復活にかける香妻琴乃「私はまだ、プロとしてやり尽くしていない」

1月21日(火)6時50分 Sportiva

 2018年、マンシングウェアレディース東海クラシックで、悲願のツアー初優勝を飾った香妻琴乃(27歳)。さらなる飛躍を期した2019年シーズンは、彼女にとって、つらい一年となったに違いない。


今季はまず「ツアー2勝目を狙う」という香妻琴乃

 ツアー優勝を果たして、昨季は3年ぶりにシード選手として迎えたが、出場31試合中、7試合連続を含めて19試合で予選落ち(棄権も1試合あり)。賞金ランキングは103位に終わって、シードを喪失した。

 さらに、クォリファイングトーナメント(QT)のファイナルステージでも55位に終わって、今季(2020年シーズン)前半戦のレギュラーツアーへの出場は、かなり限られたものになりそうだ。

 近年は「黄金世代」をはじめ、優秀な若手選手が次々に登場。たしかにシード権争いは熾烈なものになっているが、前年のトーナメント優勝者が、ここまで成績を落としてしまうのは珍しいことだ。実はそうならざるを得なかった理由を、香妻は抱えていた。

 2019年シーズンを振り返ってもらうと、香妻は開口一番、こう語った。

「本当にケガが多かった一年でしたし、そこは反省しないといけない部分ですね……」

 以前から腰痛には悩まされ続けてきたが、それに加えて、昨季は右肩の痛みとも戦っていたと言う。

「年々、体のコンディションを整える難しさは感じています。今年(2019年)は(ケガの)ケアと治療を続けながらツアーを転戦していたので、じっくり練習することもできませんでしたし、試合でも集中力を欠いてしまっていました」

 その結果、予選落ちの日々だった。最高位は、6月のヨネックスレディスの23位タイ。その次戦から7試合連続予選落ちを喫し、浮上のきっかけすらつかむことができない状態にあった。

「いいスコアが出ないと、自信もなくなるので、考え方もどんどん悪い方向にいってしまって……。ただ、相談する医師や針治療の先生からも、さまざまなアドバイスをもらったことで、体に関することや、コンディションをどのように整えていくべきか、その方法や知識などはたくさん得られました。だから、(苦しかったシーズンも)無駄な時間ではなかったと思っています」

 ケガに泣いて、思うような結果は残せなかった。それでも、現在の状況を前向きにとらえていた香妻。その点は救いでもあり、今後に向けて、明るい材料でもある。

 振り返れば、2019年シーズンは、この年を最後に現役生活にピリオドを打つと決めたトッププレーヤーが数多くいた。シード選手として長年活躍してきた、一ノ瀬優希、大江香織、佐伯三貴、諸見里しのぶらがそうだ。

 活きのいい若手が台頭するなか、歳を重ねるごとに飛距離が落ちたり、体の故障が多くなったりして、試合でなかなか結果を残せなくなり、予選落ちが多くなれば、プロとしてゴルフを続ける意欲を失ってもおかしくない。また、ツアーで戦っていくうえでは、相当な準備が必要不可欠であり、それだけの練習を重ね、ハードなトレーニングをこなしていくだけの、心と体が伴っているか、という問題もある。

 だが、香妻は、まだまだツアーで戦うことを諦めていないし、戦う意欲も失っていない。オフのトレーニングや日々の練習にも積極的な姿勢を示し、プロとして戦っていく覚悟がある。

「正直、成績が出ないと悩むこともあります。でも、『やめたいな』って思ったことはないんですよ」

 香妻の活力が失せないのは、「プロゴルファーとして、まだやり残したことがたくさんあるから」だと言う。

「今でも、もっとゴルフがうまくなるために、『あれもやりたい。これもやりたい』っていう思いが強いんです。いろいろな人からアドバイスをたくさんもらうのですが、そういうのも『どんどん試してみたい』って気持ちになっています。ゴルフの技術の向上をはじめ、練習方法、トレーニング、(体の)ケアなど、すべてがよくなるなら、いろんなことをもっともっと試していきたい。

 自分には、乗り越えなければいけない壁や宿題(課題)がとてもたくさんあります。プロゴルファーとして、まだピークの状態に持っていけていない感じがあるので、とにかく(自分が)納得するまでやり切りたいです」

 どんなに苦しくてもめげないのは、そもそも香妻が負けず嫌いな性分なのもあるだろう。それに加えて、「まだゴルフが好き」だからでもある。

「ここまでゴルフを続けてきたからには、もっと結果を残したい。何をやっても『これ以上、上には行けないな』って思ったら、(その時に)たぶんやめるのかもしれませんね。でも、私はまだまだやり尽くしていない。すべてのことを悔いなくやり切りたいです」

 不完全燃焼のままではゴルフはやめらない——そんな思いを胸に、香妻は真摯に上を目指していく。

「来年(2020年)は、ケガを少なくして、前半戦で優勝することを目標に置きます」

 最後にそう言って締めくくった香妻。その瞳の輝きを見て、彼女の歓喜する姿が脳裏に浮かんだ。

Sportiva

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