フォードの独走阻止へ。オーストラリア・スーパーカーが開幕前2度目のエアロテスト実施

2020年1月28日(火)12時8分 AUTOSPORT web

 オーストラリア・オセアニア地域を代表するツーリングカー選手権、VASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカーは、2020年シーズンに向けた2度目のVCAT(ビークル・コントロール・エアロダイナミクス・テスティング/Vehicle Control Aerodynamic Testing)を実施。このエアロテストにより各車のダウンフォース総量を削減し、シーズン中の戦闘力差均衡とオーバーテイク増加を目指している。


 2019年がデビューイヤーながら、シリーズを席巻するパフォーマンスを披露したフォード・マスタング・スーパーカーに対し、ホールデン・コモドアZBとニッサン・アルティマL33にシーズン中ながら複数回の空力性能調整が行われるなど、VASCの技術部門は戦力差の調整に腐心するシーズンを過ごした。


 2020年に向けてニッサン・アルティマの退役が決まっていることもあり、シリーズは最終戦直後に続いて今回2度目のVCATを実施し、マスタング、コモドア双方のファクトリープログラムを担うDJRチーム・ペンスキー(シェルVパワー・レーシング)、トリプルエイト・レースエンジニアリング(レッドブル・レーシング・オーストラリア)とともにストレートラインテストを行った。


 これは最初のテスト結果が承認されたのち、複数のチームから「VCATをふたたび開催してほしい」との要請に従ったもので、現在VASCのヘッド・オブ・モータースポーツに就任するエイドリアン・バージェスは、「このテストで得られた情報は、ホモロゲーション取得担当チームだけでなく、マニュファクチャラーの区別なくすべてのチームに有益なものになるはずだ」と語った。


「この改訂されたプロセスの一部により、テストで得られたすべてのデータがシリーズに参戦する全チームに配布されることになる」と説明するのは、かつてDJR、トリプルエイトの両チームで技術部門を統括したキャリアも持つバージェス。

DJRチーム・ペンスキー(シェルVパワー・レーシング)、トリプルエイト・レースエンジニアリング(レッドブル・レーシング・オーストラリア)とともにストレートラインテストを実施
ワークス格チームが担当したこのVACTの結果や取得データは、参戦全チームに提供されることになる


「そのため、過去に実施したホモロゲーション取得担当チームだけのテストも含め、情報がすべてのチーム間で共有され、コンペティションレベルを平準化し、シャシーや外板の変更による再セットアップの負担を軽減することになるだろう」


「もちろん、手続きがより複雑になり、望む結果を得るのに時間が掛かることもあるだろう。しかし最終的には、競技レベルが公平でイコールコンディションのレースを実現したいという思いがあり、それは明らかに我々が目にしたいものだ」


「ご想像のとおり2019年はすべての人々にとって、その点で困難なシーズンになった。今回の変更により問題を根絶し、2大巨頭のマシン競争力を揃えたシリーズを提供するため必要な措置を講じた、というわけさ」


 またバージェスは、参戦チームの意思により2度のVCATを実施したことにより、スーパーカーの技術部門には「将来的に問題が顕在化した際、開幕前にどんな方策を採るべきかのアイデアが数多く蓄積された」とも説明する。


「このプロセスを実施したのと同じように、この先どんな問題が生じた際にも、すべての情報がチームに開示され、そのデータをもとに対策が採られることになる」


「このプロセスを次に行うときには、さらに効率化し、さらに多くのデータを生成し、さまざまな方法で対応できることを、我々はすでに知っているわけだからね」


 2020年のVASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカーは、2月18日にザ・ベンド・モータースポーツパークでの合同テストで始まり、その週末に開催されるアデレード500で幕を開ける。

2019年がデビューイヤーながら、シリーズを席巻するパフォーマンスを披露したフォード・マスタング・スーパーカーにはさらなるDF削減措置も
2020年のVASCは、2月18日にザ・ベンド・モータースポーツパークでの合同テスト後、すぐに開幕を迎える


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