アビスパ福岡の今冬補強を評価。各ポジションに楽しみな新戦力がずらり!
2025年1月20日(月)14時0分 FOOTBALL TRIBE

2023シーズンはYBCルヴァンカップを制し、クラブ史上初となるタイトルを獲得したアビスパ福岡。リーグ戦も過去最高となる7位で終え、さらなる飛躍を期待された中で昨2024シーズンを迎えていた。しかし、夏の11戦未勝利などの影響もあって勝ち点が伸び悩み、最終的に12位でシーズンを終えた。
そんな福岡では、5年にわたってチームを率いた長谷部茂利監督が昨シーズンをもって退任。昨季まで町田ゼルビアのヘッドコーチを務めていた金明輝氏が監督へ就任することとなった。もちろん監督だけでなく、選手たちにも動きは出ている。残念ながらチームの中心となっていた選手の流出もあったが、新たに加わる中にも期待十分な選手が多くいる。ここでは、今冬の福岡の補強について各ポジションごとにA〜Eの5段階で評価していく。
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GK(ゴールキーパー)/DF(ディフェンダー):評価B
IN
- GK小畑裕馬(ベガルタ仙台より完全移籍)
- DF橋本悠(福岡大学より加入)
- DF上島拓巳(横浜F・マリノスより完全移籍)
- DF安藤智哉(大分トリニータより完全移籍)
- DF志知孝明(サンフレッチェ広島より期限付き移籍)
OUT
- GK坂田大樹(柏レイソルへ完全移籍)
- DFドウグラス・グローリ(契約満了)
- DF森山公弥(愛媛FCへ期限付き移籍)
- DF宮大樹(名古屋グランパスへ完全移籍)
- DF亀川諒史(レノファ山口へ完全移籍)
昨季はリーグでも4番目に少ない38失点と堅守を誇った福岡。37試合とほぼ全試合に出場したDF田代雅也を中心に安定感を見せた守備陣だが、今冬は主力の中からもチームを離れる選手が出ている。2020シーズンに福岡へ加入して以降守備の中心選手として多くの試合に出場し、前を向かせない厳しいチェックなどで相手の攻撃を食い止めてきたDFドウグラス・グローリが契約満了で退団。また、左利きのセンターバックであるDF宮大樹も名古屋グランパスへ移籍となっており、強固な守備陣に綻びが生じないか影響が懸念される。
しかし、新加入選手に目を向けるとそんな懸念もある程度は払拭できそうだ。注目は横浜F・マリノスから5年ぶりに福岡復帰となるDF上島拓巳。チームを離れた宮やグローリに勝るとも劣らない競り合いの強さを持ち、新たに最終ラインの一角を担う選手として期待できる。また、大分トリニータから加入のDF安藤智哉も190cmの高さを誇り空中戦で圧巻の強さを発揮する。さらに、サイドの選手ではDF志知孝明が3年ぶりに福岡復帰となっており、攻撃面でも楽しみな戦力が加わった。
堅い守りを維持するために重要な守備陣。流出した選手たちの貢献度の高さからその影響は決して小さなものではないだろう。しかし、彼らに代わり新たに加わる選手たちも強さや高さを備えており、同様の役割を十分に期待できる。加えてサイドにはよりチャンスに絡める頼もしい選手が帰還し、攻守に効果的な補強が図れたと言えることから評価を「B」とした。

MF(ミッドフィールダー):評価B
IN
- 見木友哉(東京ヴェルディより完全移籍)
- 名古新太郎(鹿島アントラーズより完全移籍)
- 秋野央樹(V・ファーレン長崎より完全移籍)
OUT
- 前寛之(町田ゼルビアへ完全移籍)
- 平塚悠知(ヴァンフォーレ甲府へ完全移籍)
中盤も守備陣と同様に失った戦力も大きいが代わりに得た新戦力も大いに楽しみなものとなっている。2020シーズンの加入以来、変わらずチームの心臓として長谷部体制を支え続けた前寛之が昨季躍進した町田ゼルビアへと移籍。中盤での守備や冷静なパス捌きなど、複数の役割を高いレベルでこなしてきた選手なだけに流出の影響は計り知れない。
それでもなお、戦力ダウンと見るのには早計だと言える要因が新加入選手たちの顔ぶれ。キックの精度や前線からの守備など技術と献身性を兼ね備える名古新太郎、質の高いラストパスで決定機を作り出せる見木友哉といった選手たちをJ1クラブから獲得。さらにJ2からも、昨季リーグ戦を3位で終えたV・ファーレン長崎でキャプテンを務めた秋野央樹を加え穴埋めとするには十分な選手たちを得たと言えよう。
MF前の流出は間違いなく痛手だが、新たなチームの心臓となるに足る選手を複数得られたことも事実であることから評価を「B」とした。

FW(フォワード):評価B
IN
- サニブラウン・アブデル・ハナン(ユースからトップ昇格)
- 前田一翔(ユースからトップ昇格)
- 藤本一輝(町田ゼルビアより完全移籍)
OUT
- 鶴野怜樹(愛媛FCへ期限付き移籍)
- 佐藤凌我(ジュビロ磐田へ完全移籍)
攻撃陣には新たな武器が加わる。昨季より町田ゼルビアへ加入し、途中出場も多いながら36試合と多くのゲームに絡み3ゴール3アシストと活躍した藤本一輝を獲得。敵陣深くまで抉っていくドルブルやスピードを活かした背後への飛び出しが持ち味で180cmと高さもあることから、現在所属する攻撃陣とはまた違った特徴のある選手と言えよう。
その一方で、残念ながら流出してしまった選手もいる。2023シーズンに加入し、昨季は21試合に出場して2ゴールをマークした佐藤凌我がジュビロ磐田へと移籍。
前線の選手では、昨季期限付きで加入したシャハブ・ザヘディが完全移籍となったことで、佐藤の流出こそあったものの主力の流出阻止は成功といっていい。そこに町田より高さ、速さ、突破力を持つ藤本が加わることで、さらに相手チームにとって脅威の攻撃陣が形成されるだろうことから評価を「B」とした。