アストンマーティンへの移籍か、レッドブル残留か。注目されるフェルスタッペンの決断
2025年1月26日(日)7時5分 AUTOSPORT web
マックス・フェルスタッペンが将来アストンマーティンに移籍するのではないかといううわさは、両者によって速やかに否定されたものの、否定の焦点は、アストンマーティンが提示したといわれる金額にあり、交渉が一切行われていないと考えるべきではない。
アストンマーティン陣営、フェルスタッペン陣営、両者の商業パートナーの一部からの情報によると、交渉自体は行われており、オーナーのローレンス・ストロールはこの契約を成立させることに非常に自信を持っているようだ。
フェルスタッペンはレッドブルに忠誠を誓うと述べており、2024年末に4回目のドライバーズタイトルを獲得した直後の数日には特に、それを強調していた。その一方で彼は、「F1では物事があっという間に変わり得る」として、自分の優先事項は常に「レースやチャンピオンシップで勝てるレベルの競争力があるマシンを持つこと」であると、明言している。
2024年シーズンのランキングだけを見るなら、レッドブルからアストンマーティンへと移籍することは無意味であるように思える。しかし、両チームともに、状況は急速に変化している。レッドブルは、彼らにタイトルをもたらしたすべてのマシンを手掛けた天才デザイナー、エイドリアン・ニューエイを失った。また、ジョナサン・ウィートリーは数カ月のうちにザウバー/アウディに移籍する予定で、他にも複数のトップエンジニアたちがチームを離脱している。
それに加えて、2026年からレッドブルは自社製パワーユニット(PU)を使用する。このプロジェクトにおいてフォードは技術パートナーであるものの、大半の作業はミルトン・キーンズの拠点で行わなければならない。F1パワーユニットの複雑さを考えると、彼らがすでにF1参戦中の自動車マニュファクチャラーから支援を受けるチームと戦うのは非常に困難であり、フェルスタッペンはそのことを十分に理解している。
レッドブルとは対照的に、アストンマーティンの方は、非常に明るい見通しを持っている。ニューウェイが今後数カ月のうちに作業をスタートし、その独創性と、他者には見えないものを見抜く能力を発揮することになるだろう。さらに、現在レッドブルをサポートするホンダが、2026年以降はアストンマーティン専用の新しいパワーユニットを設計・開発する。アストンマーティンの新ファクトリーは、全F1チームのなかで最も新しい設備を備えている。アラムコとのスポンサー契約は、F1史上最大レベルのものであると考えられており、新たに加わったアンディ・コーウェルは、チーム全体をより効率的にするため、組織を再構築し始めている。
ニューウェイおよびホンダと再び仕事をすることは、フェルスタッペンにとって魅力的な要素だ。さらにストロールがF1史上最大の金額をフェルスタッペンに提示できることに疑いの余地はない。ストロールとそのパートナーたちは、金に糸目をつけないだろう。
フェルスタッペンは2025年最初の数戦の後に決断を下そうとしているといううわさもある。ニューウェイの関与がない状態でレッドブルがどのように運営されるか、コーウェル加入により、アストンマーティンがどう変化したかを、彼は確認することになるだろう。「火のないところに煙は立たない」と言うように、フェルスタッペンが2026年にアストンマーティンに移籍する可能性は十分ある。それが実際に起きた場合、ドライバーマーケットは大きく揺れ動くことになるだろう。
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