浮き彫りになった大谷翔平の“正当性” 関係者たちの「疑念」を払拭する水原一平被告の生々しい声真似動画
2025年1月26日(日)6時0分 ココカラネクスト
水原被告が大谷を装った音声動画は波紋を広げている。(C)Getty Images
あらためて問題の根深さを物語る事態が明らかになった。
渦中の身となっているのは、ドジャースの大谷翔平の給与口座から約1700万ドル(約26億4200万円)の資金を盗み、不正送金した罪に問われている元専属通訳の水原一平被告だ。昨年3月の事件発覚から時が経った1月23日(現地時間)に米スポーツメディア『The Athletic』が新たな事実を報じた。
【動画】明るみになった衝撃の声真似 水原被告と銀行員のやり取り
公になったのは、水原被告が不正盗用に及んだことを裏付ける生々しい音声だ。銀行員からの「今、話しているのはどなたですか?」との問いに対して同被告は「私はショウヘイ・オオタニです」と拙い喋り口調で明言。さらに関係性を問われた際には「彼(水原)は私の友人だ」と切り返した。
さらに同メディアは、水原被告が米連邦検察から大谷への賠償金1697万ドル(約26億3035万円)の支払いと、4年9か月の禁固刑を求刑された際に、判事に情状酌量を求めて提出した申立書の中身を公表した。
そこで水原被告は大谷が事件を全く把握していなかったことを強調するとともに、「著しく低賃金だと感じていた」という生活苦と、仕事によるストレスからギャンブル依存症に陥ったと告白。お茶の間を騒然とさせた犯罪に及んだ背景を綴られた。
いずれも犯行の劣悪さを物語る驚くべき内容なのだが、一連の報道で改めて浮き彫りになったのは、大谷側の正当性だ。
事件が明るみになった昨年3月、一部のメディアは大谷にも疑念を向けた。水原被告が食事や移動などの生活面もサポートする専属通訳という近しい存在であったこともあり、一般的に「巨額」と言えるだけの資金の行方を大谷が本当に知らなかったのかと見る球界関係者は少なくなかった。
しかし、今回の申立書内で水原被告は「彼の信頼を裏切ったことを心からお詫び申し上げます」と大谷の不正関与を否定する一文を添えている。これによって昨年3月から「彼(水原被告)がそういうことをしていたというのもまったく知りませんでした」と訴えてきた大谷への疑念は完全に晴れたとも言える。
実際、現地メディアでも大谷の主張の正しさがクローズアップされている。ドジャースの専門メディア『Dodgers Way』は「オオタニが自身のギャンブル依存症を隠すために、ミズハラをスケープゴートに仕立て上げているという憶測すらも驚くほど広まった」と回想。その上で、こう続けている。
「ミズハラがオオタニの声真似をする新しい音声動画は、一連の賭博調査に関するオオタニヘの疑念を完全に払拭するはずだ。いずれもあまりに奇妙だったが、オオタニが最初から事件を首謀していたとする根拠とするのは程遠いものばかりだ」
事件は確実に解決へと進んでいる。その中であらぬ疑いを持たれた大谷の信頼回復が進むことを願うばかりである。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]