「まるでジェットコースター」とブルデー。首位が次々に脱落していくなか、勝者タワー8号車も危機一髪
2025年1月28日(火)12時19分 AUTOSPORT web

セバスチャン・ブルデーは、先週末フロリダで行われた『ロレックス24・アット・デイトナ(デイトナ24時間レース)』のフィニッシュは、多くのLMP2チームがレースリーダーから脱落する様子から「まるでジェットコースター」のようだったと語った。
1月25〜26日に行われたレースで、ブルデーは初めてIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権にLMP2クラスから参加。ジョン・ファラノ、セバスチャン・アルバレス、ヨブ・バン・ウイタートとチームを組んで8号車オレカ07・ギブソンをドライブし、伝統の一戦においてタワー・モータースポーツをクラス優勝に導いた。
この結果は、LMP2フィールドで少なくとも4台のトップランカーが脱落した後にもたらされたものだ。AFコルセ88号車のギアボックストラブルと、AOレーシング99号車の電気系統の問題。そしてエラ・モータースポーツ18号車がPR1/マティアセン・モータースポーツの52号車から接触を受けてスピンし、その後52号車にペナルティが下った件が、一連の“事件”に該当する。。
ブルデーはレース最終盤のフルコース・イエロー・コーション(FCY=IMSAではセーフティカーラン)の前に一時的に同クラスをリードしたが、リスタートでマティアス・ベッシェ駆る52号車オレカ(PR1/マティアセン)に、そしてピットではポール・ループ・シャタンの18号車オレカ(エラ)に抜かれてしまう。しかし前述のとおり、ベッシェとシャタンのアクシデントが発生したことで、このフランス人ドライバはふたたびフィールドをコントロールすることができた。
「(勝利を目指していたが)日中は本当にそれが難しいと思った」とブルデーは語った。「最終的には、主に他の人たちにインシデントや自滅的なミスがあり、僕たちのところに(勝機が)やってきたという感じだ」
「『もしかしたらチャンスがあるかしれない』という感じだった。実際のところ、チャンスが巡ってきたり、離れていったりを繰り返していて、まるでジェットコースターのようだったね」
「周りは大混乱だったよ。本当に、本当にアグレッシブな運転が多く、何度も接触した。正直とても驚いた」
「誰かにぶつからずに誰かを追い越すことはできなかったように思う。単純に、僕はそれがあまり好きではない」
「毎回、クルマがまっすぐ前に進み続けたことがとても嬉しかった。なぜなら、接触は毎回かなり強い衝撃だったからだ」
トップを争っていた18号車と52号車が接触し、両者が脱落したのちにクラス首位に立ったブルデーは、最後のスティントでアドバンテージを広げながらも、最後に余分なピットストップを必要としないように燃料をセーブしていた。
「エンジニアが無線で『今はゆっくり走れない』と言っていた」とブルデー。「彼は『燃料が少ないから余計なラップを走らないようにGTP(リーダー)の後ろに行く必要がある』とも言っていた。最終的に、僕たちは燃料を20%節約することができた。これは大きな数字だった」
「IMSAでのレースやそれらのレースでは、ときどき非常に奇妙な状況に陥ることがあるが、今回のレースは間違いなく従来とは異なるものだった」
なお2025年のレースでは、ルイ・デレトラズ駆る40号車キャデラックVシリーズ.R(キャデラック・ウェイン・テイラー・レーシング)の単独スピンをきっかけに、計7台のマシンが関係した土曜夜のマルチクラッシュがもっとも大きなアクシデントに挙げられるが、このときタワー・モータースポーツのマシンも事故に巻き込まれていたという。
当時8号車のステアリングを握っていたブルデーは次のように語った。「僕は“ビッグ・ワン”の一部だったんだ」
「1台が左フェンダーのすぐ横を通り過ぎ、右フェンダー脇にも別のクルマがいた。プラット・ミラーのクルマと接触してしまったが、僕にはあのとき後ろに下がる時間がなかったように思う」
「まるで『デイズ・オブ・サンダー』のようだった」
「正直なところ、すべてが目の前を通り過ぎたとき、クルマにまだ4つのホイールが付いていて、ステアリングがまっすぐだったことに気づいた僕は『これは奇跡だ!』と思った」
「実は何度も終わっていたかもしれないのに僕たちが今ここに居られるのは、いくつかの理由から非常に幸運だと感じている」
これでDPiとGTLMに続く、デイトナで3つめのクラス優勝を飾ったブルデーは長丁場レースを終えた後、シーズン開幕戦での勝利は、ファラノとのLMP2クラスでの新しいシーズンの長いキャンペーンを始めるのに「これ以上の方法はない」と述べた。
「これをまとめてくれたジョン(・ファラノ)に感謝し、本当に素晴らしい仕事をしてくれたチームメイトにも同様に感謝している」と彼は続けた。
「確かな努力だった。タワー・モータースポーツとの関係を始めるのにこれ以上の方法はない。僕たちは胸を張って、そして希望を抱いてセブリングに向かうつもりだ」
投稿 「まるでジェットコースター」とブルデー。首位が次々に脱落していくなか、勝者タワー8号車も危機一髪は autosport webに最初に表示されました。