奇跡の集結から29年。初代「ドリームチーム」12人たちの今(前編)

1月26日(火)11時10分 Sportiva

 新型コロナウイルスの収束が見えずに予断を許さない東京五輪だが、予定どおりに開催されれば、男子バスケットボールで3大会連続金メダル獲得中のアメリカ代表が再びスター軍団の"ドリームチーム"を送り込んでくる。

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バルセロナ五輪に出場した初代ドリームチーム
 気がつけば、初代ドリームチームが1992年バルセロナ五輪でお披露目をしてから29年もの時が経った。

 この五輪からプロ選手の参加が認められ、マイケル・ジョーダン(シカゴ・ブルズ/当時・以下同)やマジック・ジョンソン(ロサンゼルス・レイカーズ)、ラリー・バード(ボストン・セルティックス)といったNBAを代表するスター中のスターたちがロースターに名を連ねた。"ドリーム"という形容は決して誇大ではない。ドリームチームと呼んでいいのはこの初代だけだ、という者もいる。

 もっとも、今のNBA選手や若いファンの多くは、現役当時の彼らのプレーを見ていない。

 米スポーツアパレルメーカー・ナイキ社のプレミアラインであるジョーダンブランドは、八村塁(ワシントン・ウィザーズ)が契約したことで日本でも有名だ。だが、バスケに興味のない若者たちにとってジョーダンは「シューズブランドのおじさん」という認識も多い。どれだけ彼らが当時のバスケットボールの頂点にいたとしても、年月の経過には抗えないということだ。

 当時のメンバー12名は全員、現役生活をとうの昔に終えているが、はたして今はどういう活動をしているのだろうか。

 マジックはMLBロサンゼルス・ドジャースなど複数のスポーツ球団のオーナーグループの一員として、現役当時のプレー同様、派手に立ち回っている。ジョーダンはシャーロット・ボブキャッツの筆頭オーナー職を務める一方、ジョーダンブランドの売り上げによる収入は年間100億円をゆうに超えている。

 彼らふたりのスポーツ界における存在感は、今もって傑出している。また、そのほかの"ドリームチーマー"たちも築いた巨額の富をもとに、レストランや不動産経営に携わるといった例が多い。

 ただその一方で、今もバスケットボールに直接的に関わっている者たちもいる。最たる例は、パトリック・ユーイングだ。

 ユーイングは1980年代半ばから17年間、NBAで活躍した当時を代表するセンターだった。1985年のドラフト全体1番目指名でニューヨーク・ニックスから指名された213cmのユーイングは、チームを13年連続でポストシーズンに導き、1993−94年シーズンにはNBAファイナルにも出場している。

 ところがユーイングのキャリアは、どこか「不運だった」という印象で語られることが多い。それはもっぱら、同じくイースタン・カンファレンスのライバル、ジョーダン率いるブルズにいつもNBAファイナル行きを阻まれていたからだ。

 プロ入り前のジョージタウン大在籍時にまでさかのぼれば、ユーイングは4年間で全米優勝決定戦に3度も出場しながら、勝利したのは1度だけ。2度の敗戦のなかにはジョーダンに終了間際からシュートを決められた試合も含まれている。とことんジョーダンにやられたキャリアだったと言える。

 先述のNBAファイナルでも、対戦相手ヒューストン・ロケッツのエース、アキーム・オラジュワンとのリーグ屈指のセンター対決に敗れ、やはりトップ中のトップには立てないという印象が植えつけられた。

 そんな過去が彼の引退後のキャリアに影響したかどうかはわからないが、ユーイングは現在、母校ジョージタウン大のヘッドコーチを務めている。これ以前、彼はオーランド・マジックやシャーロット・ボブキャッツでアシスタントコーチを担い、その後はヘッドコーチとなるためデトロイト・ピストンズ等で面接を受けるところまで行っていた。だが、選考の最終段階まで進むことはできなかった。

 ユーイングだけでなく、現役時代にセンターなどインサイドのポジションでプレーした人物が指揮官職を得る例は非常に少ない。NBAあるいはそれ以外のリーグでも、多くはガード出身者がその仕事を得ている。

「ビッグマンに対しての見方があるんだろうね。皆、ガードがヘッドコーチに最適だと思っている。今はガード主体のリーグなんだ。だけど僕としては、それに対してなんとも言いようがない」

 2014年当時、米ヤフーのスポーツ記者だったマーク・スピアーズ氏の取材に対し、ユーイングはそう語っている。

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 ユーイングの大学時代、そのチームのヘッドコーチを務めていたのは、昨年他界したジョン・トンプソン氏だった。NCAA界の名将として知られる彼も、かつてはNBAのインサイド選手だった。

 ジョージタウン大の指揮官としてユーイングの成績は、2017−18年シーズンから昨季までの3年間で通算49勝46敗。全米優勝を争うNCAAトーナメントへの出場はまだ果たせていない。この先、ユーイングはコーチ業でどこまで高みへ行くのだろうか。

(後編につづく)


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