オーストラリアスーパーカー王者がインディカーをテストドライブ「首がねじ切れそう」
2020年1月17日(金)6時48分 AUTOSPORT web

2018年にフォード・ファルコンFG-Xで、2019年は新型マスタングでVASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカー連覇を果たしたスコット・マクローリンが、アメリカに上陸。フロリダ州セブリングで開催されたインディカーの新人評価テストに参加し、チーム・ペンスキーのマシンをドライブした。
オーストラリア大陸ではDJRチーム・ペンスキーのエースとして活躍し、2年連続でVASCシリーズチャンピオンに輝いた26歳のマクローリンは、タイトル獲得のご褒美という意味合いも兼ねて、チーム・ペンスキーのシングルシーター初体験の機会を獲得。
北米最速フォーミュラを操るチームのレギュラー、ウィル・パワー、シモン・パジェノー、ジョセフ・ニューガーデンらが見守るなかで本格的フォーミュラ初走行に臨み、興奮のひとときを過ごした。
「とにかく非現実的で、このクルマはまさに“野獣”だね。それらは全部、僕がつねに夢見ていたもので、ここへ来てシートに座ることを許し、ドライブする機会を与えてくれたロジャー(・ペンスキー代表)とチーム全員に感謝したい」と、初体験の喜びを語ったマクローリン。
「初走行ではあったけど、今日は141周ものラップをこなすことができた。今は首がメチャメチャ痛くてねじ切れそうなほどだよ(笑)。でも、最後まで死力を尽くしてロングランを敢行し、マシンに関するすべての感触を得ることができたと思う」
「全開アタック領域に踏み込んだ予選シミュレーション、レースペースの確認、ロングランでのドロップ、燃費走行と消費量の相関、そしてピットアウトを含めた作業確認など、本当にクールな出来事の連続だったよ」
ニュージーランド出身のマクローリンにとって、これまででもっとも速いシングルシーター経験はフォーミュラ・フォードだったが、かねてからアメリカでのレースに興味を示しているダブルチャンピオンは「今回のテストを経て、さらにここで走る機会が増えることを願っている」と続けた。
「僕の手の内にさらなるグリップがあって、それを信頼するべきだということを学んだのが、おそらく今日最大の収穫だった。過去10年間、スーパーカーをドライブしてきた習慣から抜け出すのは、ものすごく困難な作業だった」
「でも、このマシンでコーナーに飛び込むと、数百ポンドのダウンフォースが異次元のコーナーリング速度を実現してくれる。本当にクールでエキサイティングな体験だったよ」
「願わくば、また次の機会があることを望んでいる。まだ何とも言えないけれどね。今回の経験を心から誇りに思うし、インディカーこそ、僕の“やりたいことリスト”の間違いなく最大の目標になった」
「そして(インディ500で4勝の)伝説的ドライバーであるリック・メアーズや、ペンスキーのドライバーたち、そして40名のチームクルーの存在に心から感謝したい。とくにシモン(パジェノー)は、僕が望む方向に進みたいと思ったとき、どんなふうにフィードバックすべきかについてアドバイスをくれて、それが最後まで本当に大きな助けになったんだ。とにかく今は、圧倒的な達成感で一杯だ」