮するユーベの練習に参加できると言われました。自分からというよりは、参加のチャンスを向こうからもらった感じです。

D:
どんな気持ちで臨みましたか?

M:
不安もワクワク感もありました。コミュニケーションは特に心配でしたね。僕はイタリア語ができないし、英語もそんなに得意ではない。イタリアに行く前に少しイタリア語の勉強を始めたのですが、時間があまりありませんでした。

ただ、気持ち的にはワクワク感の方が強かったです。やはりユベントスのような強いヨーロッパのチームで練習参加できるというのは、なかなかない話ですよね?そのチャンスをいただけたのは、本当に感謝しなければならないことです。

D:
イタリア語は難しかったですか?

M:
いえ、不思議なことに英語より理解できる感じがしました。イタリアに渡って実際に日本で学んだ言葉を使えたりもしました。日常生活で使う言葉より、ピッチ上で使う言葉の方をたくさん学んだ気がします。

よく使われた言葉は「Sali(DFラインあげろ)」、またはパスに対して「Forte(もっと強く)」、そしてボールをもらった時に「Girati(ターンして、前を見て)」です。

ただ、ルームメイトとのコミュニケーションが難しかったです。イタリアで暮らしていた寮の部屋は二人部屋でした。ユーベU-19のダニエル・レオ選手と同室で一緒にたくさんの時間を過ごしたんですが、彼とはあまり会話が通じなかったですね。

D:
福岡でのペッキア監督の練習と違いはありましたか?イタリアで学んだことはなんですか?

M:
ファビオの練習は日本にいた時と同じスタイルでした。イタリアで上達できたと思うことは4バックの守備の戦術です。クロスの対応とか、ラインを下げるタイミングとか、ファビオの指示はかなり細かかったので、戦術をより良く理解できたと思います。

写真提供: ⓒ avispa fukuoka

CBを選んだ理由と魅力。憧れの選手。今後の目標

D:
そもそも、なぜセンターバックを選んだのですか?

M:
センターバックになったのは高校2年の時で、その前はフォワードでした。高2になる前の春の遠征でフォワードとしてなかなか結果出せなくて、でも高2から注目浴びないとプロになるのは難しいと思いました。自分の身長とスピードを生かすためにはセンターバックしかないと思って、そのポジションでやることを決めました。

D:
実際にセンターバックになって、思っていたのと違ったことはありますか?

M:
奥深さを感じましたね。まずは集中力を切らせたら絶対にダメなポジションだということがわかりました。センターバックはディフェンスの要であって、ミスが許されないポシションです。僕はあまり集中力がないと昔から良く言われていて、集中力を切らせないことがセンターバックになる一番の壁でした。

D:
センターバックの魅力は何だと思いますか?

M:
自分の個人的な意見になるのですが、相手からボールを奪取したり、インターセプトしたりすることは魅力的です。特に体をぶつけて相手を吹っ飛ばすようなプレーができた時が気持ち良い。

D:
それを聞いて私の印象に残っているのは、去年開幕戦前のサガン鳥栖との練習試合で、フェルナンド・トーレスと三國選手がやりあったシーンです。アトレティコ・マドリード、リバプール、チェルシー、そしてミランでプレーした国際的なスター選手との勝負のことを教えてください。

M:
あれはすごく良い経験でした。フェルナンドは体がすごく強くて、体幹がしっかりしている。でもセンターバックは自分より格上の選手と勝負するときに気持ちが大事で、その時は気持ちで戦いに行った感じです。良いプレーができましたが、やはり緊張しましたね。

D:
参考にしている、または目標としているプレイヤーはいますか?

M:
センターバックになってからは、レアル・マドリードのセルヒオ・ラモスをずっと目指してきました。彼はセンターバックとしてチームを守りながら、ヘディングでたくさんの得点も決めている。かっこいいです。

また、最近はリバプールのフィルジル・ファン・ダイクにも憧れています。彼は対人守備にすごく強くて(2018年3月以来1年5ヶ月間一度もドリブル突破を許さなかった)、僕も彼のようなセンターバックになりたいと思うようになってきました。

D:
2020年になりました。今年の目標を教えてください。

M:
怪我をしないでスタメンとして全試合に出ること、そして公式戦で得点を決めることが今年の僕の目標です。監督も新しくなって全員ゼロからのスタートになるので、キャンプ時期から自分の年齢を気にせずに、自分がリーダーシップを取っていきたいと思います。

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