日本勝利に必要なことは? 攻守充実、成熟期のイラン相手に「強度」「連動」維持がカギ

1月28日(月)13時16分 サッカーキング

攻守の鍵を握ることになる大迫と吉田 [写真]=Getty Images

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 AFCアジアカップUAE2019を戦う日本代表にとって、ベスト4で最大の壁と直面することになった。現時点でFIFAランキング、アジア首位に立つイラン代表との対戦となったからだ。

 ロシア・ワールドカップでスペイン、ポルトガルと互角に戦ったことも記憶に新しいイランは、カルロス・ケイロス監督が率いてまもなく8年を迎える。まさに成熟期と言えるチームは今大会でも5試合で12得点無失点と、攻守ともに好調だ。

■強力攻撃陣、左サイドの仕掛けは多様

 目を見張る攻撃陣を引っ張るのはFWザルダル・アズムン。ロシアW杯後に一度は代表引退を表明した若きエースは、その後の説得で翻意。今大会は4得点を挙げているが、得点力だけでなく、ボールを引き出す動きや前線からの守備など、ゴール以外でもチームに貢献している要素が大きい。

 特に気を付けなければいけないのがアズムンも流れて崩しに関わってくる左サイドからの攻撃だ。4−3−3の左ウイングに入るメフディ・タレミとアズムン、さらに左インサイドハーフのヴァヒド・アミリが絡んでの崩しは技術的にバリエーションがあり、強度も高い。タレミは準々決勝で2度目の警告を受けたため、日本戦で出場停止となることは好材料かもしれないが、代役としての起用が考えられるサマン・ゴドスもフィジカルとテクニックを備えて、単独での突破ができるウインガー。日本から見ると右サイドの守備は、より繊細さと強度、連携が求められる。

 また、負傷の影響で3試合目からピッチに立てるようになったアリレザ・ジャハンバフシュも要警戒。イランのジャーナリストに大会中、話を聞いた時も、「必ず決勝トーナメントに入ってから出てくる。インテリジェンスあふれる選手で、キーマンだ」と太鼓判を押す。2017−18シーズンのオランダリーグ得点王は、決勝トーナメント1回戦で1ゴール。調子を徐々に上げている点も注意が必要だ。

■個性の違う中盤3枚と対人に強い守備陣

 中盤3枚もキャラクターが異なる。前線に積極的に顔を出す前述のアミリとともに並ぶのはオミド・エブラヒミ、主将のアシュカン・デジャガだ。

 前線にハードワークできる人材が並ぶ中、正確なキックとゲームメイクでコントロールするのがデジャガ。前述のゴドスも「彼がいるだけで、勝利を得られる自信につながる」と称える主将は、セットプレーのキッカーとしてもチャンスを演出する。エブラヒミは縦横無尽にハードワークして、相手の攻撃の芽をつぶしつつ、シンプルに前線へつなぐ、レスター時代のエンゴロ・カンテに近いタイプの選手。運動量が豊富だ。

 ディフェンスラインに目を向けても、5試合無失点と堅守を誇る。ロシアW杯でもスペイン、ポルトガルに1失点ずつのみ。近4年で敗戦はそのW杯でのスペイン戦のみとなり、堅固かつ破綻しない守備は目を見張るものがある。CBに入るモルテザ・プーラリガンジは屈強で対人戦に絶対的な強さを誇る。守護神のGKアリレザ・ベイランヴァンドもシュートストップに自信を持つ。

■日本勝利のために

 見れば見るほど、考えれば考えるほど、イランは隙がない陣容。日本はどう結果を出すか。

 まず、相手攻撃の主な形である左サイドは人数をかけて抑えたい。サイドバック、サイドハーフだけでなく、ボランチの1枚も相手インサイドハーフの関与をケアしたい。CBがつり出されることになると、アズムンやジャハンバフシュにペナルティエリア中央で仕事をされることになる。

 相手右サイドではデジャガのパスメイクをつぶしつつ、奪いきれば反転してチャンスになる。日本から見れば左サイドハーフ、ボランチ、トップ下で囲い込みたい。つまりボランチの役目が、かなり多岐にわたり、個人として、ユニットとして高い精度を保つ必要がある。トップ下(もしくは2トップの一角)のプレスバック、両サイドハーフの上下動も重要となり、選手交代含め、運動量と強度をどこまで保てるかが鍵だ。

 攻撃においてはFWの位置でタメを作れるかがポイントになる。押し込まれる時間が長くなることも考えられるので、陣地回復や選手の攻め上がりを待つために、時間を作りたい。また、立ち上がりのイランの不安定さも突きたいところ。ここまで無失点とは言え、イランもピンチがなかったわけではない。中盤とCBの連携ミスやバイタルエリア、サイドバック裏のスペースが空き、CBがさらされることも散見された。中央に構えることが予想される大迫勇也南野拓実もしくは武藤嘉紀にチャンスは必ず訪れる。その機を逃さず、確実に仕留めてほしい。

 主将の吉田麻也は前日、「決勝のつもりで戦わないといけない」「90分、それ以上を走り切る覚悟を持って戦う」と決意を話している。これまでの相手とは違い、ミスをすれば、イランは逃してはくれない。丁寧かつ激しい守備、そしてハードワークを続けないと勝利は訪れない。

「トーナメントなので勝つことがすべて」と話す酒井宏樹の言葉の通り、一戦必勝のアジアカップ。厳しい試合をものにしていくことで、W杯後の新しいチームを構築している日本代表が得るものは大きい。そのためにも“あと2試合”勝ち抜いてほしい。

取材・文=小松春生

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