森保一監督「反省ばかりが出た試合…」も選手の姿勢は評価 後半開始から冨安投入の意図も明かす

2024年1月20日(土)2時22分 サッカーキング

日本代表森保一監督[写真]=Getty Images

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 AFCアジアカップカタール2023・グループDの第2節が19日に行われ、日本代表はイラク代表に1−2で敗れた。試合後、日本代表の森保一監督がメディア取材に応じた。

 試合は立ち上がりの5分、日本代表は右サイドからのクロスボールをGK鈴木彩艶(シント・トロイデン/ベルギー)が弾くも、こぼれ球をアイマン・フサインに押し込まれ、先制を許す。前半のうちに立て直せずにいると、アディショナルタイムには再び右サイドからのクロスボールでフサインに追加点を決められた。後半アディショナルタイムには旗手怜央(セルティック/スコットランド)の蹴った左コーナーキックからキャプテンの遠藤航(リヴァプール/イングランド)がヘディングで1点を返したものの、反撃はここまで。1−2で敗れ、今節で決勝トーナメント進出は決められなかった。

 試合後、ミックスゾーンで取材に応じた森保一監督。試合を振り返り、あらためて前半の立ち上がりと終了間際の失点について悔しさを滲ませた。

「試合の入りから、選手がよりアグレッシブにプレーできるように、環境づくりをしっかりしないといけないという反省ばかりが出た試合になりました。勝っていくためには、前後半の入りと終了間際のところをどうコントロールして、プレーを選択するか(が大事になってくる)。特に1失点は仕方ないとしても、2点目の失点が非常に大きく今日の試合に影響したと思いますので、勝つために、たとえ1失点してもなんとか2失点しないようにしていかないといけないと思います。1点目も相手にパワーがあって、早めに圧力をかけてくることは分かっていましたし、スタジアムの雰囲気が我々にとって完全アウェイで、スタートから相手に勢いを与えてはいけないことは、分かっていました。そのなかで、抑えきれなかったことは、戦術的なところもそうですが、相手のやりたいことを跳ね返せる力をつけないといけないと感じました」

 前半を0−2で折り返し、ハーフタイムへ突入。森保監督は後半開始から、ケガの影響で第1節のベトナム戦を欠場していた冨安健洋(アーセナル/イングランド)をピッチへ送った。冨安を投入した意図について、森保監督はこう説明する。

「トレーニングには完全合流しているので、試合の中で起用したいと思っていました。先発ではなかった理由は、もし、うまく選手交代ができなくて、フルタイム出ることになったときのダメージを考えたからです。前半はアイマン・フサイン選手に対して、我々がラインコントロールできず、逆に合わせるような形になってしまいました。こちらがよりコントロールしたかったですし、おそらくフサイン選手が負傷して、0−2という状況で、相手が足の速い選手でカウンターを仕掛けてくることが予想されました。その対応も含めて、交代を決断しました」

 グループ首位突破を争うイラク代表相手に痛恨の敗戦を喫した日本代表。しかし、次の最終節でインドネシア代表戦に勝利すれば、自力でグループステージ突破が決定する。

 森保監督は、『今後に向けてポジティブな点を挙げるとすればどこか』と質問を受けると、まずは安定したボール支配でチャンスをつくれたことを挙げた。

「ボール保持はできていたので、あとは自分たちがどうコントロールして、相手に勝っていくかという部分だと思います。アタッキングサードに入るところまでは行けていたと思うので、さらに深い陣地に入るところです。FIFA ワールドカップ カタール 2022では、ポゼッション率が30パーセントを切って勝っていて、そこから我々はレベルアップをしないといけないので、ボールを握ったなかでも勝っていくことを目指して、課題として取り組んでいます。今日の試合も、どうやって効果的に最後の崩しに持っていけるか、という最後の手前までできていることは大切にしたいと思います。前半はピッチを行ったり来たりする試合になってしまいましたが、後半は難しい状況の中でもそれがなくなりました」

 そして、選手たちには「もっと力をつけないといけない」と話しつつも、最後まで諦めずに戦い抜いた姿勢については、必ず今後活きてくると前向きに話していた。

「追いかける展開のなかでもメンタル的に切れることなく、選手たちがやってくれたことは大切にしたいと思います。1点取り返したことも大きいと思います。0−2で終わるのは、1−2で終わるのと全然違うと思いますし、勝つか負けるかではありますが、プロセスも大事にしようとこれまでもやってきているなかで、姿勢としてはみんなベストを尽くしてやってくれました。結果以外で見せられる部分、準備期間や試合の最後まで一丸となって戦う姿勢に関しては、選手たちはよくやってくれていると思います。

サポーターの皆さんに勝利と励ましのエールを送りたいと考えているなかで、能登半島地震、阪神淡路大震災、その2つだけではないですが、いろいろな方々が大変な思いをしているなかで、今もなお、心の痛みを持ちながら生活されている方がいるなか、我々が最後まで諦めずに戦い抜くということは届けて、感じていただけたらと思います。

試合は勝てなかったですが、これが次の試合に活きて、グループステージを突破して、優勝して、またこういう結果につながってよかったなと思ってもらえるようにしたいです。(この試合では)プロセスという部分でも代表の存在意義、活動意義に関しては発揮してくれたと思います」

 次節は24日に行われ、日本代表はインドネシア代表と激突。試合の模様は『DAZN』での独占LIVE配信が予定されている。

サッカーキング

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