日本代表どこよりも早い採点、森保一監督まとめ(1)。U-21を率いた18年アジア大会の評価は?

1月20日(月)7時0分 フットボールチャンネル

アジア競技大会・GL3試合

 森保一監督の日本代表と五輪代表チームの兼任が発表されてから、約1年半が経過しようとしている。AFCアジアカップ2019では準優勝とまずまずの成績を収めていたが、今年最初の公式戦となったAFC U-23選手権(東京五輪アジア最終予選)では、まさかのグループリーグ未勝利に終わり、最下位で大会を去るなど、森保監督への評価は時間が経つごとに低下している。非常に厳しい状況だ。今回は、フットボールチャンネルでお馴染みとなっている「どこよりも早い採点」から、森保監督これまでの歩みを振り返っていく。第1回は2018年に開催されたアジア競技大会(U-21日本代表)。

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【U-21日本代表 1-0 U-23ネパール代表 アジア競技大会グループリーグ第1節】

 日本サッカー協会(JFA)は昨年7月26日、日本代表の新監督に森保一氏が就任することを発表。同指揮官は2017年に2020年東京五輪代表監督にも就任していたが、そちらを手放すわけではなく、「兼任」という形でA代表も率いることになった。A代表と五輪代表の兼任は、フィリップ・トルシエ氏に次ぐ2人目である。

 その森保監督にとって、兼任監督就任後初となる試合が昨年8月14日に行われたアジア競技大会のグループリーグ第1節、U-23ネパール代表戦であった。

 格下相手に大量得点を奪うことが期待されていた森保ジャパンは、試合開始早々に先制ゴールを奪う。7分、右サイド高い位置でボールを持ったMF渡辺皓太のパスにMF長沼洋一が反応。同選手からの折り返しをMF三笘薫が流し込んだ。

 しかし、その後は攻撃陣が停滞し、得点を奪うことができず。結局、試合は1-0のまま終了している。この試合の森保監督の採点は以下の通り。

森保一監督 5 大量得点の欲しい展開だったが、膠着した流れを変える具体策を提示できなかった

【U-21日本代表 4-0 U-23パキスタン代表 アジア競技大会グループリーグ第2節】

 森保一監督は、U-23ネパール代表戦からメンバーを8人変更している。先発にはFW岩崎悠人やMF神谷優太、FW前田大然といった選手が名を連ねた。

 試合は開始から間もなくして大きく動く。2分、DF岡崎慎のロングフィードに抜け出した岩崎が相手GKとの1対1を制して先制ゴールを奪取。9分にはDF大南拓磨のクロスをペナルティエリア内で受けたFW旗手怜央が胸トラップから左足を振り抜き2点目を挙げた。さらにその1分後には、旗手のスルーパスを受けた前田が左足でゴールネットを揺らす。森保ジャパンはわずか10分間で3得点を奪ったのである。

 35分には、旗手のパスを受けた岩崎が相手DFを交わしてこの日自身2点目を奪取。前半からエンジン全開で挑んだ森保ジャパンは、4-0で45分間を終えている。

 後半は追加点を奪うことができなかったが、守備陣は失点を許さず4-0で勝利。決勝トーナメント進出を決めた。この試合の森保監督の採点は以下の通り。

森保一監督 6 初戦で出た課題に対する解決策をピッチ上に落とし込み2連勝に導いた

【U-21日本代表 0-1 U-23ベトナム代表 アジア競技大会グループリーグ第3節】

 グループ2連勝同士の対決となったこの試合は、立ち上がりの3分に動く。ショートカウンターから最後はクゥワン・ハイがゴールを決め、U-23ベトナム代表がゴールした。

 その後も相手のハイプレスに苦戦した森保ジャパン。パスを繋ごうにも相手の素早いアクションに対し何もできなくなり、全体の勢いが完全に失われていた。試合中の修正力もなく、前半はシュート数わずか1本。後半はシステム変更で一時は流れを取り戻したものの、最後までゴールは遠かった。

