1955年にファンジオがタイトルを獲得したマシン『メルセデスW196』がオークションに出品。過去最高額の見込み

2025年1月21日(火)11時50分 AUTOSPORT web

 モータースポーツの歴史に残る伝説のマシンであるメルセデス・ベンツW196Rストロムリニエンヴァーゲンが、2025年2月1日にシュトゥットガルトで競売にかけられる予定だ。


 RMサザビーズによって5000万ユーロ(5260万ドル、約80億5200万円)と評価されたこの希少なF1マシンは、これまで販売されたグランプリマシンのなかでも最高額になる見込みだ。現在の最高記録となっている、2013年にグッドウッドで2965万ドル(約46億3300万円)という高値で落札されたオープンホイールバージョンの別のW196Rを上回る可能性がある。


 ちなみに、メルセデスはオークション史上最も高額な自動車の記録も保持している。それは2022年に1億4300万ドル(約223億4900万円)で落札されたメルセデス・ベンツ300SLRウーレンハウトクーペだ。


■希少かつ象徴的なシルバーアロー


 W196Rストロムリニエンヴァーゲンは、この空気力学的な“ストリームライナー”仕様で製造されたわずか4台のうちの1台であり、1954年にメルセデス・ベンツがF1に圧倒的な力とともに復帰した際に、モータースポーツの伝説であるファン・マヌエル・ファンジオとサー・スターリング・モスがドライブしたものだ。


 オークションに出品されているシャシーナンバー00009/54は、輝かしい歴史を誇っている。ファンジオはこのマシンで、1955年のアルゼンチンGPで優勝を飾り、5度の世界タイトルのうちの3度目を獲得した。一方モスは、そのシーズン後半にモンツァで開催されたイタリアGPで、このマシンでファステストラップを記録している。

1955年F1アルゼンチンGP ファン・マヌエル・ファンジオ(ダイムラー・ベンツ W196)


 このマシンは、メルセデスが引退させる前の1955年に行われた最後のレースを反映する、モンツァのカラーリングを施されて展示されている。このマシンは引退後、同社の社内コレクションに収められた後、1965年にインディアナポリス・モーター・スピードウェイ博物館に寄贈され、その後60年近くそこに保管されてきた。


 今回のオークションは、ストリームライナーボディのW196Rを個人所有できる初めての機会なので、自動車史上重要な瞬間となる。


 類稀な来歴、象徴的なデザイン、そして名高いレースの歴史を持つこのマシンは、すでに傑出した存在となっている。露出したホイールを備えた兄弟車とは異なり、このW196Rの流線型のデザインは、高速空力特性を必要とする特定のレース向けに設計されており、洗練された他にないシルエットを備えている。


 その希少性に加えて、これは個人所有向けに販売される2番目のW196モデルであり、コレクターにとっては一生に一度のチャンスだ。F1史上最も偉大なドライバーふたりとのつながりと相まって、このマシンはその重要性によってオークションの記録を塗り替える最有力候補となっている。2022年のウーレンハウトクーペの販売では、コレクターが最も希少かつ象徴的なメルセデスモデルに天文学的な金額を支払う用意があることが証明されたが、W196Rストリームライナーはまさにその条件を満たしている。


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