ワークス破りの大金星。トヨタ使いのプライベーター、アル・ラジが初の総合優勝【ダカールラリー2025】

2025年1月17日(金)17時41分 AUTOSPORT web

 1月16日、サウジアラビアを舞台に開催されている2025年W2RC世界ラリーレイド選手権の開幕戦『ダカールラリー2025』の最終ステージ12が行われ、オーバードライブ・レーシングのヤジード・アル・ラジ(トヨタ・ハイラックス・オーバードライブ)が総合優勝を飾った。2輪部門では、レッドブルKTMファクトリーレーシングのダニエル・サンダース(KTM450ラリーファクトリー)が総合優勝を果たしている。


 1月3日に南部のビシャにて開幕した第47回ダカールラリーは、サウジアラビア国内を北上してハイルの街へたどり着くと、大会後半には首都リヤドへと折り返し、終着点の国内東部シュバイタへと走り渡るスケジュールをこなした。


 4輪部門にて、各自動車メーカーのプロトタイプマシンが集うアルティメットクラスでは、大会前半から、優勝経験者のカルロス・サインツ(フォード・ラプター)や、WRC世界ラリー選手権で9度の王者を誇るセバスチャン・ローブ(ダチア・サンドライダー)が転倒を喫して早々にリタイア。


 さらにダカールラリーを5度制覇したナッサー・アル-アティヤ(ダチア・サンドライダー)もタイヤトラブルで優勝戦線から脱落するなど、波乱の展開となっていた。そんななか、6台のGRダカール・ハイラックスEVOを走らせるトヨタ・ガズー・レーシング(TGR)は陣営内の各選手がそれぞれステージウインをあげる安定した活躍で大会をリード。


 そして、トヨタ・ハイラックスを使うプライベーターのオーバードライブ・レーシングのエースであるヤジード・アル・ラジ(トヨタ・ハイラックス・オーバードライブ)も好走を見せ、終盤にかけての総合優勝争いはTGRのヘンク・ラテガンとオーバードライブ・レーシングのアル・ラジによる一騎打ちとなった。


 ふたりの争いは、最終日が近づいてくる緊迫した状況でもさらなるヒートアップを見せ、毎日のように順位を入れ替えながら迎えたステージ11では、アル・ラジが主導権を握って6分11秒のリードを築いた。


 こうした状況で迎えた最終ステージ12は、シュバイタの街周辺を舞台とした『シュバイタ〜シュバイタ』全131km(ステージ61km/リエゾン70km)が実施され、午前10時よりアタックを開始した。


 わずか61kmのステージながら、追うラテガンは19km、42km地点でアル・ラジよりも早いタイムを刻み、一縷の望みに賭ける走りを見せたが、追い抜くまでには至らず。


 安全なペースで最終ステージを走破したアル・ラジがリードを守り切り、自身初のダカールラリー制覇を果たした。総合2位にラテガンが続いたことで、トヨタ勢としてはワン・ツーフィニッシュを達成。総合3位には、新葉を投入したフォードMスポーツのマティアス・エクストローム(フォード・ラプター)が入っている。

ヤジード・アル・ラジ(トヨタ・ハイラックス・オーバードライブ) ダカールラリー2025
ヘンク・ラテガン(GRダカール・ハイラックスEVO) ダカールラリー2025


 一方、4輪部門よりも早い午前8時にスタートが切られた2輪部門では、9分のリードを保って最終ステージを迎えたサンダース(KTM)が最終日を堅実に走破。


 首位タイムをマークした3日のプロローグから、大会終了までつねに総合首位の座を守り続け、自身初の総合優勝を飾った。


 総合2、3番手には、モンスターエナジー・ホンダHRCのトーシャ・シャレイナとエイドリアン・ファン・べベレン(ホンダCRF450ラリー)が入り、日本車2台が総合での表彰台を獲得した。



ダニエル・サンダース(KTM450ラリーファクトリー) ダカールラリー2025


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