欧州で活躍するA代表未招集の若手有望5選手
2025年1月23日(木)18時0分 FOOTBALL TRIBE

現在サッカー日本代表は、2026FIFAワールドカップ(W杯)アジア最終予選(2024年9月から2025年6月)において、圧倒的な攻撃力と堅い守備でグループ首位を快走している。代表の中心選手たちは、欧州の各リーグで世界標準の選手と渡り合い日々実力を磨いている。
一方で、欧州の各国リーグでは、ここまで日本人選手たちが培ってきた経験や実績が引き継がれ、若手日本人選手にも活躍の場が広がっている。フィジカルレベルの高い欧州のリーグで一定の出場機会を得ながら経験を積み、目に見える結果を残す段階には至っていないものの徐々に存在感を示し、将来のA代表入りが期待されている選手たちがいる。
本記事では、欧州の各国クラブで地道に活動し、今後のA代表入りが期待される若手選手5名をピックアップしてみたい。

小久保玲央ブライアン(STVV/ベルギー)
2001年1月23日生まれ、23歳のGK小久保玲央ブライアンは、現在ベルギー1部のシント=トロイデン(STVV)に所属。J1の柏レイソルユース出身で、2019年にポルトガルの名門ベンフィカのU-23チームに加入後、ベンフィカのBチームでのプレーを経て2024年7月にSTVVへ完全移籍した。
2024年7月に開催されたパリ五輪では、アジア予選も含め大岩剛監督率いるU-23日本代表で正守護神としてチームのベスト8入りに貢献した小久保。特にマリ代表戦(1-0)ではPKを含むビッグセーブを連発した。その活躍から「国防ブライアン」という愛称で親しまれているほどで、A代表デビューを望む声が挙がっていた。
STVVでは、今2024/25シーズン第22節までに19試合にレギュラーとして出場し、32失点、3試合のクリーンシート。味方ディフェンダーのお粗末なプレーも多く、思うような結果が出ていないとも言える。チームは降格圏に沈むが、今後の巻き返しに期待したい。

斉藤光毅(QPR/イングランド)
MF斉藤光毅は、2001年8月10日生まれ23歳のオフェンシブの選手で、現在イングランド2部(EFLチャンピオンシップ)のクイーンズ・パーク・レンジャーズ(QPR)に所属している。東京都出身の斉藤は、J1横浜FCのユースチームで育ち、2018年にトップチームへ昇格。2020シーズンには、J1リーグで32試合出場3ゴール3アシストを記録し、将来を嘱望される存在として頭角を現した。
その後、2020年11月にベルギー2部のロンメルSKへ完全移籍。初年度には全コンペティションで22試合に出場6ゴール2アシストを挙げ、攻撃の中心選手として活躍した。2021年夏にはオランダ1部のスパルタ・ロッテルダムに期限付き移籍し、2シーズンで公式戦54試合に出場10ゴール10アシストを記録。持ち味であるスピードとドリブル突破を武器に、攻撃の起点として存在感を示した。
2024年8月には、さらなる飛躍を目指し、QPRに1年間のレンタル移籍が決定。背番号14を背負い、全コンペティションで29試合に出場し、2アシストを挙げている。9月18日には、カラバオカップ3回戦でプレミアリーグのクリスタル・パレスとの対戦(1-2)で先発出場を果たし、パレス所属の日本代表MF鎌田大地との日本人対決が実現したことでも話題を集めた。
パリ五輪ではU-23日本代表の背番号10を背負い、3試合に出場した斉藤。イングランドでの新たな挑戦を続けながら、さらなる成長とA代表入りに期待がかかる。

福井太智(アロウカ/ポルトガル)
2004年7月15日生まれの20歳で、神奈川県出身のMF福井太智は、現在ポルトガル1部のアロウカに所属している。サガン鳥栖の下部組織で育ち、クラブ史上最年少となる16歳7か月でルヴァンカップに出場した福井。2022年3月には、17歳でトップチームとプロ契約を結び、J1でのプレー経験を積んだ。
2023年1月に、ドイツの強豪バイエルン・ミュンヘンに完全移籍し、主にリザーブチームでプレー。同年9月26日のDFBポカール1回戦でトップチーム出場も果たした。
2024年1月、さらなる成長の場を求めてポルトガル1部のポルティモネンセへ期限付き移籍。リーグ戦11試合に出場し、1ゴール1アシストを記録した。2024年7月には、ポルトガル1部のアロウカへ買取オプション付きの期限付き移籍を果たし、今シーズン開幕から第18節まで16試合に出場している。
正確なパスセンスと視野の広さを武器とする福井は、ポルトガルリーグで経験を積むことで将来的なA代表入りに期待がかかる。

福田師王(ボルシアMG/ドイツ)
FW福田師王は、2004年4月8日生まれの20歳で、鹿児島県出身。現在ブンデスリーガのボルシア・メンヒェングラートバッハ(ボルシアMG)に所属している。神村学園高等部在学中の2023年に、第101回全国高校サッカー選手権大会で得点王に輝いた活躍が評価され、ボルシアMGのセカンドチームへ加入。得点力とスピードを武器に安定した成績を残し、2024年1月からトップチームでも出場機会を得ている。
今年1月14日に行われたブンデスリーガ第17節ヴォルフスブルク戦では、後半25分から途中出場し、試合終盤にブンデスリーガ初ゴールを記録した。試合は1-5で敗れたものの、個人として大きな一歩を踏み出した。
将来的にはヨーロッパのトップリーグで活躍し、日本代表のエースストライカーになることを目標に掲げている福田。特にフィジカルの強化や得点感覚の向上を課題とし、日々のトレーニングに励んでいる。また、「W杯に出場し、ゴールを決めて日本を勝たせる存在になりたい」と、2023年公開の『FRIDAYデジタル』インタビューでもコメントしており、今後のW杯出場を強く意識しているようだ。
ブンデスリーガで安定した成績を残せば、A代表への道も拓けてくる可能性は十分にあるだろう。

松木玖生(ギョズテペSK/トルコ)
2003年4月30日生まれの21歳で、北海道出身のMF松木玖生。青森山田高校の主将として、第100回全国高校サッカー選手権大会(2021年度)で優勝に貢献し、2022年にJ1のFC東京へ加入した。ルーキーイヤーから中盤の主力として定着し、Jリーグ通算71試合に出場5ゴール10アシストを記録。攻守両面での貢献度が評価され、2023シーズンにはキャプテンマークを巻く試合もあり、リーダーシップの面でも成長を見せた。
2024年7月に、プレミアリーグのサウサンプトンへ完全移籍し、移籍後すぐにトルコ1部のギョズテペSKへ期限付き移籍。ギョズテペではコンディション不良により出遅れたものの、第3節でデビューを果たし、徐々に出場機会を増やしていった。11月10日の第12節コンヤスポル戦(2-0)では、途中出場から後半アディショナルタイムに移籍後初ゴールを記録し、チームの勝利に貢献。12月20日にはカップ戦のブカスポル戦(4-0)で1ゴール1アシストを記録し、公式戦での存在感を示してきている。
2024年のAFC U-23アジアカップにU-23日本代表として出場した松木は、パリ五輪アジア最終予選も兼ねたチームの優勝に貢献した。一方で、同年のパリ五輪U-23日本代表メンバーからは落選。当時、日本サッカー協会は、松木には移籍の可能性があり五輪期間中に確実に招集できる確約が取れなかったことを落選理由に挙げている。
今や日本のみならず、所属元のイギリスや現在のトルコでも注目されており、今後の活躍とA代表入りの可能性に大きな期待が寄せられている。