「F1マシンはドライバーを驚かせ、怖がらせるようなものであるべき」と元F1ドライバー

2020年1月24日(金)9時11分 AUTOSPORT web

 元F1ドライバーのカルン・チャンドックは、現代のF1マシンは昔とは異なり、ドライバーを“驚かせたり怖がらせる”ようなことがないとして、F1はそういう要素を取り戻すべきであると主張した。


 かつてロータスとHRTのドライバーを務め、現在は『Sky Sport F1』のテクニカルエキスパートを務めているチャンドックは、『Sky Sport』の企画で2019年のチャンピオンシップを制したメルセデスW10で走行した体験を振り返り、W10は「自分がこれまで経験したなかでも完璧に近いマシン」だったと語った。だが、彼はそこには問題もあると感じている。


「一歩下がって考えてみると、これはF1にとって良いことなのかと思う」とチャンドックが語ったとCrash.netが伝えた。


「ファン・パブロ・モントーヤの2004年のマシンをドライブした時のことを覚えている。僕は多くの点で、あれがF1のパフォーマンスのピークだと今も考えている。すべてのコーナーで恐ろしい思いをした」


「ステアリングホイールを回したり、スロットルを開けるたびに、これで僕は死んでしまうかもしれないと思ったものだ」


「マクロのレベルでF1を考えると、F1はそうあるべきなのかもしれないと思った。マシンには驚かされ、怖い思いをさせられるべきなんだ」


「世界でも最高のドライバー、もしくはF2やF3から昇格してくるルーキーたちが、マシンに乗り込んだ時に『なんて恐ろしいんだ!』と感じるようであるべきだ」


■2021年のF1規則変更に期待するチャンドック


 チャンドックは、F1マシンの重さについても言及した。2004年には605kgであった重量が現在では743kgに増えており、それはラップタイムにすると5秒かそれ以上のロスにつながると彼は指摘した。


「今のF1マシンはとても重い。乗ればそう感じる。コーナーでマシンは鈍くなっており、反応が遅いと感じるはずだ」とチャンドックは語った。


「ラップタイムを補うために、彼らがやっていることというと、ダウンフォースをさらに増やして、大きなタイヤを装着することだ。それによってドライバーは楽になる」

2019年F1第20戦ブラジルGP 決勝レーススタート

 結果として、チャンドックはF1はドライバーにとってもはやタフなものではないと感じており、それは暑さと湿気がのしかかってくるシンガポールのような会場でも同じことだという。


「ドライバーの汗の量は僕たちと変わらない。疲れ切った様子でマシンを降りることもない。くたくたになっているようには見えないんだ。(F1で走ることは)身体的な面で挑戦であるべきだが、今はそうではなさそうだ」


 チャンドックは、2021年シーズンに予定されているF1の競技および技術レギュレーションの大改訂が、こうした点に対処できることを期待していると語った。


「2021年にどういった方向へ進むのか興味がある」とチャンドックは語った。
「重要な点は、バトルができる状態にし、競い合いをしやすくすることだ。一方で、レースをドライバーにとってよりきついものにしなければならないと僕は考えている」

2021年F1マシン予想図


AUTOSPORT web

「ドライバー」をもっと詳しく

「ドライバー」のニュース

「ドライバー」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