「このまま甘えていていいのか」転機を迎えた福住仁嶺がチーム移籍で見据える“レベルアップ”

2022年1月17日(月)11時46分 AUTOSPORT web

 2021年、スーパーフォーミュラ初勝利を含む2勝を挙げ、ランキング2位となった福住仁嶺。次なるチャンピオン候補との呼び声もいよいよ高まるなか、1月14日に行われた2022年ホンダモータースポーツ参戦体制発表会でアナウンスされたのは、Threebond Drago CORSEへの移籍だった。


 ホンダ勢のトップチームであるDOCOMO TEAM DANDELION RACINGから、今季参戦3年目を迎える新興チームへ──。「この機会を、チャンスだと思っている」という福住に、その訳を聞いた。


 スーパーフォーミュラ・フル参戦3年目となった2021年シーズンを、福住は「いろいろと成長できたし、今後のレース人生を大きく変えるための一年だった」と振り返る。


 第1戦から表彰台に登り、翌戦には初めてのポールポジションを獲得。決勝ではタイヤバーストにより勝利を逃しはしたもの、速さと強さを見せた。第4戦SUGOでは5番グリッドから悲願の初優勝を達成。最終戦でも「運にも恵まれながら」(福住)勝利を飾り、シーズン2勝を挙げてランキング2位でシーズンを終えていた。


 そんな転機となる年ではあったものの、タイトルには手が届かなかったこともあり、「あまり高い点数をつけることはできません」とも口にする。チーム所属3年目で目標が達成できなかった福住は、移籍を決断することになった。


「3年間DANDELIONさんで走らせてもらって、3年目でもタイトルを獲ることができなかった。このままこのチームにいて、自分は甘えていていいのか、という思いもありました。自分が今後レースをやっていくなかで絶対的に必要とするものは、まだまだいっぱいあると思っています。そこで、レベルアップに向けて何かできることはないかという自分自身の思いがあって、こういう決断に至りました」


 2016年と2017年にGP3、2018年にFIA F2を戦った福住。2018年にF2と並行しTEAM MUGENからスポット参戦していたスーパーフォーミュラでは、国内復帰/フル参戦初年度となる2019年から、DOCOMO TEAM DANDELION RACINGで戦ってきた。


 スーパーフォーミュラでのトップチームであるDOCOMO TEAM DANDELION RACINGにおける自身について、「どちらかと言うと『乗せてもらっていた側』だったと思っています」と福住は表現する。


「そこを(Threebond Drago CORSEへの移籍で)まずは自分の力でクルマを仕上げていくという部分で新たな収穫があると思いますし、いろいろと自分の思いどおりにできると思います。自分としてはこの機会をチャンスだと思っているので、頂いたチャンスを結果につなげられるようにしたい」


 Threebond Drago CORSEは今季、スーパーフォーミュラ3年目のシーズンを迎える。これまで、コロナ禍の影響を受けドライバーを固定して戦うことができずにきており、また1台体制という部分ではマシンを仕上げるための“基礎”が2台体制のチームよりも劣ってしまう印象が拭えないが、福住はそこもポジティブに捉えている。


「1台体制だとデータの収集という面では遅れてしまうかもしれませんが、2台体制のチームでも、2台のクルマが同じようなフィーリングをしているわけではないと思います。そう考えれば、1台体制がそこまで不利ということもないと思っていますし、1台ならチーム全員が集中して、もっと緊張感を持ってできるかもしれません」


 福住をカート時代から知る道上龍監督の存在も、もちろん助けになりそうだ。


「道上さんがトップフォーミュラに乗っていた頃といまではいろいろと違うので、もしかしたら意見の食い違いなどが出てくる可能性はありますが、僕としは昔から知っている人と一緒にできるのは楽しみです。もちろん、そのなかでもちゃんと緊張感を持ってできるとは思うので、僕としてはとても楽しみな一年ですね」


 新たな環境に目を輝かせる福住。当面の目標は、チームを初優勝へと導くことだ。

1月14日に発表された、2022年のホンダ国内4輪トップカテゴリーの参戦ドライバーたち

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