【素朴なギモン】なぜ慶應は箱根駅伝から遠ざかるのか

2023年1月20日(金)16時23分 ココカラネクスト

※写真はイメージです (C)Getty Images

 学生スポーツ界の「最強コンテンツ」は今年も健在でした。

 1月2、3日に行われた箱根駅伝です。ビデオリサーチの調査によれば、2日の往路は27・5%、3日の復路は29・6%の高視聴率。往復の世帯平均視聴率(関東地区)は28・6%で、歴代6位でした。

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 スポーツ紙のデスクが言います。

「スマホがこれほど普及し、『テレビ離れ』が叫ばれている中でこの高視聴率ですから、別格といえるでしょう。時期的にも受験生が志願先を決めるタイミング。大学名が連呼されれば宣伝効果は絶大で、受験料収入に直結する。『費用対効果』を考えても、他のスポーツにおカネをかけるより、駅伝強化は大学経営にとって理にかなった方策とも言えるのです」

 新年早々、オフィスでの話題は各大学のOB・OGによる箱根駅伝の話題で持ちきりです。そんな中、元気がないのが普段は母校愛をアピールしまくる慶應義塾大の卒業生。「蚊帳の外」を余儀なくされてしまいます。

 慶應は何故、箱根路から遠ざかってしまったのでしょうか。慶應関係者が言います。

「そもそも慶應は第1回大会に出場した4校のうちの1つで“オリジナル4”とも言われる伝統校です。32年の大会では総合優勝しています。しかし、各校が強化に乗り出して以降はなかなか出場がかなわず、94年大会の19位を最後に出場できずにいるんです」

 その理由として同校OBは、各校の激化するスカウティング合戦が背景にあると言います。

「箱根駅伝を走るランナーのほとんどが、高校時代から名門校の有望選手として名を挙げた男たち。彼らは高校3年の早い段階で大学からスポーツ推薦の合格が通達され、心置きなく練習に打ち込めます。一方、慶應の入試はそうはいかない。スポーツ推薦はありませんから、AO入試や指定校推薦、一般入試に一縷の望みをかけるしかないわけです。かつてはあの『怪物』こと作新学院・江川卓を落としたことも有名ですし、最近でも今年のWBC日本代表に内定した中日の高橋宏斗投手が中京大中京時代、慶應の入試に落ちてプロ志望届を提出したところ、中日にドラフト1位指名されたことがあった。『ウチに入るのはドラ1でプロに指名されるよりも難しいのか』とOB連中はうれしいやら、悲しいやらですよ」

 しかし、近年は強化へと本腰を入れ、慶應内でも箱根復帰への期待感は高まっていると前述のOBは言います。

「2017年の4月からは、日本体育大学のOBで日清食品グループでも名を馳せた保科光作さんを招聘し、現在はヘッドコーチで指導に当たっています。今年も関東学連選抜では10区で貝川裕亮選手が走り、沿道からはひときわ大きな声援が送られました。我々は決してあきらめていません」

 来年は100回大会を迎える箱根駅伝。陸の王者の復活はなるか、多くの卒業生が熱視線を注いでいます。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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