羽生結弦が「影の大みそかMVP」とテレビマンが語る理由

2023年1月17日(火)19時56分 ココカラネクスト

(C)Getty Images

 数字が良くも悪くも話題になる。それこそ「紅白歌合戦」が別格となる理由でしょうか。

 昨年の大みそかに放送された「第73回NHK紅白歌合戦」について、視聴率は史上ワースト2位の35・3%(第2部・ビデオリサーチ調べ・関東地区)にとどまり、ネットメディアを中心に様々な考察がなされています。

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 若者のテレビ離れ、スマホを中心としたネットへの移行、記事の中には「紅白はオワコン」といった厳しい論調も見受けられます。

 これに対して真っ向から異を唱えるのは、90年代からテレビ業界の第一線を生き抜いてきた50代のプロデューサーです。

「本音を言えば、じゃあ今35%を取れる番組って何があるのかって話ですよ。サッカーのW杯か五輪、野球のWBCぐらいでしょ。こんなにスマホが普及されていて、見たいものがすぐに見られる世の中なのに、それでも35%を取れる紅白って、やっぱり異次元なわけです」

 そして、こう続けるのです。

「マスコミの厳しい筆致とは対照的に、今回は視聴者の満足度が高かったとNHK内でも評判になっています。まさに『みんなでシェア』のかけ声通り、見た人がツイッターなどで感想を共有し、スポーツ紙のネット班がその声を即座に速報して、それもまたバズる、というサイクルが機能したようです。中でも司会を務めた橋本環奈の堂々とした進行ぶりには称賛の声が集まり、MVPとの声が高まりました。さらに業界内では『ゲスト審査員の羽生結弦さんの“ある行動”が『影のMVP』ではないかという声もあるんです」

 それはなぜでしょうか。スポーツ紙の芸能記者は言います。

「同じくゲスト審査員として出演した黒柳徹子さんが、序盤の感想を聞かれると、マイクではなくペンライトを手にしてしまうハプニングがあったんです。放送事故にもなりうるだけに、番組関係者が凍り付いたのは想像に難くありません。しかし、ここで隣に座っていた羽生さんが瞬時にマイクを差し出し、事なきを得ました。徹子さんは黒柳は『全部この方にやっていただいてね』と羽生さんに語りかけると、羽生さんは満面の笑みで返した。これって、なかなかできることじゃないですよ。温かく、微笑ましいやりとりは即座にネットニュースになり、まさに『みんなでシェア』を地で行くことになったわけです」

 前述のテレビ関係者もこう証言します。

「『時の人』だけに、羽生さんはテレビに『抜かれる』シーンも多かったわけですが、多忙なスケジュールにもかかわらず心からそのステージを楽しんでいるのが印象的だった。彼の『陽の力』は絵としても強い。つられるように序盤は緊張気味だったゲスト審査員も顔がほころび、和やかな空気が醸成されていったわけです」

 たかがゲスト審査員、されどゲスト審査員。好アシストには称賛の声が相次いでいます。そして、スポーツ記者はこう結ぶのです。

「聡明な羽生さんのことです。2月26日には史上初の東京ドーム公演を控え、プロデューサーとしての手腕にも注目が集まります。一年のエンタメの総決算を至近距離で目撃しながら、自らのステージにどう還元するか、思いを巡らしていたとしても不思議ではないでしょう」

 2023年は大きな足跡を残しそうな予感が漂う羽生さん。その一挙手一投足に人々の熱視線が注がれそうです。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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