 0-1で敗れた森保ジャパンは、グループリーグ2位で決勝トーナメントへ。課題が浮き彫りとなった試合だった。この試合の森保監督の採点は以下の通り。

森保一監督 5.5 ベトナムに力の差を見せつけられた。システム変更は流れを変えたがゴールにつながらず

アジア競技大会・決勝T1回戦 U-23マレーシア戦

【U-21日本代表 1-0 U-23マレーシア代表 アジア競技大会決勝トーナメント1回戦】

 第3節のU-23ベトナム代表戦に敗れ、グループリーグ2位で決勝トーナメント行きを決めたU-21日本代表。そんな同チームが決勝トーナメント1回戦で激突したのは、U-23マレーシア代表であった。

 U-23マレーシア代表は、グループリーグでU-23韓国代表を撃破するなど、着実に力をつけていたチーム。森保ジャパンにとっては当然侮れない相手であり、いつも以上に集中して試合に挑むことが求められた。

 劣悪なピッチコンディションによる影響もあり、U-21日本代表はロングボール主体にFW岩崎悠人やFW前田大然らのスプリント力を生かした攻撃を展開。何度か決定機も訪れた。

 しかし、チャンスをことごとく逸すると、流れは次第にU-23マレーシア代表へ。FWサファウィ・ラシドを中心に攻撃を組み立ててくる相手を前に、森保ジャパンの守備陣は後手に回ってしまう。83分にはラシドがペナルティエリア手前から左足でシュート。これがポストを直撃するなど、U-21日本代表はピンチを招いた。

 それでも、終盤にビッグチャンスが訪れる。90分、MF渡辺皓太のスルーパスに抜け出したFW上田綺世がペナルティエリア内でタックルを仕掛けられ、転倒。U-21日本代表にPKが与えられたのである。

 これをファウルを受けた上田がきっちりとゴールへ流し込み、土壇場で先制ゴールを奪取。試合はそのまま終了し、U-21日本代表はベスト8へと駒を進めることになった。

 ただ、シュート数では相手を下回り、不用意なパスミスも散見されるなど、課題が山積みとなっていたのも事実。白星を掴み取ったのは評価すべきであるが、内容面では不安を残した。この試合の森保一監督の採点は以下の通り。

森保一監督 6 シンプルなロングボールを戦術に組み込んだ。苦しんでいた上田にも信頼を示す

アジア競技大会・準々決勝 U-21サウジアラビア代表戦

【U-21日本代表 2-1 U-21サウジアラビア代表 アジア競技大会準々決勝】

 苦しみながらも決勝トーナメント1回戦を勝ち切ったU-21日本代表が準々決勝で対戦したのが、U-21サウジアラビア代表だった。

 ポゼッションの日本、カウンターのサウジアラビアという構図で進んだ試合は、前者が先手を取る。左サイドのDF杉岡大暉が前線へグラウンダーのパスを送る。これを受けたFW前田大然がFW岩崎悠人へ落とすと、ボールを受けた同選手が右足でシュート。これがゴール左上に決まり、1点をリードした。

 それまではショートパス主体で攻撃を組み立てていたU-21日本代表だったが、このシーンでは相手の守備陣の間延びを狙うなど、隙を見て戦法を変えた。一つの「成長」と言っていいだろう。

 しかし、先制ゴールから8分後にU-21日本代表はオウンゴールで失点。試合を振り出しに戻された。前半はこのまま1-1で終了している。

 後半は一進一退の攻防が続き、お互いに何度かチャンスも作った。しかし、追加点は両者ともに生まれず、時計の針は進んでいった。

 そんな中、U-21日本代表が再び試合を動かした。73分、MF遠藤渓太が蹴ったロングボールがペナルティエリア手前左にいた前田へ。同選手はドリブルでエリア内に侵入すると、グラウンダーのパスをマイナス方向へ送る。最後は岩崎が右足のインサイドで合わせネットを揺らした。

 こうして勝ち越しに成功した森保ジャパンは、試合終盤こそU-21サウジアラビア代表の猛攻に遭うものの、守備陣が粘り強く対応し、追加点を許さず。試合は2-1で終了し、U-21日本代表がベスト4進出を果たした。

 攻め込まれる時間帯もあったが、攻守両面でポジティブな内容を多く残した森保ジャパン。一戦ごとに着実に進化している様子が伺えた。この試合の森保一監督の採点は以下の通り。

