ジーターができなかった“満票”殿堂入り イチローは可能か

1月28日(火)6時0分 SPAIA

ニューヨーク・ヤンキースのデレク・ジーターⒸゲッティイメージズ

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ジーター、満票での殿堂入りならず

1月21日、長年ヤンキースで活躍した“キャプテン”、デレク・ジーターがアメリカ野球殿堂入りを果たした。1996年のア・リーグ新人賞にはじまり、オールスターには14回選出。ゴールドグラブ賞とシルバースラッガー賞はそれぞれ5回受賞している。メジャー通算3465安打は歴代の殿堂入りショートのなかで最多だった。また“ミスター・ノベンバー”の異名通り、ポストシーズンにめっぽう強く、安打や得点、長打の数といった打撃部門は今までの全てのメジャーリーガーのなかで最高の数字である。ワールドチャンピオンは計5回、2000年にはシリーズMVPも獲得している。
ここまで輝かしい成績を残しているだけに、多くの野球ファンはジーターが野球殿堂入りを果たすだけでは満足できなかった。かつての同僚、マリアノ・リベラに次ぐ満票での殿堂入りを期待していた。だが、それは叶わなかった。
ジーターの殿堂入りをアナウンスしたクーパーズタウンの代表に、スポーツキャスターが質問する。「ところで投票のパーセンテージは?」代表の返答は「396票が集まりました、397人中で」。満票まで、わずか1票足りなかった。

投票しなかったのは誰か “犯人”特定は困難?

現在、アメリカではジーターに、誰が、なぜ投票しなかったか、“犯人探し”が繰り広げられている。しかし、おそらくそれが明るみになることはないだろう。殿堂入りは、全米野球記者協会(BBWAA)に10年以上所属している記者の投票によって決まる。投票権を持つ記者の名簿は公表されているが、誰に投票したかは必ずしも明らかにする必要がないからだ。
以前BBWAAは野球殿堂博物館にすべての投票を公開するべきだと要求したが、博物館側は公表することで外部の圧力を受けやすくなるという理由からその要求を拒否した。23日に開かれた殿堂入りの記者会見でも投票を公表すべきという質問が飛んだが、博物館側は現状のやり方を維持する方向であると答えた。
ちなみに、ライアン・シボドー氏という記者が独自に集計し、自身のツイッター上で記者の投票先を発表している。シボドー氏の調査では、26日時点で242人の投票先が明らかになっているが、そのなかにジーターを外した“犯人”は含まれていない。
渦中のジーターは、投票しなかった記者に何か言いたいことはあるかと尋ねられたとき、「(投票しなかった人物ではなく)投票してくれた人に注目している。多くの人が賛同しないと殿堂入りできませんから」と答えた。ジーターのキャプテンシーは引退後も健在である。

イチローの満票殿堂入りは可能か

2020年の殿堂入り選手が発表された翌日、MLBの公式サイトは、ジーターでもできなかった満票での殿堂入りを誰が果たすことができるか、という特集を組んだ。アレックス・ロドリゲスやデビッド・オルティーズといったレジェンドのなかに、イチローの名前も候補に挙げられている。
だが、記事によると「ひょっとしたら日本出身であることがイチローへの投票を見送る唯一の残念な理由になるかもしれない」という。つまり、イチローがNPBで記録した1278安打はアメリカ野球殿堂入りの投票では考慮されない可能性があり、メジャー通算3089安打はジーターより少ないため投票しない記者が出てくるだろう、ということだ。
確かに、ピート・ローズのように、イチローが残した成績に対しケチを付けようと思えば誰だってできる。それでも、MLB公式サイトの特集では、イチローは満票殿堂入りの「大きな希望」と評している。それは彼の影響力が数字だけでは計り知れないからではないだろうか。
ステロイド全盛と言われた時代の彼の活躍は、アメリカ野球界の価値観を覆した。引退を発表した際には、野球が決して盛んとは言えない欧州でもそれが報じられた。イチローが日本だけでなく世界中に大きなインパクトを残したことは間違いない。
イチローの投票が始まるのは5年後の2025年。もし記者の誰かが投票しなかったとしても、少なくともその理由を隠すのだけはやめてもらいたい。
※日付は現地時間

SPAIA

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