「ソフトバンク、上沢は悪くない」としながらも…高木豊氏が着目した上沢SB移籍の問題点 「正義が正義じゃなくなる」

2025年1月21日(火)16時51分 ココカラネクスト

高木豊氏

 日本ハム・新庄剛志監督が今オフ、話題を集めるポスティングシステムに関して物申した。

 20日に都内で行われた監督会議の場で上沢直之のソフトバンク移籍に関して、提言。「ポスティングで行って1年でダメでソフトバンクに行く流れはやめてほしい」と直接的な表現でルール改正を求めたと報じられた。同時に、ポスティングでメジャー挑戦して短期間で日本に帰国した場合は元所属球団に最低1年は在籍するなど、新ルールも提案したという。

【12球団監督会議】上沢直之投手のポスティング問題に新庄監督が提言『今後のプロ野球のために…』必要なルールは?

 23年オフに日本ハムからポスティングシステムを利用してメジャーに挑戦した上沢は一時メジャー昇格の時期もあったが、長くマイナーで過ごし、最後は右ひじも痛め帰国。保有権がなくなった日本ハムもオファーを出したとされる中、結果として右腕はソフトバンクでの出直しを選んだ。

 近年は国際大会も活発となり、メジャーとの距離が近づく中、NPBの選手においても早期挑戦を訴える声が各球団、相次いでいる。一方、ポスティングシステムの行使には各球団ごとの判断となり、温度差も生じている。

 ポスティングシステムに関しては球界内からも様々な考察の声が出ている。

 現役時代は大洋(現DeNA)で活躍、引退後は日本代表コーチも務め、現在は野球解説者として活躍する高木豊氏は21日に自身のYouTubeチャンネルに「【12球団監督会議】上沢直之投手のポスティング問題に新庄監督が提言『今後のプロ野球のために…』必要なルールは?」と題した動画を更新。新庄監督の監督会議の発言を踏まえ、今オフのポスティングシステムをめぐっての動きに関して独自の見解を語っている。

 まず動画冒頭で、高木氏は「ルールがない以上、ソフトバンクを責められないし、上沢を責められないかもわからない」としながら、「気持ちはやっぱりさ、日本ハムだよね」と心情的には日本ハムに戻るべきだったのではないかとした。

 今オフ、様々な議論を呼んだ同システムに関しての改善点にも独自の考えを示した。 

 ポスティングは認めた上で、帰ってきたときに自動的にFAになるのではなく、FAの登録日数を消化したら、保有権は切れる方式にする、など。

 また繰り返し、今回上沢がソフトバンクを選んだことはルール上、問題ないとしながら、そこに至る過程には目を向けた。

 上沢は帰国後、日本ハムの選手と交流している様子がSNSを通じて伝わっていたり、昨季限りで引退した鍵谷陽平の引退セレモニーにサプライズ登場するなど、かわらず古巣との距離の近さは認められていた。こういった背景もあり、ファンからは、かつてチームの中心選手であった右腕の古巣復帰への期待感が高まっていたことも事実。  
 
 ルール上は問題ないとはいえ、道義上の観点からファンには複雑な思いも残ったことで、「ビジネスでもね、ドライにやっていたら社会が動かないよ」と高木氏も割り切れない思いを明かす場面もあった。同システムに関しては早期改定に着手しない限り、移籍の抜け道のような形にもなっていると指摘。現行では選手の主張が優先され、球団側は苦しい立場になることもあり「正義が正義じゃなくなる」と語るなど、終始、熱を込めた口調で語った。

 その上で同システムの改定に関してはコミッショナーがスピード感を持って、率先して動く必要性があるとも語った。

 1998年に「日米間選手契約に関する協定」で導入された同制度をめぐっては球団によってのスタンスも違い、運用においても様々な波紋を呼んでいるため、整備の必要性が浮上している。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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