森保一監督 6.5 後半は交代カードを積極的に切るが、チームの勢いを途切れさせなかった

アジア競技大会・準決勝 U-23UAE戦

【U-21日本代表 1-0 U-23UAE代表 アジア競技大会準決勝】

 勝てばアジア競技大会での銀メダル以上が確定するという重要な一戦。U-21日本代表が激突したのは、U-23UAE代表であった。

 U-23UAE代表は、守備時に4バック+両サイドハーフを合わせた「6バック」で森保ジャパンに対応してきた。U-21日本代表はそんな相手の堅守を崩そうと、MF遠藤渓太らがサイドから果敢にドリブルを仕掛ける。しかし、中央の守備はやはり分厚く、なかなか得点を奪うことができない。

 前半を0-0で終えた森保ジャパンは、後半もゴールへの活路を見出せないままでいた。時間だけが過ぎていき、選手の疲労も徐々に溜まってきた。

 そんな中、森保一監督が動く。64分、FW旗手怜央に代え、FW上田綺世を送り出したのだ。結果的に、この交代策が後の運命を分けることになる。

 上田はピッチに立った直後、FW前田大然の好機を演出するなど大きく躍動。U-21日本代表の攻撃を加速させた。そして78分、MF渡辺皓太が相手からボールを奪うと、素早く上田へパス。ボールを受けた同選手は巧みなボールコントロールで前を向くと、ペナルティエリア中央からシュートを放つ。これがクロスバーに当たってゴールイン。森保ジャパンが待望の先制ゴールを奪った。

 その後はU-23UAE代表に攻め込まれた森保ジャパン。しかし、守備陣は粘り強く対応し、相手に得点を許さず。試合はこのまま1-0で終了し、U-21日本代表が決勝進出を果たした。

 上田投入により、試合の流れは大きく変わったと言える。実際に同選手の得点が、運命を分けることになった。このあたりは、上田をピッチに送り出した森保一監督の采配が光ったと言えるだろう。この試合の森保監督の採点は以下の通り。

森保一監督 6.5 上田を途中起用した采配が的中。銀メダル以上が確定

アジア競技大会・決勝 U-23韓国戦

【U-21日本代表 1-2 U-23韓国代表 アジア競技大会決勝】

 アジア競技大会での金メダル獲得に、あと一歩と近づいた。運命のファイナルで激突したのは、U-23韓国代表だ。同大会の決勝で日韓戦が行われるのは、これが初めてのこととなった。

 U-23韓国代表は、今大会での優勝が絶対条件であった。金メダルを獲得できれば、兵役免除を勝ち取ることができるからだ。U-21日本代表戦でも、FWソン・フンミン、FWファン・ヒチャンらが先発に名を連ねるなど、全力で挑んできた。

 試合は前評判通り、U-23韓国代表が一方的に攻める展開が続いた。ソン・フンミン、ファン・ヒチャンらが抜群の連係を発揮し、U-21日本代表は何度もゴールを脅かされる。得点こそ与えなかったが、苦しんだまま前半を終えた。

 後半は運動量が落ちた相手に対し森保ジャパンが攻める時間を多く作るも、決定機を生み出すまでには至らず。一方でU-23韓国代表も決定機を決め切れず、無得点。結局、90分間の戦いは0-0で終えることになった。

 しかし、延長戦で試合は大きく動き出す。93分、DFキム・ミンジェからの縦パスをフリーで受けたソン・フンミンが中央にカットインすると、後方から飛び出してきたMFイ・スンウが左足でシュート。これがゴールネットに突き刺さり、1-0となった。

 さらにU-23韓国代表は101分にもセットプレーからファン・ヒチャンがゴールを奪う。U-21日本代表は0-2と大きくリードされた。

 森保ジャパンは延長後半に上田綺世が1点を返したものの、同点に追いつくには至らず。金メダル獲得への思いが強かったU-23韓国代表に、屈することになった。力の差は明らかだったと言える。

 森保ジャパンは有終の美を飾ることはできなかった。この試合の森保監督の採点は以下の通り。

森保一監督 6 交代カードの切り方がとにかく難しい展開。最善の手は打った

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